こんにちは、シンパパ資産設計士です。
課題の分離シリーズ第2回は、前回紹介した考え方をさらに一歩進めて、「コントロールできること」と「コントロールできないこと」を具体的に仕分ける作業をしていきます。頭では分かっていても、実際に紙に書き出してみると、自分がどれだけ「コントロールできないこと」に日々のエネルギーを使っているかに驚くはずです。
- コントロールできるもの・できないものを仕分ける
- なぜ人は「コントロールできないこと」に意識を向けてしまうのか
- コントロールできることに集中すると何が変わるか
- 「コントロールできることリスト」を作ってみる
- コントロールできないことは「軽く見る」でちょうどいい
- コントロールできることに集中できている人の共通点
- 「仕分けノート」を習慣にする
- コントロールの範囲は「働きかけられる度合い」で考える
- 仕分けを難しくする「時間軸」のズレ
- コントロールできることに集中する人が失うもの、得るもの
- 「コントロールできることリスト」を家族で共有する
- コントロールできることに集中するための環境づくり
- まとめ|まず「仕分け」から始める
- コントロールできることに集中する習慣は、複利で効いてくる
- 「今日、何にエネルギーを使ったか」を1日の終わりに振り返る
- コントロールできることに集中する人生は、静かで穏やかである
- 仕分けの基準に迷ったときのシンプルな問いかけ
- 今日から始める、いちばん小さな一歩
- よくある質問(FAQ)
- 関連記事
コントロールできるもの・できないものを仕分ける
まずは、資産形成や暮らしの中でよく登場する要素を、コントロールできるものとできないものに仕分けてみます。
| コントロールできるもの | コントロールできないもの |
|---|---|
| 自分の行動・習慣 | 他人の評価・言動 |
| 支出額・貯蓄額・投資額 | 株価・為替・景気 |
| 働き方・学び続けるかどうか | 天気・災害 |
| 健康習慣(睡眠・運動・食事) | 子どもの考え方・成長のペース |
| 継続するかどうか | 過去に起きたこと |
こうして一覧にすると、右側の「コントロールできないもの」のほうが、実は私たちの日常会話やニュース、SNSで話題になりやすいことに気づきます。景気の先行き、他人の成功、周囲からどう見られているか——これらは気になって当然ですが、いくら気にしても自分の力で直接動かせるものではありません。
なぜ人は「コントロールできないこと」に意識を向けてしまうのか
理由の一つは、コントロールできないことのほうが情報量が多く、刺激的だからだと感じています。景気のニュース、他人のSNS投稿、将来の不確実性——これらは次々と新しい情報が流れ込んでくるため、意識を奪われやすいのです。一方で、自分の行動や習慣は地味で、変化に乏しく、あえて意識を向けなければ見過ごしてしまいます。
もう一つの理由は、「コントロールできないことを心配していれば、何かをしている気になれる」という錯覚です。暴落のニュースを見て不安になること自体は、実際には何の行動でもありません。しかし心配することで、まるで対策をしているかのような感覚を得てしまう。これが、コントロールできないことに意識が向かいやすい、心理的なからくりだと考えています。
コントロールできることに集中すると何が変わるか
個人事業主として20年、投資家として20年やってきて実感しているのは、成果を分けているのは「コントロールできることに、どれだけ淡々と取り組み続けられたか」だという事実です。相場の良し悪しに関わらず投資額を積み立て続けること、景気の波に関わらず本業の技術を磨き続けること、周囲の評価に関わらず自分の生活習慣を整え続けること。これらはすべて地味ですが、確実に自分の手でコントロールできることです。
逆に、コントロールできないことに意識を向けている時間は、成果にはほとんど結びつきません。暴落を予測しようとした時間、他人の投稿に一喜一憂した時間、景気の先行きを心配し続けた時間——振り返ってみると、それらの時間が資産や生活を直接良くしたことは、僕の経験上ほとんどありませんでした。
