【FP掛け合わせ③】不動産×相続で相続税を1,000万円圧縮【小規模宅地特例80%減・貸付不動産評価圧縮を実装する】

不動産

  1. はじめに ─ 「不動産は相続税対策の王道」と言われる理由
  2. 結論:不動産×相続で使うべき5つの特例・知識
    1. 資産規模別:現金保有 vs 不動産保有の評価額比較
  3. ①:小規模宅地等の特例(特定居住用)
    1. 制度概要
    2. 適用要件(主な3つ)
    3. 効果の試算
    4. 4児パパの活用法
    5. 限度面積(330㎡)を超える自宅の場合の計算例
  4. ②:小規模宅地等の特例(貸付事業用)
    1. 制度概要
    2. 適用要件
    3. 効果の試算
    4. 注意:限度面積の調整計算
    5. 4児パパの活用法
    6. 200㎡フル活用時の試算パターン
    7. 3年継続要件で気をつけるべき点
  5. ③:貸家建付地・貸家の評価減
    1. 貸家建付地(賃貸物件の土地)
    2. 貸家(建物)の評価
    3. 借地権割合(A〜G)の仕組み
    4. 4児パパの活用法
    5. 生前贈与加算ルールにも注意
  6. ④:負債控除(借入金は相続財産から控除)
    1. 仕組み
    2. 賃貸物件 × ローン購入の威力
    3. 注意:行き過ぎリスク
    4. 4児パパの活用法
    5. 相続税の税率(超過累進税率)
  7. ⑤:生命保険非課税枠
    1. 仕組み
    2. 4児パパの場合
    3. 不動産×相続との組み合わせ
  8. ひとり親家庭における相続設計の考え方
    1. 法定相続人が子のみの場合の基礎控除
    2. 遺言・分割協議の重要性
  9. 「不動産×相続」総合シミュレーション
    1. ケースA:現金1億円のみで相続
    2. ケースB:賃貸物件1億円購入後に相続
    3. ケースC:賃貸物件購入+生命保険2,000万円活用
    4. ケースD:資産2億円(現金1億円+賃貸物件1億円)で相続
    5. ケースE:資産3億円、対策なし vs 対策ありの比較
  10. 不動産×相続で失敗するパターン
    1. NG1:相続税対策だけで賃貸経営を始める
    2. NG2:小規模宅地特例の要件を満たさない
    3. NG3:相続発生後に慌てて売却
    4. NG4:複数相続人で意見対立 → 相続税申告期限超過
    5. NG5:負担割合を考えずに不動産購入
    6. NG6:生命保険の受取人設定を放置
    7. NG7:賃貸物件の名義・持分を曖昧にする
  11. 4児パパの実装フロー
    1. ステップ1:現在の財産棚卸し
    2. ステップ2:小規模宅地特例を最大化する設計
    3. ステップ3:生命保険2,000万円非課税枠を埋める
    4. ステップ4:賃貸物件保有を計画的に増やす
    5. ステップ5:公正証書遺言で相続トラブル予防
    6. ステップ6:定期的な税理士相談
    7. 各ステップの実務ボリューム目安
  12. 不動産投資以外の選択肢
    1. 不動産クラウドファンディング
    2. REIT(不動産投資信託)
    3. 不動産投資と他の選択肢の相続税評価比較
  13. おすすめサービス
  14. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. アパート建てれば本当に相続税ゼロになる?
    2. Q2. 賃貸併用住宅は有利?
    3. Q3. 不動産の値下がりリスクは?
    4. Q4. 借金返済で相続人が困らない?
    5. Q5. 相続発生から特例適用までの手続きは?
    6. Q6. 家族信託は併用すべき?
    7. Q7. タワーマンション節税は今も有効?
    8. Q8. 遺産分割が申告期限までにまとまらなかったら?
    9. Q9. 相次相続控除とは?
    10. Q10. 生前贈与と相続時精算課税制度、どちらを使うべき?
    11. Q11. 実家が空き家になった場合の特例は?
    12. Q12. 二世帯住宅は小規模宅地特例で有利?
    13. 対策実行チェックリスト
  15. まとめ ─ 「現金より不動産で持つ」相続税圧縮の王道

はじめに ─ 「不動産は相続税対策の王道」と言われる理由

お金持ちは何故、賃貸マンションを建てるのか?

