なぜ中東は争い続けるのか|スンニ派vsシーア派500年・地政学で学ぶ資産形成シリーズ第2話

投資・資産運用

前回の第1話「ガソリン価格はなぜ上下するのか|地政学で読み解くエネルギー資産形成」では、ガソリンスタンドの価格表示という、私たちの生活に最も身近な数字が、実は数千キロ離れた中東の砂漠で起きる出来事と直結していることをお話ししました。原油価格は需給だけでなく、産油国の政治的安定や紛争リスクによって大きく揺れる――そう書きました。

では、その「中東の紛争リスク」とは、具体的に何なのでしょうか。なぜ中東は何十年、いや何百年も争い続けているのでしょうか。「宗教の対立」「石油の奪い合い」と一言で片づけられがちですが、その根っこを辿ると、632年というはるか昔の、ある一人の人物の死にまで遡ります。

私は4人の子を持つシングルファーザーで、20年にわたり不動産の大家業、20年の事業経営、そして20年の投資を続けてきました。妻を病気で亡くしてから、私は「世界の構造を理解すること」が、家族の資産を守る最大の防御だと痛感するようになりました。今日は、中東対立の根源を歴史と宗教の両面から、できる限り中立的にひもといていきます。これは資産形成の話であると同時に、私が子どもたちにいつか語りたい「世界の見方」の話でもあります。

このシリーズの全体像は地政学で学ぶ資産形成シリーズのハブページにまとめています。あわせてご覧ください。

※本記事は歴史・宗教・国際情勢に関する一般的な教養と、私個人の投資経験に基づく見解を述べたものです。特定の国家・民族・宗派を支持したり貶めたりする意図は一切ありません。また、特定の金融商品の購入を勧めるものでもなく、投資判断はご自身の責任で行ってください(YMYL配慮)。

イスラム教の成立とスンニ派・シーア派の分裂|632年の後継者問題

すべての出発点は7世紀初頭のアラビア半島です。預言者ムハンマドがイスラム教を興し、瞬く間に半島全域へと広がっていきました。イスラム教は単なる宗教ではなく、政治・法律・経済・生活様式のすべてを包み込む「共同体(ウンマ)」の思想です。ここが、後の対立を理解するうえで非常に重要な点です。宗教と政治が一体だからこそ、「誰が指導者になるか」が信仰そのものと不可分の問題になるのです。

632年、ムハンマドが後継者を明確に指名しないまま亡くなりました。ここで共同体は重大な問いに直面します――「次に誰がこの共同体を率いるべきか」。この一点をめぐる答えの違いが、1400年近く続く分裂の種となりました。

大きく二つの立場が生まれました。一つは「最もふさわしい人物を共同体の合意で選ぶべきだ」という考え方です。彼らはムハンマドの言行(スンナ)に従う者という意味で、後にスンニ派と呼ばれるようになります。実際、初代から続く指導者(カリフ)はこの合意による選出で決められていきました。

もう一つは「指導者はムハンマドの血統、特にいとこであり娘婿でもあったアリーとその子孫が継ぐべきだ」という考え方です。「アリーの党派(シーア・アリー)」という呼称が縮まってシーア派となりました。彼らにとって正統な指導者はイマームであり、血統こそが正統性の根拠なのです。

当初は政治的な後継者争いの色彩が強かったこの対立は、その後の歴史の中で神学・法学・儀礼の違いへと深まっていきました。決定的だったのが680年のカルバラーの悲劇です。アリーの子フサインが、当時の権力者の軍勢に包囲され殺害されました。この出来事はシーア派にとって「殉教」の原点となり、毎年アーシューラーという追悼の儀式で深く記憶され続けています。一つの政治的事件が、世代を超えて受け継がれる宗教的記憶へと昇華した――ここに、和解を難しくする感情の根があります。

ここで強調しておきたいのは、両派ともに同じ唯一神を信じ、同じ聖典を読み、同じ預言者を敬う、紛れもない同じイスラム教徒だということです。キリスト教にカトリックとプロテスタントがあるように、イスラム教にもいくつかの潮流がある。それ以上でもそれ以下でもありません。大多数の信徒は日々平穏に信仰を実践しており、「両派は常に殺し合っている」という見方は事実に反します。問題は、この宗派の違いが政治権力と結びついたときに、対立の道具として利用されてきたという構造のほうにあります。

