子どもとの約束、親の側が破ってしまった時にどう向き合うか

子どもとの約束、親の側が破ってしまった時にどう向き合うか 4児子育てのリアル

4人の子どもを育てるシングルファーザーとして、個人事業主・投資家・大家という3つの立場を兼ねながら日々を過ごしていると、どうしてもスケジュールが読みきれない場面に出くわす。子どもと交わした「今度の休みは一緒に出かけよう」「帰ったら宿題を見るよ」といった小さな約束を、仕事の都合で破ってしまったことが、正直に言えばこれまで何度もある。今回は、そんな「親の側が約束を破ってしまった時」に、自分がどう向き合ってきたかを振り返ってみたい。

親としては、約束を守ることの大切さを子どもには常々伝えてきた立場でもある。だからこそ、自分自身が約束を破ってしまったときの気まずさ、申し訳なさは人一倍感じてきたし、その都度どう子どもに向き合うべきか、試行錯誤を重ねてきた。完璧な正解があるわけではないが、自分なりに積み重ねてきた考え方を、同じように仕事と子育てを両立させている読者と共有できればと思う。会社員として働いていた時期がないぶん、良くも悪くも「自分で全部決められる」立場だからこそ、約束の重みについて人一倍考えさせられてきたようにも思う。

私自身、約束を破ってしまった経験

一番記憶に残っているのは、取引先との急な打ち合わせが入り、子どもと約束していた休日の予定を直前でキャンセルせざるを得なかったときのことだ。事業主として自分でスケジュールを組み立てられる自由さがある一方で、相手のある仕事である以上、自分の都合だけで動けない場面は必ず出てくる。子どもは楽しみにしていた予定が急になくなったことに、はっきりと不満を口にした。その顔を見たとき、「自分で決めた約束を、自分の都合で破ってしまった」という事実の重さを痛感した。

不動産の入居者対応や、投資判断のための急な確認事項など、事業主・投資家・大家という立場を重ねていると、予定外の対応が発生する頻度は、会社員として働いていた頃よりも高いと感じる場面が多い。自由度が高い分、自分自身のスケジュール管理の甘さが、そのまま子どもとの約束を破る結果につながりやすいという構造にも気づかされた。似たようなことは一度だけでなく、繁忙期が重なると立て続けに起きることもあり、そのたびに自分の働き方全体を見直す必要性を感じてきた。

振り返ってみると、約束を破ってしまった原因の多くは、私自身が「なんとかなるだろう」と楽観的にスケジュールを組んでしまったことにある。事業主という立場は、自分の裁量で予定を動かせる自由がある一方で、その自由さに甘えて、余裕のないスケジュールを組んでしまいがちだという自覚も持つようになった。

もうひとつ記憶に残っているのは、投資判断のタイミングと子どもとの約束が重なった場面だ。市場が大きく動いている最中に、保有している資産の状況を確認する必要が出てきて、約束していた読み聞かせの時間を後回しにしてしまったことがあった。投資の世界では、判断を先延ばしにすること自体がリスクになる場面もあり、そのときは仕事を優先せざるを得なかったが、後になって「あのとき無理にでも先に子どもとの時間を優先できなかったか」と、何度も自問することになった。

なぜこの働き方は約束を破りやすい環境を生みやすいのか

個人事業主として働く以上、仕事の依頼や取引のタイミングを完全にコントロールすることは難しい。会社員であれば就業時間という明確な区切りがあるが、自分で事業を営んでいると、緊急の連絡や対応が、休日や子どもとの約束の時間に入り込んでくることが少なくない。投資判断についても、市場が動くタイミングは予測できず、重要な判断が必要な瞬間が、家族との時間とかち合うこともある。

大家業についても同様で、入居者からの緊急の連絡や設備トラブルへの対応は、こちらの都合とは無関係に発生する。水漏れや設備の故障といったトラブルは、休日であろうと容赦なく起きるもので、対応を後回しにできない性質のものが多い。こうした複数の立場を同時に抱えていることが、結果的に子どもとの約束を破りやすい環境を作り出しているのだと、自分自身の働き方を振り返って改めて感じている。この構造を理解したうえで、どう対処するかを考えることが、次の一歩につながった。