この問いに、FP3級「不動産×相続」の掛け合わせ知識が答えてくれます。

それは──不動産が相続税評価上、現金より圧倒的に安く評価されるから。

具体的には、

  • 自宅土地:小規模宅地等の特例で80%減
  • 賃貸物件土地:貸付事業用宅地で50%減
  • 賃貸物件建物:固定資産税評価額×(1-借家権割合30%)= 70%評価
  • 現金1億円 → 賃貸物件購入で評価4,000〜6,000万円に圧縮可能

同じ財産でも、現金で持つか不動産で持つかで相続税が1,000〜2,000万円違う

僕は20年大家業をしながら、4児シングルファーザーとして相続を真剣に考えてきました。

この記事では、FP3級「不動産」×「相続・事業承継」を実生活で使い倒す方法を、本気で解説します。


結論:不動産×相続で使うべき5つの特例・知識

制度 効果 対象
①小規模宅地等の特例(特定居住用) 330㎡まで80%減 自宅土地
②小規模宅地等の特例(貸付事業用) 200㎡まで50%減 賃貸物件土地
③貸家建付地・貸家評価 借地権・借家権で評価減 賃貸不動産
④負債控除 借入金は相続財産から控除 投資ローン残債
⑤生命保険非課税枠 500万円×法定相続人数 保険金

→ 5つを組み合わせて、現金1億円→相続税評価額4,000万円台まで圧縮可能。


資産規模別:現金保有 vs 不動産保有の評価額比較

現金保有額 不動産購入後の相続税評価額(目安) 評価圧縮額(目安)
5,000万円 約2,000〜2,500万円 約2,500〜3,000万円
1億円 約4,000〜4,500万円 約5,500〜6,000万円
2億円 約8,000〜9,000万円 約1億1,000〜1億2,000万円
3億円 約1億2,000〜1億3,500万円 約1億6,500〜1億8,000万円

資産規模が大きくなるほど、現金と不動産の評価差は絶対額として拡大する。資産家ほど不動産を持つ傾向があるのは、この評価差が理由の一つだ。

①:小規模宅地等の特例(特定居住用)

制度概要

区分 限度面積 減額割合
特定居住用宅地 330㎡ 80%減

適用要件(主な3つ)

1. 被相続人の自宅

2. 配偶者・同居親族・別居親族(家なき子)が相続

3. 申告期限まで保有・居住継続

効果の試算

  • 路線価ベース自宅土地評価:4,000万円
  • 小規模宅地特例適用後:800万円
  • 3,200万円の評価減

この評価減は自宅を持っているだけで自動的に受けられるものではなく、同居親族の相続や家なき子特例など誰が相続するかによって適用の可否が変わる。相続人の構成をあらかじめ確認し、特例を確実に使える相続人に自宅を承継させる設計が欠かせない。

4児パパの活用法

  • 自宅:特定居住用宅地として80%減を確定
  • 子4人で家なき子特例を活用するために、賃貸住まいの子の指定
  • 自宅売却を相続後の早期に行うリスク → 3年は保有

限度面積(330㎡)を超える自宅の場合の計算例

自宅の敷地が330㎡を超えるケースでは、超過分には特例が適用されない。按分計算の一例は次の通り。

  • 敷地面積:500㎡、うち特例対象は330㎡まで
  • 1㎡あたり評価額:15万円と仮定
  • 全体評価額:500㎡×15万円=7,500万円
  • 特例対象部分(330㎡):4,950万円 → 80%減で990万円
  • 特例対象外部分(170㎡):2,550万円 → 減額なし
  • 合計評価額:990万円+2,550万円=3,540万円(圧縮前7,500万円から約52.8%圧縮)

敷地が広い持ち家ほど、超過分の扱いを事前に試算しておかないと「思ったより評価減が小さかった」という誤算が起きやすい。

②:小規模宅地等の特例(貸付事業用)