両派の地理的分布|どこに誰が住んでいるのか

資産形成の視点を持つなら、「どの国にどちらの宗派が多いか」という地理を押さえておくことが欠かせません。なぜなら、それが石油の流れと国家間の緊張に直結するからです。

世界のイスラム教徒のおよそ8〜9割はスンニ派とされ、圧倒的な多数派です。サウジアラビア、エジプト、トルコ、そしてインドネシアやパキスタンといった人口大国を含め、世界の大半のイスラム圏はスンニ派が中心です。

一方シーア派は全体の1割強と少数派ですが、地理的に「ある一帯」に集中しているのが特徴です。イランは国民の大多数がシーア派で、シーア派世界の盟主を自任しています。隣国イラクもシーア派が多数派、バーレーンも同様です。さらにレバノンやイエメン、湾岸産油国の一部地域にも有力なシーア派コミュニティが存在します。

地図を眺めると見えてくるのは、ペルシャ湾という世界最大の石油・天然ガスの宝庫を、スンニ派の盟主サウジアラビアとシーア派の盟主イランが、湾を挟んで睨み合う構図です。世界の原油の多くがこの湾の出口、ホルムズ海峡を通って世界へ運ばれます。つまり、宗派の地理的分布が、そのままエネルギー供給の地政学的リスクの地図になっているのです。第1話で触れた「中東リスク」の正体の一つが、まさにここにあります。

代理戦争の構造|サウジアラビアとイランの覇権争い

現代の中東を理解する最大のカギは、サウジアラビアとイランという二つの地域大国の覇権争いです。これはしばしば「スンニ派盟主 対 シーア派盟主」の宗教対立として語られますが、私はその見方だけでは不十分だと考えています。本質は、宗派の旗を掲げた地域覇権をめぐる国家間のパワーゲームです。

両国は直接戦火を交えることは少なく、代わりに第三国の内戦や政争に、それぞれ別の勢力を支援する形で関与します。これが「代理戦争(プロキシ・ウォー)」と呼ばれる構造です。

たとえばシリアの内戦では、両国がそれぞれ異なる陣営を支援したとされ、内戦が長期化・複雑化する一因となりました。イエメンの紛争でも、サウジアラビア主導の連合と、イランが影響力を持つとされる勢力が対峙する構図が指摘されています。レバノンの政治情勢にも、両国の影響力のせめぎ合いが色濃く反映されてきました。

投資家としてこの構造から学ぶべきは、「中東のどこかで火種が一つ生まれると、それは一国の問題で終わらず、地域大国の代理対決へと拡大し、長期化しやすい」という性質です。短期で収まらない。当事者が増えて利害が複雑になる。だから原油市場は中東の小さなニュースにも過敏に反応し、ボラティリティ(価格変動)が高止まりするのです。一回の停戦合意で終わる話ではない、という前提を持っておくことが大切です。

聖地問題|エルサレム・メッカ・メディナが妥協を阻む

中東の対立がこれほど解決困難なもう一つの理由が、聖地の存在です。土地や資源の争いであれば、最終的には交渉や分割で折り合いをつける余地があります。しかし、信仰の中心である聖地は「分割」も「妥協」も極めて難しい。なぜなら、それは経済的価値ではなく、譲れない信仰的アイデンティティそのものだからです。

メッカとメディナは、イスラム教徒にとって最も神聖な二つの都市です。世界中のイスラム教徒が生涯に一度の巡礼(ハッジ)を目指す中心地であり、これらを擁することは大きな宗教的権威を意味します。

そしてエルサレム。ここはユダヤ教・キリスト教・イスラム教という三つの一神教すべてにとっての聖地という、世界でも稀有な都市です。同じ丘の上に、それぞれの宗教にとってかけがえのない聖跡が重なり合っています。三者がいずれも「ここは我々の聖地だ」と主張する以上、誰かが満足する解決は他の誰かの不満を生む。この構造的なジレンマが、中東和平交渉を何十年も難航させ続けてきた核心です。

