子どもの叱り方、感情的にならないために決めているルール

子どもの叱り方、感情的にならないために決めているルール 4児子育てのリアル

4人の子どもを一人で育てていると、叱る場面は日常茶飯事です。きょうだい喧嘩の仲裁、宿題をやらない、約束を破る、危ないことをする……。一人であればまだしも、4人分となると、叱る回数そのものが単純に増えますし、疲れている日に限って立て続けにトラブルが起きるということも珍しくありません。

正直に言うと、感情的に声を荒げてしまいそうになる瞬間は今でも何度もあります。しかし、その場の感情に任せて叱ってしまうと、後になって「言い過ぎたかもしれない」と自己嫌悪に陥ることが多く、子どもとの関係にも良くない影響が残ると感じてきました。そこで私は、長年の試行錯誤の末に、自分なりの「叱り方のルール」をいくつか決めるようになりました。今回はその具体的なルールと、そこに至るまでの失敗談を含めて紹介したいと思います。

一人親として日々の判断をすべて自分一人で下さなければならない環境だからこそ、感情のコントロールは意識的に取り組むべき課題だと考えるようになりました。仕事でも冷静な判断力が求められる場面が多くありますが、家庭での叱り方にも同じような自己管理が必要だと痛感しています。

「6秒ルール」で一呼吸置く習慣をつける

私がまず取り入れたのは、いわゆる「怒りのピークは長くても6秒ほどでおさまる」という考え方を応用した一呼吸置く習慣です。子どもの行動にカッとなりそうになった瞬間、すぐに言葉を発するのではなく、まず心の中で数を数えながら6秒ほど待つようにしています。

最初のうちはこの6秒がとても長く感じられました。特に危険な行動を目にしたときなどは、反射的に大きな声で止めたくなる衝動に駆られます。しかし、実際にやってみると、たった6秒待つだけで、頭の中で「なぜこの子はこの行動をしたのか」を考える余裕が生まれることに気づきました。

この習慣を続けるうちに、6秒待つこと自体が徐々に自然にできるようになっていきました。もちろん、緊急を要する危険な場面では一瞬の間もなく声を上げる必要がありますが、そうでない日常的な場面では、この一呼吸が感情的な言葉を防ぐ大きな助けになっています。

6秒という短い時間の中で、私は自分に「これは今すぐ叱らなければならないことか」「後で落ち着いてから話しても遅くないか」という二つの問いを投げかけるようにしています。この問いを繰り返すことで、本当に緊急性のある場面と、そうでない場面を区別できるようになり、結果として不必要に感情をぶつける回数が減っていきました。子ども自身も、私が以前より落ち着いた口調で話すようになったことに気づいているようで、以前より素直に話を聞いてくれる場面が増えたように感じています。

「行動」を叱り、「人格」を否定しないよう言葉を選ぶ

叱るときに私が最も気をつけているのは、子どもがした「行動」に対して指摘することと、子どもの「人格」を否定することを、明確に区別することです。「なんでいつもこうなの」「だからダメなんだ」といった言葉は、行動ではなく人格そのものを否定する響きを持ってしまいます。

そこで私は、「この行動はよくなかった」「次はこうしてほしい」というように、具体的な行動とその改善策に焦点を当てた言い方をするよう意識しています。最初はこの言い換えがなかなかうまくできず、つい感情的な言葉が口を突いて出てしまうこともありましたが、意識して繰り返すうちに、少しずつ自然にできるようになってきました。

言葉の選び方一つで、子どもの受け止め方は大きく変わります。同じ内容を伝えるにしても、人格を否定する言葉を使ってしまうと、子どもは「自分はダメな人間なんだ」という自己否定につながりかねません。この点は、後述する自己肯定感の育み方とも深く関わってくると感じています。

私はこの言い換えを習慣化するために、あらかじめ「よく使ってしまいがちなNGワード」をいくつか書き出し、その代わりにどう言い換えるかをセットで考えておくようにしています。たとえば「なんで毎回同じことするの」は「今回はこうなったね、次はどうしたらいいと思う」に、「もう知らない」は「今は少し時間を置こうか」に、というように、あらかじめ言い換えのパターンを用意しておくことで、とっさの場面でも感情的な言葉が口をついて出るのを防げるようになりました。準備しておくことで、いざというときに冷静な言葉を選びやすくなるのだと実感しています。

きょうだい喧嘩は「順番」に気をつけて話を聞く

4人もいると、きょうだい喧嘩は避けられません。喧嘩が起きたときに私が意識しているのは、どちらか一方の言い分だけを先に聞いて判断を下さないということです。以前は、年上の子や、その場で先に話し始めた子の言い分を先に聞いてしまい、結果的に偏った判断をしてしまうことがありました。

今は、まず両方を落ち着かせてから、一人ずつ順番に話を聞く時間を作るようにしています。話を聞く順番も、毎回同じ子から始めるのではなく、意識的に入れ替えるようにしています。これは「4人育児で崩れがちな平等、意識していること」という記事でも触れていますが、些細な順番の偏りも積み重なると子どもたちの中に不公平感を生むことがあるためです。