制度概要

区分 限度面積 減額割合
貸付事業用宅地 200㎡ 50%減

適用要件

1. 被相続人が貸付事業を営んでいた

2. 相続人が事業を継続

3. 3年超の事業継続

効果の試算

  • 賃貸アパート土地評価:3,000万円(150㎡)
  • 貸付事業用特例適用後:1,500万円
  • 1,500万円の評価減

注意:限度面積の調整計算

特定居住用と貸付事業用を併用する場合、面積の調整計算が必要:

  • 特定居住用:使用面積/330
  • 貸付事業用:使用面積/200
  • 合計:1以下

4児パパの活用法

  • 自宅(330㎡使用)+ 賃貸物件土地(残り枠)で併用
  • 子に大家業を承継することで継続要件クリア

200㎡フル活用時の試算パターン

賃貸物件土地面積 評価減前 評価減後(50%減) 圧縮額
100㎡ 2,000万円 1,000万円 1,000万円
150㎡ 3,000万円 1,500万円 1,500万円
200㎡(上限) 4,000万円 2,000万円 2,000万円

200㎡の枠は1棟に集中させず、区分マンション数室に分散して合計200㎡以内に収める設計も選択肢になる。

3年継続要件で気をつけるべき点

貸付事業用宅地の特例は、相続開始前3年以内に新たに貸付事業を始めた宅地には原則適用されない、いわゆる「3年縛り」がある。相続直前に慌てて賃貸物件を購入しても特例が使えない可能性が高いため、対策は早めに着手する必要がある。

③:貸家建付地・貸家の評価減

貸家建付地(賃貸物件の土地)

評価額 = 自用地評価 ×(1 − 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)

例:

  • 自用地評価:5,000万円
  • 借地権割合:60%
  • 借家権割合:30%(全国一律)
  • 賃貸割合:100%
  • → 評価額 = 5,000 ×(1 – 0.6×0.3×1)= 4,100万円
  • 900万円の評価減

貸家(建物)の評価

評価額 = 固定資産税評価額 ×(1 − 借家権割合 × 賃貸割合)

例:

  • 固定資産税評価額:2,000万円
  • 借家権割合:30%
  • 賃貸割合:100%
  • → 評価額 = 2,000 ×(1 – 0.3)= 1,400万円
  • 600万円の評価減

借地権割合(A〜G)の仕組み

貸家建付地の評価で使う借地権割合は、路線価図に記載されたアルファベット(A〜G)で地域ごとに定められている。

記号 借地権割合
A 90%
B 80%
C 70%
D 60%
E 50%
F 40%
G 30%

借地権割合が高い地域(商業地など)ほど、貸家建付地評価の圧縮効果は大きくなる。所有物件の路線価図を国税庁サイトで確認し、割合を把握しておくことが試算の前提になる。

4児パパの活用法

生前贈与加算ルールにも注意

相続開始前の一定期間内に行われた贈与は、相続財産に持ち戻して相続税を計算するルールがある(生前贈与加算)。この持ち戻し期間は制度改正でこれまでの3年から7年に段階的に延長されている。不動産購入で評価を圧縮しても、直前の現金贈与が持ち戻されて課税対象に戻ってしまうケースがあるため、贈与と不動産購入は別々の制度として、それぞれの適用条件を確認しておく必要がある。


④:負債控除(借入金は相続財産から控除)

仕組み

相続税の課税対象 = 相続財産 − 債務 − 葬式費用

賃貸物件 × ローン購入の威力

  • 1億円の賃貸物件をフルローンで購入
  • 評価額:4,100万円(前項試算)
  • ローン残債:1億円
  • → 相続税課税対象:4,100万 − 1億円 = -5,900万円
  • 他財産から5,900万円控除可能

→ これが「借金してアパート建てれば相続税対策になる」と言われる仕組み。

注意:行き過ぎリスク

  • 明らかな相続税対策目的の借入は税務署に否認されるリスク
  • 賃貸経営が実態として継続していることが要件

4児パパの活用法

  • 大家業:実態のある不動産投資を継続中
  • 投資ローン残高:相続税課税対象を圧縮

相続税の税率(超過累進税率)

法定相続分に応じる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

評価を圧縮して課税遺産をより低い税率区分に落とし込めれば、圧縮額そのもの以上に納税額が減ることもある。税率区分の境目を意識した評価圧縮設計が有効になる理由はここにある。