「コントロールできることリスト」を作ってみる
おすすめの実践方法は、今悩んでいることや不安に思っていることを紙やスマホのメモに書き出し、それぞれ「コントロールできる」「コントロールできない」に仕分けることです。仕分けたら、コントロールできる側にだけ、次の具体的な一歩を書き加えます。
- 「景気が心配」→コントロール不可。代わりに「毎月の積立額を見直す」を書く
- 「周りと比べて資産が少ない気がする」→コントロール不可。代わりに「今月の支出を確認する」を書く
- 「子どもの将来が心配」→コントロール不可。代わりに「教育資金の準備を進める」を書く
コントロールできない不安をコントロールできる行動に翻訳する。この一手間を挟むだけで、ただの不安が具体的な次の一歩に変わります。
コントロールできないことは「軽く見る」でちょうどいい
コントロールできないことについては、無視するのではなく、「気にしすぎない」「軽く見る」くらいの距離感がちょうどいいと感じています。天気は毎日確認しますが、天気そのものに一喜一憂して生活が乱れる人は少ないはずです。同じように、景気や他人の評価も、確認はするけれど、それに自分の心の状態を明け渡さない。この距離感を保てるようになると、日々の情報に振り回される時間が大きく減ります。
コントロールできることに集中できている人の共通点
20年間、投資家として、個人事業主として、さまざまな人と関わってくる中で、コントロールできることに集中できている人には、いくつかの共通点があると感じています。
①「今できること」を必ず1つ持って会話を終える
不安や悩みを話すとき、話して終わりにするのではなく、最後に「じゃあ今日から何をするか」を必ず1つ決めてから会話を締めくくる人は、コントロールできる行動に落とし込むのが上手いと感じます。
②結果ではなく行動を振り返る
「今月は資産が増えたか減ったか」という結果ではなく、「今月、決めた通りに積立を続けられたか」という行動を振り返る人は、コントロールできないことに一喜一憂しにくい傾向があります。
③情報との距離感を自分で決めている
ニュースやSNSを見る時間・頻度を自分でルール化している人は、コントロールできない情報に振り回される時間が自然と少なくなります。
「仕分けノート」を習慣にする
本文で紹介した仕分け作業は、一度やって終わりにするのではなく、習慣として続けることで効果が積み重なります。僕自身は、気になることが浮かんだら、その都度スマートフォンのメモに「コントロール可否」を書き添える、という簡単な方法を続けています。
- 気になっていることをそのまま書き出す
- 末尾に「〇(コントロール可)」か「×(コントロール不可)」を書き添える
- 「〇」がついたものだけ、次にやることを1行加える
- 「×」がついたものは、それ以上考え込まず、リストの下の方に移動させる
この作業自体には数十秒しかかかりませんが、続けていくと、自分がどんなことに意識を奪われやすいか、傾向が見えてくるようになります。傾向が見えると、次に同じような不安が浮かんだときに、以前よりずっと早く「これはコントロールできない」と判断できるようになります。
コントロールの範囲は「働きかけられる度合い」で考える
コントロールできる・できないは、実は白か黒かのきっちり2つに分かれるものばかりではありません。多くの物事は、その中間、つまり「完全にはコントロールできないが、多少は働きかけられる」という領域に位置しています。
| 完全にコントロールできる | ある程度働きかけられる | まったくコントロールできない |
|---|---|---|
| 今日の支出・投資額 | 収入額(努力で変えられる余地あり) | 景気・為替 |
| 今日の生活習慣 | 健康状態(生活習慣で影響できる) | 遺伝的な要因 |
| 発信する内容 | フォロワー数(積み重ねで変わりうる) | 個々の反応の中身 |
真ん中の「ある程度働きかけられる」領域を、うっかり「コントロールできない」側に分類してしまうと、本来取り組めるはずの努力まで放棄してしまいます。逆に「完全にコントロールできる」側に分類してしまうと、結果が出ないときに必要以上に自分を責めてしまいます。この中間領域には、「働きかけることはできるが、結果を保証するものではない」という認識を持って向き合うのがちょうどいいバランスです。