管理会社に委託している物件もあるが、最終的な判断が必要な場面では、結局のところ自分に連絡が回ってくる。委託しているから安心とはいえ、判断そのものを完全に手放すことはできず、その意味では「いつ何が起きるか分からない」という緊張感は、大家業を続けている限りついて回るものだと感じている。この緊張感の中で子育てをしていることを、改めて自覚する必要があると思うようになった。

同時に、複数の収入源を持つ働き方だからこそ、ひとつの仕事に固執せず、優先順位をつけやすいという利点もある。取引先との打ち合わせ日程を調整できる余地がある場合には、あらかじめ「子どもの予定がある日は避けたい」と伝えるようにするなど、事業主だからこそできる調整の仕方も、経験を重ねる中で身についてきた。

会社員であれば、上司や会社の都合で予定が動くことはあっても、その責任の所在は自分だけにはない。しかし個人事業主として働いていると、約束を破る原因を作っているのが結局は自分自身の判断であるという事実から逃げられない。この「言い訳のできなさ」こそが、事業主として子育てをする難しさであり、同時に、約束のひとつひとつに向き合わざるを得ない環境を作ってくれているのだとも感じている。

破ってしまった直後にやっていること

約束を破ってしまったと気づいた瞬間、まず私が意識しているのは、言い訳から入らないということだ。「仕事だから仕方なかった」という説明を先にしてしまうと、子どもからすれば、自分の気持ちよりも仕事の事情が優先されたように感じてしまう。そこでまずは「約束を守れなくて、悲しい思いをさせてしまったね」と、子どもの気持ちに寄り添う言葉を先に伝えるようにしている。

そのうえで、なぜ約束を守れなかったのかを、子どもにも分かる範囲で正直に説明する。事業の内容を細かく説明する必要はないが、「急な用事が入ってしまって、どうしても対応しないといけなかった」という事実は隠さずに伝えている。そして最後に、必ず「代わりにいつなら約束を守れるか」を具体的に提示するようにしている。ただ謝るだけでなく、次の約束を具体的な形で示すことが、子どもの信頼を取り戻すうえで欠かせないと感じている。

謝罪の言葉についても、抽象的な「ごめんね」だけで終わらせず、何に対して謝っているのかを明確に言葉にするよう心がけている。「一緒に出かける時間を楽しみにしていたのに、それを奪ってしまってごめんね」というように、具体的な事柄に言及することで、子どもも「ちゃんと分かってくれている」と感じやすくなるようだ。

もうひとつ意識しているのは、謝罪のタイミングを引き延ばさないことだ。約束を破ることが確定した時点で、できるだけ早く子どもに伝えるようにしている。ぎりぎりまで黙っていて、当日になって初めて伝えるようなことがあると、子どもの落胆はより大きくなってしまう。早めに伝えることで、子ども自身も気持ちの整理をつける時間を持てるし、代わりの予定を一緒に考える余裕も生まれると感じている。

子どもの反応から学んだこと

約束を破った直後、子どもの反応はさまざまだ。素直に不満を口にする子もいれば、表面上は「いいよ」と言いながら、内心では落胆している様子が見て取れる子もいる。この違いに気づいてから、私は表面的な返事だけで「納得してくれた」と判断しないよう気をつけるようになった。

特に印象に残っているのは、ある子が「パパは仕事が大事なんでしょ」と、突き放すような言い方をしたときのことだ。この言葉を聞いたとき、単に予定を変更したことへの不満だけでなく、「自分より仕事が優先された」という、より根の深い不安を感じ取っているのだと気づかされた。それ以来、約束を破ったときには、スケジュールの調整だけでなく、子どもの存在そのものが軽んじられていないと伝わるような関わり方を、より意識するようになった。

反対に、あまり不満を口にしない子に対しても、私は油断しないようにしている。感情を表に出さないタイプの子ほど、内側に不満をため込みやすい傾向があると感じているからだ。そうした子には、こちらから「本当は楽しみにしてたんじゃない?」とあえて言葉をかけ、気持ちを吐き出せる機会を作るよう心がけている。

