こんにちは、シンパパ資産設計士です。
新NISAの始め方シリーズ第7回です。前回は投資信託の選び方を解説しました。今回は、投資を始める際に多くの人が悩む「毎月いくら投資すればいいのか」という金額の決め方について解説します。
- 積立額を決める前に押さえておきたい大前提
- 「余った分を投資する」という発想をやめる
- 「収入の何%」という考え方も参考になる
- 積立額を決める3ステップ
- 「積立額を決められない」という悩みへの向き合い方
- 収入が変動する個人事業主の積立額の決め方
- 積立額を決める際、家族の意見はどこまで反映すべきか
- 積立額をシステム化して「決断疲れ」を防ぐ
- 積立額のシミュレーション例
- 次回は「続ける力」について
- 4人の子どもがいる家庭での積立額の考え方
- 積立額を「削る」のではなく「一時停止」という選択肢も
- 積立額の決め方を、家族の将来と結びつけて考える
- ボーナス・臨時収入があったときの考え方
- 積立額を「増やしすぎない」ことも大切
- 第7回のまとめとして
- 積立は「金額」より「継続」がすべて
- 積立額の話を終えるにあたって
- 積立額は「今の正解」を出す必要はない
- まとめ
- よくある質問(FAQ)
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積立額を決める前に押さえておきたい大前提
積立額の話に入る前に、一つ大前提を確認しておきます。それは、投資に回すお金は、当面使う予定のない「余剰資金」に限定するということです。生活費や、数年以内に使う予定が決まっているお金(住宅購入の頭金、車の買い替え費用等)は、投資ではなく預金で確保しておくべきお金です。
この線引きが曖昧なまま積立額を決めてしまうと、いざ必要なタイミングで、値下がりしている資産を不本意に売却する羽目になりかねません。積立額を決める作業は、まずこの線引きを明確にすることから始まります。
「余った分を投資する」という発想をやめる
積立額を決めるときにありがちな失敗が、「今月余ったお金を投資に回そう」という発想です。この方法では、忙しい月やつい使いすぎた月には積立額がゼロになり、継続的な資産形成にはつながりません。前回まで証券会社選び・投資枠の理解・商品選びと進めてきましたが、ここからは「どれだけの金額を投じるか」という、資産形成のペースを決める重要な回になります。
家計管理シリーズでも繰り返し伝えてきた通り、「収入が入った直後に、先に一定額を投資に回す」という先取りの発想に切り替えることが、継続の最大のコツです。
「収入の何%」という考え方も参考になる
具体的な金額がイメージしにくい場合は、「手取り収入の何%を投資に回すか」という割合で考える方法もあります。一般的には手取りの10〜20%程度を目安にする考え方が広く知られていますが、この数字も絶対的な正解ではありません。
個人事業主のように収入が変動しやすい場合は、金額を固定するより、直近の平均収入に対する一定の割合で積立額を決めておくと、収入の変化に応じて自然に積立額も調整される、という利点があります。割合で考える方法と、金額で考える方法、どちらが自分に合っているかを試してみるとよいでしょう。
積立額を決める3ステップ
ステップ1:年間生活費表・貯蓄率を確認する
家計管理シリーズで作成した年間生活費表と、貯蓄率の実績をもとに、毎月・毎年どれくらいの余剰資金があるかを確認します。
ステップ2:生活防衛資金・特別費積立を優先的に確保する
余剰資金のすべてを投資に回すのではなく、生活防衛資金と特別費の積立を優先的に確保した上で、残りを投資に回す資金として考えます。この優先順位は、家計管理シリーズ最終回でも詳しく解説した通りです。
ステップ3:無理のない金額から始め、徐々に増やす
最初から満額(つみたて投資枠なら月10万円)を目指す必要はありません。月5,000円、月1万円といった無理のない金額から始め、収入や家計の状況に応じて、少しずつ増額していくという進め方で十分です。
「積立額を決められない」という悩みへの向き合い方
積立額をいくらにすればいいか分からない、という悩みは、投資初心者からよく聞かれる相談の一つです。一人で家計を担うシングルファザーであれば、なおさらこの悩みは大きくなりがちです。この悩みの根本的な原因は、多くの場合、家計全体の収支が正確に把握できていないことにあります。
裏を返せば、家計管理シリーズで紹介した年間生活費表や貯蓄率の把握ができていれば、積立額を決める作業自体は、驚くほどシンプルな引き算で済みます。「積立額が決められない」と感じたら、それは投資の知識不足ではなく、家計把握の土台不足である可能性が高い、と捉えてみてください。
収入が変動する個人事業主の積立額の決め方
個人事業主やフリーランスの場合、毎月の収入が一定でないため、積立額の決め方に一工夫が必要です。僕自身は、直近1年間の平均月収をベースに、無理のない積立額を固定金額で設定しています。収入が良い月に増額するのではなく、あえて固定額を淡々と積み立て続けることで、感情に左右されない運用ができています。
ボーナス的な臨時収入があった際には、つみたて投資枠とは別に、成長投資枠での一括投資に回す、という使い分けをしています(成長投資枠の使い方はシリーズ第5回を参照)。
積立額を決める際、家族の意見はどこまで反映すべきか
配偶者やパートナーがいる家庭では、積立額は家計全体に関わる意思決定であるため、必ず話し合った上で決めることをおすすめします。片方だけの判断で大きな金額を積立に回してしまうと、後になって「そんなに投資に回していたのか」という認識のズレが生じかねません。