仕分けを難しくする「時間軸」のズレ
コントロールできる・できないの判断は、時間軸によっても変わります。例えば「今日の株価」はコントロールできませんが、「20年間、積立を継続すること」を通じて、長期的なリターンの傾向にはある程度働きかけることができます。短期で見ればコントロール不可能なことも、長期で見れば、自分の行動によって関与できる範囲が広がることがあるのです。
この時間軸の違いを意識せずに仕分けをすると、「どうせコントロールできないから」と、本来長期的には関与できる物事まで諦めてしまうことがあります。仕分けをするときは、「今日、今週の話なのか」「1年、10年単位の話なのか」を区別して考えることをおすすめします。
コントロールできることに集中する人が失うもの、得るもの
コントロールできることに集中する生き方は、いいことばかりではありません。正直に言えば、失うものもあります。例えば、景気やタイミングを言い訳にできなくなること。周りと比べて一喜一憂する、ある種の刺激的な感覚を手放すこと。こうした「手放すもの」があることは、あらかじめ認めておいたほうがいいと思っています。
| 失うもの | 得るもの |
|---|---|
| 景気やタイミングを言い訳にする逃げ道 | 結果に対する納得感 |
| 他人と比べて盛り上がる刺激 | 他人に振り回されない安定感 |
| 「誰かのせい」にできる安心感 | 自分の行動で状況を変えられる手応え |
この表を見比べると分かる通り、失うものは一時的な楽さや刺激であることが多く、得るものは長期的な安定や納得感であることが多いです。短期的な楽さを取るか、長期的な安定を取るかという選択でもあると捉えると、コントロールできることに集中する意味が、より腑に落ちやすくなります。
「コントロールできることリスト」を家族で共有する
この仕分けの考え方は、一人で抱え込むよりも、家族と共有したほうが効果を発揮しやすいと感じています。我が家では、大きな出費や将来の計画について話すとき、「これは自分たちでコントロールできることか」を、意識的に会話の中に取り入れるようにしています。家族の誰かが不安を口にしたとき、頭ごなしに否定するのではなく、一緒に仕分けをしてみる。この習慣が、家庭内での不要な衝突や、堂々巡りの心配事を減らすことにもつながっています。
コントロールできることに集中するための環境づくり
意志の力だけに頼ると、コントロールできないことに気を取られる瞬間はどうしても出てきます。そこで役立つのが、環境そのものを工夫して、自然とコントロールできることに意識が向くようにする方法です。
- 相場のニュース通知をオフにし、確認するタイミングをあらかじめ決める
- SNSを見る時間を、作業や家族の時間と重ならないように区切る
- 家計簿アプリを開く時間を、週に1回など固定の習慣にする
これらはすべて、コントロールできないことに気を取られやすい「入り口」を、あらかじめ環境の工夫でふさいでおくという発想です。意志の力に頼るよりも、環境を整えるほうが、長期的には無理なく続けられます。
まとめ|まず「仕分け」から始める
今回のポイントを整理します。
- 悩みや不安は、まず「コントロールできる」「コントロールできない」に仕分けるところから始める
- コントロールできないことに意識が向きやすいのは、情報量が多く、心配すること自体が「対策している気」にさせるから
- 成果を分けるのは、コントロールできることに淡々と取り組み続けられるかどうか
- コントロールできないことは、無視ではなく「気にしすぎない」距離感で受け止める
次回は、コントロールできないものの代表格である「他人の評価」を取り上げ、SNS時代にどう向き合えばいいかを掘り下げます。
コントロールできることに集中する習慣は、複利で効いてくる