⑤:生命保険非課税枠

仕組み

500万円 × 法定相続人数まで非課税

4児パパの場合

  • 法定相続人:子4人
  • 非課税枠:500万円 × 4 = 2,000万円

不動産×相続との組み合わせ

  • 自宅・賃貸物件で評価減
  • 残った金融資産部分を生命保険で2,000万円非課税
  • → 相続税ゼロも視野に

詳しくはFP3級 相続・事業承継で。


ひとり親家庭における相続設計の考え方

配偶者がいない家庭では、配偶者の税額軽減(1億6,000万円または法定相続分まで非課税)という大きな制度を使えない。子どもたちに直接相続税がかかる前提で設計する必要がある。

これは裏を返せば、生前からの評価圧縮対策(小規模宅地特例・貸家評価減・生命保険非課税枠)の重要性が、配偶者がいる家庭より相対的に高いということだ。配偶者控除に頼れない分、不動産と保険を使った評価圧縮を早めに積み上げておく必要がある。

法定相続人が子のみの場合の基礎控除

基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人数」で計算される。子4人が法定相続人であれば、3,000万円+600万円×4人=5,400万円が基礎控除額になる。配偶者がいる家庭と法定相続人の頭数が同じであれば基礎控除額自体は変わらないが、配偶者の税額軽減が使えない分、実際の納税額は増えやすい構造になっている点は理解しておきたい。

遺言・分割協議の重要性

相続人が子のみで複数いる場合、遺産分割協議がまとまらないと小規模宅地等の特例そのものが使えなくなるリスクがある。特例は原則、申告期限までに分割が確定していることが条件だからだ。公正証書遺言であらかじめ取得者を指定しておくことが、特例を確実に使うための実務上の生命線になる。


「不動産×相続」総合シミュレーション

ケースA:現金1億円のみで相続

  • 課税遺産:1億円
  • 基礎控除:5,400万円(4児パパ)
  • 課税:4,600万円
  • 相続税概算:約470万円

ケースB:賃貸物件1億円購入後に相続

  • 賃貸物件評価:4,100万円(土地+建物)
  • ローン残債:6,000万円
  • 純評価:1,900万円 + 残現金4,000万円 = 5,900万円
  • 基礎控除:5,400万円
  • 課税:500万円
  • 相続税概算:約50万円

同じ財産1億円でも相続税が約420万円違う

ケースC:賃貸物件購入+生命保険2,000万円活用

  • 上記Bに加え、生命保険2,000万円非課税枠フル活用
  • 課税遺産:基礎控除内に収まる可能性
  • 相続税:ゼロ

ケースD:資産2億円(現金1億円+賃貸物件1億円)で相続

  • 現金:1億円
  • 賃貸物件評価:4,100万円(前項試算)
  • ローン残債:6,000万円
  • 純資産評価:現金1億円+(4,100万円−6,000万円)=8,100万円
  • 生命保険非課税枠2,000万円活用後:6,100万円
  • 基礎控除:5,400万円
  • 課税遺産:700万円
  • 相続税概算:約70万円

ケースE:資産3億円、対策なし vs 対策ありの比較

対策なし(全額現金) 対策あり(不動産+保険活用)
課税遺産 2億4,600万円 約1億円前後
相続税概算 約4,920万円 約1,300万円前後
圧縮効果 約3,600万円

資産規模が大きいほど、対策の有無による納税額の差は絶対額で跳ね上がる。相続税は最大55%の累進税率であるため、資産3億円クラスでは「対策する/しない」で数千万円単位の差が生まれる。


不動産×相続で失敗するパターン

NG1:相続税対策だけで賃貸経営を始める

  • 入居率低迷で実態が伴わない
  • 税務署に否認されるリスク

NG2:小規模宅地特例の要件を満たさない

  • 申告期限まで保有・居住継続を怠る
  • → 特例適用外で80%減が消える

NG3:相続発生後に慌てて売却

  • 売却時の譲渡所得税が発生
  • 計画的な売却タイミングの設計が必要

NG4:複数相続人で意見対立 → 相続税申告期限超過

  • 相続税申告は10ヶ月以内が期限
  • 期限超過で特例不適用+無申告加算税

NG5:負担割合を考えずに不動産購入

  • 残債が大きすぎて相続人がローン継続できない
  • キャッシュフローが回る物件選びが前提

NG6:生命保険の受取人設定を放置

  • 受取人が古い設定のまま何年も見直されていないケースは多い
  • 非課税枠はあっても、想定と異なる相続人に保険金が渡ってしまうリスクがある
  • → 受取人は定期的な見直しが必須