こうした子どもたちの反応を観察してきた経験から、私は「約束を破ったこと」そのものよりも、「その後にどう向き合ったか」の方が、子どもの記憶に残りやすいのではないかと感じるようになった。実際、何年か前に破ってしまった約束の内容自体は子どもの記憶から薄れていても、そのときにどんな会話をしたか、どんなフォローをしたかは、意外と覚えているものだと感じる場面が何度もあった。

子どもたちの反応を注意深く見るようになってから、ふとした会話の中で「あのとき本当は悲しかった」と、時間が経ってから打ち明けられることもあった。その場では平静を装っていても、心の中では小さな傷として残っていたのだと知り、反応が薄いからといって軽く受け止めてはいけないと、改めて肝に銘じるようになった。子どもの感情表現は年齢や性格によって大きく異なるからこそ、親の側が一人ひとりの表現の仕方をよく観察し、理解しようとする姿勢そのものが問われているのだと思う。

「約束の質」を見直すきっかけになった

こうした経験を重ねる中で、私は「そもそも守れない約束を安易にしていないか」を見直すようになった。忙しい時期でも、子どもの顔を見て「今度の休みに一緒に出かけよう」とつい口にしてしまうことがあったが、その場しのぎの言葉が、結果的に子どもの期待を裏切ることにつながっていたと反省している。

それ以来、約束をする前に、自分のスケジュールをある程度確認してから口にするよう心がけている。不確実性が高い時期には「予定が空いたら一緒に出かけよう。もし難しかったら別の日にしよう」と、あらかじめ幅を持たせた伝え方をするようにもなった。約束の言葉そのものを、より正直で現実的なものに変えていくことが、結果的に約束を破る頻度を減らすことにつながったと感じている。

不動産投資でいえば、確度の低い情報だけで強気の見通しを語ってしまうと、後になって実態との乖離が問題になる。それと同じで、子どもとの約束も、確度の低い予定を確定事項のように語ってしまうことが、後の信頼低下につながるのだと考えるようになった。「不確実なことは不確実なまま伝える」という姿勢は、投資家としての情報開示の感覚と、親としての約束の伝え方とで、驚くほど共通していると感じる。

破りにくい約束の立て方に変えた

約束の質を見直す中で、具体的に変えた点がいくつかある。まず、大きな予定については、できるだけ早い段階でスケジュール帳に書き込み、他の仕事の予定が入りにくいようブロックしておくようにした。事業主・投資家・大家という3つの役割を持つからこそ、家族の予定を「動かせないもの」として扱う意識を強く持つ必要があると実感している。

また、「絶対に」という言葉を安易に使わないようにもなった。「絶対に行くよ」ではなく、「できる限り調整するけれど、もし仕事が入ったら別の日にしよう」という伝え方にすることで、万一予定が崩れたときの子どもの失望感を和らげられると感じている。以前「子どもとの週末の予定、仕事の都合との折り合いのつけ方」でも書いたが、約束の立て方そのものを工夫することが、破ってしまうリスクを減らす一番の対策だと考えている。

さらに、大きな約束をひとつだけ立てるのではなく、小さな約束をいくつか重ねるようにもしている。ひとつが崩れても他の約束は守れる、という状態を作っておくことで、子どもとの信頼関係全体が一度の失敗で崩れてしまうことを防げると感じている。

加えて、約束の内容自体を、こちらの裁量で調整しやすいものに変えるという工夫もしている。「〇〇に行こう」という場所を固定した約束よりも、「一緒に過ごす時間を作ろう」という枠組みだけを先に約束し、具体的な内容は当日の状況に合わせて決める、というやり方にすると、多少予定が崩れても代替案を出しやすくなる。約束の「粒度」を調整することも、破りにくい約束を作るうえで役立つ工夫のひとつだと感じている。

スケジュール管理の工夫

投資家としてのリスク管理の発想は、家庭内のスケジュール管理にも応用できると感じている。投資判断では、予測できない変動要因をあらかじめ織り込んでおくことがリスク管理の基本だが、子どもとの約束においても同じように、「不確実な要素」をあらかじめ見込んでおくことが有効だと気づいた。