双方の言い分を聞いた上で、どちらが悪いと単純に決めつけるのではなく、それぞれの行動のどこが良くなかったのかを整理して伝えるようにしています。この過程を丁寧に行うことで、感情的な言い合いが減り、子どもたち自身も自分の行動を振り返る習慣がついてきたように感じています。

きょうだい喧嘩の仲裁でもう一つ意識しているのは、白黒はっきりつけようとしすぎないことです。多くの喧嘩は、どちらか一方だけが完全に悪いというケースは少なく、双方に何かしらの言い分があります。無理に「どちらが悪いか」を決めようとすると、かえって子どもたちの不満が残ってしまうことが多いと気づきました。今は「どちらの気持ちも分かるよ、でもこういうやり方はよくなかったね」というように、双方の気持ちを一度受け止めた上で、行動面の改善点を伝えるようにしています。この対応に変えてから、仲裁後にどちらかが不満げな顔をすることが以前より減ったように感じています。

叱った後は必ず「フォロー」の時間を作る

叱った直後は、子どもも私自身もどうしても気まずい空気になりがちです。私はこの気まずさをそのままにせず、叱った後、少し時間を置いてから必ずフォローの時間を作るようにしています。

具体的には、落ち着いたタイミングで「さっきは強く言いすぎたところもあったかもしれない」「でも、あの行動は直してほしいと思っている」というように、叱った理由を改めて冷静に伝え直します。そして、叱られたこと自体で自己肯定感が下がらないよう、「あなたのことは大好きだよ」というメッセージも忘れずに伝えるようにしています。

このフォローの時間を設けるようになってから、子どもたちが叱られた後も比較的早く気持ちを切り替えられるようになったと感じています。叱ることと、愛情を伝えることは矛盾しないのだと、日々の積み重ねの中で子どもたちに伝わっているのではないかと思います。

フォローのタイミングも重要だと感じています。叱った直後にすぐフォローを入れてしまうと、せっかく伝えた注意点が薄まってしまうことがあるため、少なくとも数十分から数時間は間を置くようにしています。その間、子ども自身が自分の行動を振り返る時間を確保しつつ、こちらも冷静さを取り戻す時間として活用しています。急いでフォローを入れて場を丸く収めようとするのではなく、適切な間を置くことも、フォローの効果を高める上で欠かせない要素だと感じています。

自分の疲労度を把握し、限界前に休む工夫

感情的になりやすいタイミングを振り返ると、多くの場合、自分自身が疲れているときや、仕事のトラブルを抱えているときに重なっていることに気づきました。そこで私は、自分の疲労度をある程度客観的に把握し、限界を迎える前に意識的に休む工夫を取り入れるようになりました。

たとえば、仕事で大きなトラブルがあった日は、帰宅後すぐに子どもたちと向き合うのではなく、5分だけでも一人で気持ちを整理する時間を作るようにしています。深呼吸をしたり、コーヒーを一杯飲んだりするだけの簡単なことですが、この短い時間があるかないかで、その後の子どもとの接し方が大きく変わることを実感しています。

投資家として長年、感情に流されずに冷静な判断を下す訓練を積んできた経験も、この自己管理には少なからず役立っていると感じています。相場が大きく動いたときほど冷静さが求められるように、子育てで感情が揺れそうなときほど、意識的に一呼吸置くことが大切だと考えています。

子ども自身にも「叱られる理由」を考えさせる

叱り方のルールの一つとして、一方的に理由を説明するだけでなく、子ども自身に「どうして叱られたと思う?」と問いかける時間を作るようにしています。最初は答えられなかったり、的外れな答えが返ってきたりすることもありますが、繰り返すうちに、子ども自身が自分の行動を振り返る力が育ってきたように感じています。

この問いかけは、単に反省を促すためだけでなく、子どもの考える力を育てる意味合いも大きいと感じています。頭ごなしに「これはダメ」と決めつけるのではなく、なぜダメなのかを自分の言葉で説明できるようになることは、将来的に自分で判断する力にもつながっていくはずです。

年齢や性格に応じて伝え方を変える工夫

4人の子どもはそれぞれ性格が違うため、同じ叱り方が全員に通用するわけではありません。ある子には短くはっきり伝えるほうが響きますが、別の子にはじっくり時間をかけて説明するほうが納得しやすい、というように、伝え方を子どもごとに調整するようにしています。

この見極めには時間がかかりましたが、日々のやり取りを重ねる中で、それぞれの子がどんな伝え方だと素直に受け止められるかが、少しずつ分かってきました。画一的なルールを押し付けるのではなく、それぞれの子に合った伝え方を模索し続けることも、叱り方における大切な要素だと考えています。

叱った内容を記録し、繰り返しを防ぐ

意外と効果があったのが、叱った出来事を簡単にメモとして残すようにしたことです。何について、どんな言葉で叱ったか、そのときの状況はどうだったかを、その日のうちに数行だけ書き留めています。最初は単なる備忘録のつもりでしたが、続けていくうちに、自分の叱り方の癖が見えてくるようになりました。