NG7:賃貸物件の名義・持分を曖昧にする

  • 共有名義のまま放置すると、将来の売却・建替えで全員の同意が必要になり身動きが取れなくなる
  • 単独名義か、持分割合を明確にした共有かを早期に決めておく

4児パパの実装フロー

ステップ1:現在の財産棚卸し

  • 現金・預金・株式・自宅・賃貸物件・保険を一覧化
  • 相続税評価額の試算

ステップ2:小規模宅地特例を最大化する設計

  • 自宅330㎡フル活用
  • 貸付事業用も併用検討

ステップ3:生命保険2,000万円非課税枠を埋める

  • 終身保険で子4人分2,000万円設定

ステップ4:賃貸物件保有を計画的に増やす

  • 投資ローンで購入
  • 入居率を維持

ステップ5:公正証書遺言で相続トラブル予防

  • 子4人への配分を明記

ステップ6:定期的な税理士相談

各ステップの実務ボリューム目安

ステップ 主な作業内容 関わる専門家
財産棚卸し 通帳・登記簿謄本・保険証券の突合 自分で着手可
小規模宅地特例設計 路線価・面積按分の試算 税理士
生命保険非課税枠 既存契約の見直し・不足分の追加加入 保険代理店・FP
賃貸物件取得 物件選定・ローン審査・入居率管理 不動産会社・金融機関
遺言作成 公正証書遺言の文案作成・証人手配 公証人・弁護士
定期見直し 税制改正・資産状況の変化に応じた再試算 税理士

すべてを1人で完結させようとせず、専門家に任せる部分と自分で動く部分を切り分けることで、対策の精度と実行スピードの両方を確保できる。


不動産投資以外の選択肢

不動産クラウドファンディング

  • 1万円から不動産投資
  • ただし相続税評価圧縮効果は限定的

REIT(不動産投資信託)

  • 株式扱いで上場
  • 相続税評価上は株式と同じ → 不動産特例は使えない

→ 相続税対策としては現物不動産の方が圧倒的に有利

不動産投資と他の選択肢の相続税評価比較

資産の種類 相続税評価の考え方 評価圧縮効果
現物不動産(賃貸) 路線価・借地権割合・借家権割合で評価 大きい
不動産クラウドファンディング 出資持分として評価(現金に近い) 小さい
REIT 上場株式と同様、市場価格で評価 ほぼなし
現金・預金 額面通り評価 なし

相続税評価の圧縮を主目的にするなら現物不動産が最も効果が大きいが、流動性の低さや管理の手間というデメリットも併せて理解しておく必要がある。


おすすめサービス

モゲチェック:投資ローン金利比較

楽待:投資物件の専門ポータル

税理士ドットコム:相続税試算の税理士マッチング

マネードクター:FPによる相続・不動産・保険の総合相談


よくある質問(FAQ)

Q1. アパート建てれば本当に相続税ゼロになる?

A. 規模次第

評価額・借入残高・他財産・基礎控除を総合計算する必要あり。

税理士相談を推奨。

Q2. 賃貸併用住宅は有利?

A. 自宅部分は特定居住用80%減、賃貸部分は貸付事業用50%減を併用可能。

ただし面積の調整計算が必要。

Q3. 不動産の値下がりリスクは?

A. 立地選び次第。

都心駅近の収益物件ほど相続税対策+資産価値維持の両立可。

Q4. 借金返済で相続人が困らない?

A. 団信付き投資ローンを組めば被相続人死亡時にローンが消える。

ただし団信なしのフルローンは要注意。

Q5. 相続発生から特例適用までの手続きは?

A. 10ヶ月以内に相続税申告+小規模宅地特例の選択を申告書に明記。

税理士に依頼するのが一般的。

Q6. 家族信託は併用すべき?