コントロールできることに集中する習慣は、1日や1週間で劇的な変化をもたらすものではありません。しかし、投資の複利と同じように、日々の小さな選択が積み重なることで、数年後には大きな差になって表れてきます。コントロールできないことに使っていた時間とエネルギーを、コントロールできることに振り向け続けた1年と、そうでない1年とでは、資産の状況も、心の安定度も、確実に違ってきます。焦らず、今日できる小さな仕分けから、少しずつ積み上げていってください。
「今日、何にエネルギーを使ったか」を1日の終わりに振り返る
1日の終わりに、その日どんなことに考えを巡らせていたかを振り返る習慣も、コントロールできることへの集中を後押ししてくれます。「今日はコントロールできないことに時間を使いすぎたな」と気づけた日があれば、それだけでも十分な進歩です。振り返りの目的は自分を反省することではなく、明日はどこに意識を向け直すかを、穏やかに確認することにあります。この小さな振り返りを習慣にするだけで、日々の意識の使い方は少しずつ変わっていきます。
コントロールできることに集中する人生は、静かで穏やかである
コントロールできることに集中する生き方を選ぶと、外から見ると地味で、劇的な変化のない日々に見えるかもしれません。しかし、その内側では、感情の波に振り回される時間が減り、代わりに落ち着いて物事に取り組める時間が増えていきます。派手さはなくとも、静かで穏やかな手応えが、日々積み重なっていく——これが、この考え方を実践し続けてきて、いちばん実感している変化です。次回は、この静けさをもっとも乱しやすい存在である「他人の評価」について、深く掘り下げていきます。
仕分けの基準に迷ったときのシンプルな問いかけ
実際に仕分け作業をしていると、「これはコントロールできるのか、できないのか、判断に迷う」という場面に出会うことがあります。そんなときは、「明日の自分が、直接手を動かして変えられることか」を基準にしてみてください。直接手を動かして変えられるなら、それはコントロールできる側です。誰かの気持ちや、社会全体の動き、すでに起きた出来事のように、自分の手では直接動かせないものは、コントロールできない側に分類します。この問いかけをシンプルなルールとして持っておくだけで、迷ったときの判断がぐっと速くなります。
今日から始める、いちばん小さな一歩
ここまで多くの視点を紹介してきましたが、今日から始められるいちばん小さな一歩は、「今、頭に浮かんでいる悩みを1つだけ、紙に書き出してみる」ことです。書き出して、コントロールできるかどうかを確認する。たったこれだけの行動から、すべてが始まります。
よくある質問(FAQ)
Q1. コントロールできないことを完全に気にしないようにするべきですか?
完全に無視する必要はありません。天気予報を確認するのと同じように、状況として把握しておくことは大切です。ポイントは、把握した上でそれに心の状態を明け渡さないことです。
Q2. 仕分けをしても、不安な気持ち自体はなくなりません
不安な感情そのものをゼロにする必要はないと考えています。大切なのは、その不安を「コントロールできる次の一歩」に翻訳できるかどうかです。行動に変換できれば、不安は少しずつ小さくなっていきます。
Q3. 投資でこの考え方はどう役立ちますか?
次回以降で詳しく扱いますが、暴落や市場の動きはコントロールできない側、投資額や継続はコントロールできる側に仕分けることで、相場に振り回されにくくなります。
Q4. 仕分けても「×」に分類したことが頭から離れません
すぐに完全に頭から離せなくても問題ありません。大切なのは「これはコントロールできない」と一度認識すること自体です。繰り返すうちに、意識の切り替えにかかる時間が少しずつ短くなっていきます。
Q5. 仕分け作業自体が面倒に感じてしまいます
最初は面倒に感じても自然なことです。まずは1日1回、寝る前に「今日気になったこと」を1つだけ仕分けてみる、という小さな範囲から始めることをおすすめします。
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シンパパ資産設計士
4児を育てるシングルファーザー/個人事業主20年/投資家20年/兼業大家20年
📝 noteでも毎日発信中
投資20年の失敗談・シングルファーザーのリアルな日常・お金の本音——ブログでは書きにくいことをnoteに書いています。