たとえば、特定の曜日や時間帯に叱ることが多い、特定の子に対してだけ言葉がきつくなりがちだ、といった傾向が記録から浮かび上がってきました。感覚だけで振り返っていたときには気づけなかった偏りが、記録を続けることで客観的に見えてくるようになったのです。この記録の習慣は、投資の取引記録をつけて自分の判断の癖を振り返る作業と似ていると感じています。感情に流されやすい場面ほど、後から客観的に振り返れる材料を残しておくことが、次の改善につながると実感しています。

記録を続けた結果、特に疲れている週末の夕方に叱る頻度が高いことが分かりました。そこで、その時間帯には意識的に間食を用意したり、少し休憩を挟んだりするなど、叱る場面そのものを減らす工夫も取り入れるようになりました。叱り方を変えるだけでなく、叱らずに済む環境を整えることも、感情的にならないための大切な要素だと気づかされました。

過去に感情的になりすぎて後悔した経験

正直に言うと、こうしたルールを確立する前は、感情的になりすぎて後悔した経験が何度もあります。特に仕事で大きなストレスを抱えていた時期に、些細なことで必要以上に強く叱ってしまい、子どもが萎縮してしまったことがありました。その日の夜、寝顔を見ながら「言い方があれでよかったのか」と何度も考え込んだことを今でも覚えています。

この経験があったからこそ、感情のままに叱ることの弊害を痛感し、意識的にルールを作る必要性を強く感じるようになりました。失敗を重ねながらも、そのたびに少しずつ改善してきたのが、今回紹介したルールの実態です。完璧な叱り方などというものは存在しないのかもしれませんが、少なくとも「昨日より今日、今日より明日」を目指して、試行錯誤を続けていきたいと思っています。

第三者の目線を借りるようにした経験

一人で4人の子どもを育てていると、叱り方について客観的な意見をもらう機会がどうしても少なくなりがちです。夫婦で子育てをしていれば、パートナーから「今の言い方はちょっときつかったんじゃない」といった指摘をもらえる場面もあると思いますが、一人親の場合、その役割を自分自身で担う必要があります。

そこで私は、信頼できる知人や、子どもの学校・習い事の先生など、家庭の外にいる第三者の視点を意識的に借りるようにしています。たとえば、子どもが最近どんな様子か、家庭での叱り方について気になる点はないかを、機会があれば率直に聞くようにしています。身内だけでは気づきにくい視点を、外部の目を通して得られることは、自分の叱り方を客観視する上で貴重な機会になっています。

また、育児に関する書籍や専門家の発信する情報にも定期的に触れるようにしており、自分のやり方が独りよがりになっていないかを、外部の知見と照らし合わせて確認する習慣をつけています。一人で判断を下し続けることの多い一人親の子育てだからこそ、意識的に外部の視点を取り入れる工夫が、感情的にならないための一つの支えになっていると感じています。

上の子に叱り方を見せることの意味

4人の子どもを育てる中で気づいたのが、下の子を叱る場面を、上の子たちも見ているという事実です。上の子が下の子への叱り方を見て、自分もそのやり方を真似するようになる場面が何度もありました。きょうだいの多い家庭では、親の叱り方そのものが、上の子から下の子への接し方のモデルにもなっているのだと実感しています。

この気づきを得てから、私は叱るときの言葉遣いや態度を、より一層意識するようになりました。感情的な言葉や、人格を否定するような言い方を上の子の前で使ってしまうと、それが家庭内での当たり前のコミュニケーションとして定着し、きょうだい同士のやり取りにもそのまま反映されてしまう可能性があると考えたからです。

逆に言えば、冷静に行動を指摘し、フォローの言葉を忘れずに伝えるという叱り方を続けていれば、それが上の子たちにも自然と伝わり、きょうだい間のやり取りの中にも同じような接し方が広がっていく可能性があります。実際に、上の子が下の子に対して、私が使っているのと似た言葉で優しく注意している場面を見かけることが増えてきました。叱り方は、単に一対一の場面だけでなく、家庭全体の雰囲気やきょうだい関係にも影響を与えるものだと、日々の子育てを通じて実感しています。

まとめ

4人の子どもを叱る場面は毎日のようにありますが、6秒待つこと、行動と人格を分けて伝えること、フォローの時間を必ず作ること、そして自分自身の疲労度を管理すること。これらのルールを意識するようになってから、感情的に叱ってしまう頻度は明らかに減りました。完璧にできているわけではなく、今でも反省することは多々ありますが、ルールを持っておくことで、感情に振り回されにくくなったのは大きな変化だと感じています。同じように叱り方に悩んでいる方の参考になれば幸いです。

免責事項

本記事は筆者個人の経験に基づく一般的な情報提供を目的としています。子どもへの接し方や叱り方に関する判断は、それぞれの家庭の状況やお子さんの性格に応じて行っていただくようお願いいたします。

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