A. 判断能力の低下に備えて資産の管理・処分権限を子に移しておく家族信託は、相続税評価そのものを圧縮する効果はないが、認知症等で契約行為ができなくなった場合の資産凍結を防ぐ効果がある。相続税対策とは目的が異なる制度として、併用を検討する価値はある。

Q7. タワーマンション節税は今も有効?

A. 高層マンションの評価額と市場価格の乖離を利用した節税手法は、通達改正により評価方法が見直され、以前ほどの圧縮効果は見込めなくなっている。制度改正は今後も起こり得るため、特定の節税手法に依存せず、複数の制度を組み合わせる設計が安全だ。

Q8. 遺産分割が申告期限までにまとまらなかったら?

A. 未分割のままだと小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減は原則使えず、法定相続分で仮の申告・納税を行うことになる。分割確定後に「更正の請求」を行えば特例を遡って適用できるが、いったん多く納税する資金繰りの負担が生じる。分割協議を早期にまとめる、あるいは遺言で分割方法を指定しておくことが望ましい。

Q9. 相次相続控除とは?

A. 短期間に相続が続いた場合、前の相続で払った相続税の一定割合を今回の相続税から控除できる制度。子が先に亡くなり孫が相続するようなケースなど、短期間で相続が重なる家庭では確認しておく価値がある制度だ。

Q10. 生前贈与と相続時精算課税制度、どちらを使うべき?

A. 暦年贈与(年110万円非課税)を長期間コツコツ行う方法と、相続時精算課税制度(2,500万円まで贈与税非課税、ただし相続時に精算)を使う方法がある。不動産のように将来値上がりが見込める資産は、評価額が低いうちに相続時精算課税で贈与しておくと、値上がり分の相続税を回避できる場合がある。どちらが有利かは資産の種類・値上がり見込み・贈与のタイミングによって変わるため、税理士との個別シミュレーションが望ましい。

Q11. 実家が空き家になった場合の特例は?

A. 一定要件を満たす空き家を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例がある。小規模宅地等の特例(保有時の評価減)とは別制度で、相続後に売却する場合の税負担を軽減する仕組みだ。両方の要件を確認し、保有し続けるか売却するかを比較検討するとよい。

Q12. 二世帯住宅は小規模宅地特例で有利?

A. 区分登記されていない二世帯住宅であれば、親と同居しているとみなされ特定居住用宅地の特例(80%減)を受けやすい。ただし建物を区分登記(親世帯・子世帯で別々に登記)してしまうと、同居とみなされず特例が使えなくなるケースがあるため、登記形態は事前に確認しておきたい。

対策実行チェックリスト

項目 確認内容 状態
財産棚卸し 現金・不動産・保険・借入を一覧化したか 要実施
小規模宅地特例 自宅330㎡・賃貸200㎡の適用余地を試算したか 要実施
生命保険非課税枠 法定相続人数×500万円分を確保しているか 要実施
負債控除 投資ローン残高を把握しているか 要実施
遺言書 公正証書遺言で分割方法を指定しているか 要実施
賃貸割合 空室リスクで評価減が縮小しないよう管理しているか 要実施

これらを1つずつ潰していくことで、相続発生時に慌てず、かつ特例の適用漏れを防げる。


まとめ ─ 「現金より不動産で持つ」相続税圧縮の王道

ツール 効果
小規模宅地等の特例(特定居住用) 自宅330㎡まで80%減
小規模宅地等の特例(貸付事業用) 賃貸土地200㎡まで50%減
貸家建付地・貸家の評価減 借地・借家権で約30%減
負債控除 投資ローンを相続財産から控除
生命保険非課税枠 500万円×法定相続人数

20年大家×4児パパとして、不動産×相続の知識は相続税1,000万〜2,000万円圧縮の最強カード。

お金持ちは現金より不動産で持つ」というのは、節税という極めて合理的な選択。

FP3級の知識を分野横断で活用すれば、個人レベルでも数千万円規模の対策が可能です。

不動産・保険・贈与・遺言というそれぞれ独立した制度も、組み合わせて設計することで初めて数千万円単位の効果を発揮する。単発の知識で終わらせず、財産全体を俯瞰した設計に落とし込むことが、相続税対策の本質だ。子どもたちが将来困らないよう、今のうちから一つずつ手を打っておきたい。


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