私が子どもたちにこの話をするとき、いつも気をつけているのは「どの宗教が正しいか」という問いを立てないことです。聖地問題の本質は正誤ではなく、「複数の人々が同じ場所を心の拠り所にしている」という事実そのものにあります。経済合理性だけでは決して割り切れない人間の営みがある――この理解こそが、世界を冷静に見るための土台になると私は思っています。

石油利権と列強の介入の歴史|引かれた国境線

中東の対立を宗教だけで説明するのは、私は片手落ちだと考えています。20世紀に入って中東が「世界の火薬庫」となった背景には、石油と、それをめぐる外部の大国の介入という、もう一つの大きな要因があるからです。

20世紀初頭、中東で巨大な油田が次々と発見されました。それまで砂漠の辺境と見なされていた地域が、一夜にして世界経済の心臓部へと変貌したのです。エネルギーを必要とする欧米の列強は、こぞってこの地域への関与を強めていきました。

この時代に引かれた国境線の多くが、現地の民族・宗派の分布を必ずしも考慮せず、外部の大国の都合で決められたと指摘されています。一つの民族が複数の国に分断されたり、歴史的に緊張関係にある集団が一つの国に押し込められたりした。こうして生まれた「無理のある国家の枠組み」が、後の内戦や分離独立運動の遠因になったという見方は、広く共有されています。

さらに冷戦期には、東西両陣営がそれぞれ中東の国々を自陣に取り込もうと支援を競い、地域の対立に外部の論理が重ね合わされました。石油という戦略資源があるがゆえに、中東は常に世界の大国の関心の的であり続け、純粋に地域内の問題として完結することを許されなかった――この「外部介入の常態化」もまた、対立が長引く構造的な理由なのです。

投資家の目で見れば、これは「中東情勢には常に複数の大国の思惑が絡んでおり、当事国だけを見ていても先は読めない」という教訓になります。一国の指導者が交代しても、背後の大国間バランスが変わらなければ構造は変わらない。だからこそ予測が難しいのです。

中東100年の戦争史|主要な紛争を駆け足で振り返る

ここで、20世紀以降の中東で起きた主要な紛争を、ごく簡潔に時系列で整理してみます。一つひとつの詳細に立ち入ると膨大になるため、あくまで「これだけ多くの大きな争いが、これほど短い期間に集中して起きてきた」という事実の重みを感じていただくための一覧です。

四度にわたる中東戦争(20世紀半ば〜後半)――新たな国家の樹立をめぐり、周辺諸国との間で四度の大規模な戦争が起きました。とりわけある戦争に伴う産油国側の対応は、世界的な「石油危機(オイルショック)」を引き起こし、原油価格の急騰が日本を含む世界経済を直撃しました。地政学が家計を揺るがすことを世界が痛感した瞬間です。

イラン革命(1970年代末)――それまで親欧米路線だったイランで革命が起き、宗教指導者を中心とする体制へと大きく転換しました。これによりシーア派の盟主としてのイランの性格が強まり、地域の力関係が一変しました。同時期、原油価格は再び大きく跳ね上がりました。

イラン・イラク戦争(1980年代)――隣り合う両国の間で、8年にわたる消耗戦が続きました。膨大な犠牲を出しながら、明確な勝者のないまま終結しました。

湾岸戦争(1990〜91年)――ある国による隣国侵攻をきっかけに、多国籍軍が介入する大規模な軍事衝突となりました。石油供給への懸念から原油価格は急騰しました。

イラク戦争(2000年代)――大規模な軍事介入により一国の体制が崩壊し、その後の権力の空白が、宗派間の対立や新たな武装勢力の台頭を招いたと指摘されています。一つの介入が、意図せぬ長期の混乱を生んだ典型例です。

シリア内戦(2010年代〜)――民衆の抗議運動に端を発した混乱が、国内の諸勢力に加え、先述の地域大国や外部の国々の介入を巻き込み、極めて複雑で長期化した内戦へと発展しました。多数の難民が周辺国や欧州へと流出し、その影響は中東を越えて世界へ及びました。