具体的には、子どもとの予定を入れる日には、あえて仕事の予定を詰め込みすぎないよう、前後に余白を持たせるようにしている。大家業における入居者対応のように、突発的な事態が起きやすい業務については、あらかじめ「対応可能な時間帯」を決めておき、それ以外の時間には極力予定を入れないようにする工夫も続けている。こうした事前の設計が、結果的に子どもとの約束を守りやすい環境を作ることにつながっていると実感している。

管理ツールについても試行錯誤を重ねてきた。以前は紙の手帳だけで予定を管理していたが、家庭の予定と仕事の予定を一つのカレンダーにまとめて可視化するようにしてから、予定が重なっていることに事前に気づけるようになり、無理な約束をしてしまう回数自体が減った。

家庭の予定を色分けして仕事の予定と並べて見えるようにしたことも効果があった。仕事の予定ばかりが並んでいる週に気づいたときは、その週にはあえて子どもとの小さな約束を入れないようにするなど、無理に予定を詰め込まない判断ができるようになった。可視化することで、自分自身の思い込みに頼らず、客観的に「守れそうな約束かどうか」を判断できるようになったのは、大きな変化だったと感じている。

4人それぞれとの約束の重み方の違い

4人の子どもを育てていると、一人ひとりが約束に対して感じる重みが異なることにも気づかされる。ある子はスケジュール自体よりも「一緒に過ごす時間の長さ」を重視し、別の子は「約束した内容そのもの」を強く覚えている、といった具合だ。この違いを理解せずに一律に同じ対応をしてしまうと、かえって不満を大きくしてしまうこともあると学んだ。

そのため、約束を破ってしまった際のフォローも、子どもごとに少しずつ変えるようにしている。時間を重視する子には、短くても確実に一緒に過ごす時間を作ることを優先し、内容を重視する子には、当初約束していた活動そのものを別日に実現することを優先する、というように、その子の傾向に合わせた対応を心がけている。以前「きょうだい間の比較を避けるために、意識していること」でも触れたが、4人それぞれの個性に向き合うことは、約束の守り方ひとつをとっても求められる姿勢だと感じている。

4人もいると、同じ日に複数の子と別々の約束をしていることも珍しくない。ある子との約束を優先せざるを得ず、別の子との約束を後回しにするという場面も、正直なところ避けられない。そうした場合には、後回しにした子に対して、なぜその判断をしたのかを丁寧に説明するようにしている。「今日は〇〇を優先したけれど、次はあなたの番だからね」と、順番が回ってくることを明確に伝えることで、不公平感を最小限に抑えられるよう心がけている。きょうだいの人数が多いからこその難しさだと感じる一方で、その分、一人ひとりとの約束を大切に扱う姿勢がより問われているとも思う。

まとめ

個人事業主・投資家・大家という複数の立場を持ちながら4人の子どもを育てる中で、子どもとの約束を破ってしまう場面は、正直なところゼロにはできていない。大切なのは、約束を破らないことを完璧に目指すことよりも、破ってしまったときにどう向き合うか、そして約束の質そのものをどう見直していくかだと感じている。

言い訳よりも先に子どもの気持ちに寄り添うこと、代わりの約束を具体的に示すこと、そして安易な約束をしないよう自分の言葉に責任を持つこと。この積み重ねが、子どもたちとの信頼関係を保つうえで欠かせないと実感している。仕事と子育てを両立させる中で同じような悩みを抱える読者にとって、少しでも参考になれば嬉しい。約束を守ることも、破ってしまった後にどう向き合うかも、結局は日々の積み重ねでしか信頼を築けないのだと、この経験を通じて改めて感じている。

事業主・投資家・大家という3つの立場を抱えながらの子育ては、今後も予定外の事態と隣り合わせであり続けるだろう。だからこそ、約束を破らない完璧さを目指すのではなく、破ってしまったときにどう誠実に向き合うかという姿勢を、これからも大切にしていきたいと思っている。4人の子どもたちが、それぞれ自分の人生の中で誰かと約束を交わす立場になったとき、この家庭で積み重ねてきたやり取りが、少しでも役に立ってくれればと願っている。

免責事項

本記事は筆者個人の子育て経験にもとづく一般的な情報提供を目的としています。子どもへの接し方や約束の立て方は家庭ごとに事情が異なりますので、参考情報としてご活用ください。

タイトルとURLをコピーしました