こうして並べてみると、ほぼ一世代ごとに大きな紛争が繰り返されてきたことが分かります。そして、そのほとんどすべてが、なんらかの形で原油価格に影響を与えてきました。第1話で「ガソリン価格は地政学で動く」と書いた背景には、この百年の重い歴史があるのです。

投資家の教訓|宗教・民族対立は予測不能な長期構造リスク

さて、ここからが私が最もお伝えしたい本題です。この長く複雑な歴史から、一人の投資家として何を学ぶべきでしょうか。

第一に痛感するのは、宗教・民族対立は本質的に「予測不能」だということです。経済指標であれば、ある程度のモデルや過去データから先を推測できます。しかし、1400年前の後継者問題に端を発し、聖地という妥協不可能な要素を抱え、地域大国の覇権争いと外部の大国の思惑が幾重にも絡み合った対立を、いつ・どこで・どう動くか正確に当てることは、私は誰にもできないと思っています。「中東が落ち着けば原油は下がる」と言うのは簡単ですが、その「落ち着く」がいつ訪れるかは誰にも分からないのです。

第二に、この対立は短期で終わらない長期構造リスクだということです。一回の停戦や和平合意で根本が解決することは、歴史を見る限り稀でした。火種は形を変えて何度も再燃してきました。つまり、これは「いつか消える一時的なリスク」ではなく、「世界に常在し続ける背景リスク」として捉えるべきものなのです。

では、予測不能で長期構造的なリスクに対して、私たち個人投資家はどう備えればよいのか。私の20年の結論は、極めてシンプルです。「当てにいかず、分散する」。これに尽きます。

具体的には、特定の産油国の企業や、中東情勢に業績が大きく左右される個別株に資産を集中させるのは、私は避けるべきだと考えています。「原油が上がりそうだから石油株を買う」「中東が荒れたから関連株を売る」といった短期の読みは、プロでも外す世界です。当たれば大きいが、外せば取り返しがつかない。家族の生活を支える資産で、そんな勝負をする必然性はありません。

その対極にあるのが、世界全体に幅広く分散する考え方です。世界中の多くの国・多くの業種にまたがって投資しておけば、ある地域で紛争リスクが顕在化しても、その影響はポートフォリオ全体の中で薄まります。中東の緊張で資源価格が上がれば資源関連が潤い、逆に落ち着けば消費関連が伸びる――そうした逆相関の力が、自動的にリスクを和らげてくれるのです。私が地政学を学べば学ぶほど、皮肉にも「だからこそ個別の予測に頼らない分散投資が正しい」という確信が深まっていきます。地政学の知識は、相場を当てるためではなく、当てにいかない胆力を持つために学ぶのです。

借金・複利の視点|資源国の通貨とインフレが教えてくれること

もう一つ、私が大家業と投資の両面で重視してきた「借金と複利」の視点から、この話を見てみましょう。

地政学的に不安定な資源国では、しばしば通貨が大きく下落し、激しいインフレが起きることがあります。紛争や制裁、政情不安によって経済の信認が揺らぐと、その国の通貨の価値は急速に目減りします。輸入品の価格が跳ね上がり、人々の生活は一気に苦しくなる――これがインフレの恐ろしさです。

ここで「複利」の考え方が効いてきます。私は常々、複利は借り手の側では決して敵に回してはならず、資産を持つ側では必ず味方につけるべきものだと考えています。これは私の資産形成の根幹をなす原則です。

たとえば高インフレ・通貨安の環境で、現地通貨建ての借金を抱えていたらどうなるでしょう。一見すると「インフレで借金の実質価値が目減りして得をする」と思われがちですが、現実はそう単純ではありません。そうした国では金利も極端に高くなりがちで、利息が複利で雪だるま式に膨らみ、借り手を容赦なく追い詰めます。複利が完全に敵に回る局面です。

逆に、価値が保たれる資産――たとえば世界に分散された株式や、信認のある通貨建ての資産――を持っている側であれば、長期の複利の力を味方につけられます。インフレで現金の価値が溶けていく一方で、実物資産や成長する企業の株式は、長い目で見れば価値を保ち、増やしていく傾向があります。

私が伝えたいのは、「無理な借金で勝負をしない」こと、そして「複利が味方になる側に立ち続ける」ことの大切さです。中東の資源国通貨が地政学リスクで乱高下するニュースを見るたび、私は「通貨や経済の信認は、平和と安定の上に成り立っている」という当たり前の事実を噛みしめます。だからこそ、信認の揺らぎやすい一点に賭けるのではなく、分散された資産の上で複利を静かに働かせ続ける――これが、嵐の多い世界で家族の資産を守る私なりの答えです。

※借入や複利に関する考え方は私個人の経験に基づく見解です。借入の是非や条件は個々の状況により異なりますので、実行の際は専門家にご相談ください。

4児パパの視点|子どもに宗教対立をどう教えるか

最後に、4人の子を育てる父親としての話をさせてください。子どもたちが成長してニュースを見るようになると、必ず聞かれます。「どうしてあの国の人たちは戦っているの?」「どっちが悪いの?」と。

私がいつも心がけているのは、「どちらが正しくて、どちらが悪い」という単純な善悪の枠組みで語らないことです。それは事実に反するうえ、偏見を植えつけてしまうからです。スンニ派が悪いわけでもシーア派が悪いわけでもない。イスラム教が争いの宗教なのでも決してない。世界中の大多数の信徒は、家族を愛し、平和に暮らすことを願う、私たちと何ら変わらない人々です。

子どもたちには、こう伝えるようにしています。「人と人が争うのには、たいてい長い歴史と、それぞれの言い分がある。一方だけを聞いて決めつけてはいけないよ」と。そして「同じ神様を信じている人たちでさえ、ほんの少しの考えの違いから長く対立してしまうことがある。だからこそ、相手の立場を想像する力が大切なんだ」と。

これは宗教だけの話ではありません。学校での友達とのけんか、社会に出てからの意見の対立――あらゆる場面で通じる「世界の見方」だと私は信じています。地政学を学ぶことは、単に資産を守るためだけではなく、子どもたちに「分断ではなく理解の側に立つ人間」に育ってほしいという、私の願いとも繋がっているのです。

妻を亡くしてから、私は一人で4人の子に世界を教える責任を負いました。完璧な答えは持ち合わせていません。それでも、「決めつけないこと」「学び続けること」「平和の価値を知ること」――この三つだけは、何としても伝えたいと思っています。中東対立の歴史は、その何よりの教材になってくれています。

まとめ|次回予告・マラッカ海峡という世界経済の急所

今回は、中東対立の根源を歴史と宗教の両面からたどってきました。要点を振り返ります。

  • 対立の起点は632年、ムハンマド死後の後継者問題によるスンニ派・シーア派の分裂にある。
  • 多数派のスンニ派と、イランを中心とするシーア派の地理的分布が、エネルギー供給のリスク地図と重なる。
  • サウジアラビアとイランの覇権争いは、各地で「代理戦争」という長期化しやすい構造を生んでいる。
  • 聖地という妥協不可能な要素と、石油をめぐる外部の大国の介入の歴史が、対立をさらに複雑にしている。
  • 投資家の教訓は「予測不能・長期構造リスクには、当てにいかず分散で備える」こと。
  • 複利は借り手の側で敵に回さず、資産を持つ側で味方につける――信認の揺らぎやすい一点に賭けない。

地政学のリスクは、エネルギーだけにとどまりません。次回の第3話では、世界の物流の急所とも言えるマラッカ海峡を取り上げます。日本に届くモノの多くが通るこの細い海の道が、なぜ世界経済の「喉元」と呼ばれるのか。そこにどんな地政学リスクが潜み、私たちの資産形成にどう関わるのか。海から世界経済を読み解いていきます。どうぞお楽しみに。


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本記事は地政学・歴史・国際情勢に関する一般的な解説と、著者個人(4児のシングルファーザー、20年の大家業・事業・投資経験を持つ資産形成士)の見解をまとめたものです。特定の国家・民族・宗派への偏見を助長する意図はなく、また特定の投資行動を推奨するものでもありません。投資はご自身の判断と責任において行ってください。

▶ 次の話:第3話 ロシアの資源戦略とパイプライン政治|エネルギーが武器になる時

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