シングルファザーとして一人で家計を担っている場合、この話し合いの相手はいませんが、その分、子どもがある程度の年齢になったら、家計全体の方針について簡単に共有しておくことをおすすめします。詳細な金額までは伝えなくても、「将来のために、決まった金額を積み立てている」という事実を伝えておくだけでも、金融教育の一環として意味があります。
積立額をシステム化して「決断疲れ」を防ぐ
毎月「今月はいくら投資しようか」と考え直していると、その都度の判断に労力を使ってしまい、いずれ疲れて考えること自体をやめてしまいます。心理学で「決断疲れ」と呼ばれるこの現象は、日常のあらゆる場面で起こりますが、資産形成においても例外ではありません。
一度、無理のない積立額を決めたら、あとは自動積立の設定に任せてしまい、「毎月考える」という作業自体をなくしてしまうことをおすすめします。これにより、限られた判断力や集中力を、家族や仕事など、他の重要な場面に振り向けられるようになります。
積立額のシミュレーション例
| 月々の積立額 | 20年後の想定資産額(年利5%想定) |
|---|---|
| 1万円 | 約411万円 |
| 3万円 | 約1,233万円 |
| 5万円 | 約2,054万円 |
これはあくまで一定の利回りを前提とした試算であり、実際のリターンを保証するものではありません。それでも、毎月の金額の違いが、長期的には大きな差になっていくというイメージを持っていただくための参考として見てください。
次回は「続ける力」について
積立額という「量」が決まったところで、次回はいよいよ、その積立を長期間続けていくための「長期投資の考え方」を掘り下げていきます。
4人の子どもがいる家庭での積立額の考え方
教育費の負担が大きい時期は、無理に積立額を増やす必要はありません。家計管理シリーズでも解説した通り、教育費のピークが来る前後で積立ペースにメリハリをつけるという考え方が現実的です。教育費の負担が軽くなったタイミングで、積立額を引き上げていけば十分です。
積立額を「削る」のではなく「一時停止」という選択肢も
家計が厳しい月・年があった場合、積立額をゼロに近い金額まで一時的に減らす、あるいは一旦停止するという選択肢も持っておいてください。無理をして積立を続けた結果、生活費や特別費の支払いに支障が出てしまっては本末転倒です。
大切なのは、完全にやめてしまうのではなく、「今は一時的に抑えている」という位置づけを自分の中で明確にしておくことです。家計に余裕が戻ったタイミングで、また元のペースに戻せばよく、投資はいつでも再開できる柔軟な仕組みだと理解しておくと、必要以上に自分を追い込まずに済みます。
積立額の決め方を、家族の将来と結びつけて考える
積立額を決める作業は、単なる家計の数字合わせではなく、「自分と子どもたちの将来に、どれだけの資源を配分するか」という意思決定でもあります。今の生活の楽しみを削りすぎてまで積立額を増やすことは推奨しませんが、逆に、将来への備えをまったく考えずに使い切ってしまうことも、長期的には不安の種を残すことになります。
ライフプランの作り方シリーズで紹介した通り、今の積立額が将来どのように積み上がっていくのかを、一度具体的な数字で可視化してみることをおすすめします。数字で見えるようになると、「今の積立額で本当に大丈夫か」「もう少し増やす余地があるか」といった判断が、感覚ではなく根拠を持ってできるようになります。
ボーナス・臨時収入があったときの考え方
個人事業主にはボーナスという概念はありませんが、繁忙期に売上が大きく伸びた月や、大型案件の入金があった月には、まとまった臨時収入が発生することがあります。こうした臨時収入をどう扱うかも、積立額を考える上で大切な視点です。
僕自身は、臨時収入をすべて投資に回すのではなく、まず特別費積立・生活防衛資金の補充に充て、それでも余った分だけを、成長投資枠での一括投資に回すという優先順位を守っています。臨時収入が入るたびに全額を投資してしまうと、家計全体のバランスを崩しかねないため、この優先順位は毎回意識するようにしています。
積立額を「増やしすぎない」ことも大切
積立額の決め方というと、つい「どこまで増やせるか」という発想になりがちですが、増やしすぎることにもリスクがあります。生活の余裕がなくなるほど積立額を増やしてしまうと、日々の生活の質が下がり、家計管理そのものへのモチベーションが失われかねません。
家計管理シリーズでも繰り返し伝えてきた通り、無理な我慢は長続きしません。積立額は、「多少きついが頑張れば続けられる」ラインではなく、「意識しなくても自然に続けられる」ラインに設定することを強くおすすめします。
第7回のまとめとして
積立額が決まれば、あとは自動化して淡々と続けるだけです。次回は、この積立を長く続けていく上で欠かせない「長期投資の考え方」について、じっくり掘り下げていきます。金額の設計ができたら、次はいよいよ「続け方」の設計に入ります。
積立は「金額」より「継続」がすべて
どれだけ理想的な積立額を設定できても、それが続かなければ意味がありません。多少少なめの金額であっても、10年、20年と続けられることのほうが、無理な金額を設定して数か月で挫折することよりも、はるかに大きな資産形成の成果につながります。金額の大小よりも、継続できる仕組みを作れているかどうかを、常に判断基準にしてください。
積立額の話を終えるにあたって
積立額の決め方について、様々な角度から解説してきましたが、最も大切なのは「無理なく、長く続けられる金額」であることです。この一点さえ守れれば、細部の判断で多少迷ったとしても、大きく間違えることはありません。今回の内容を参考に、ぜひご自身にとって無理のない金額を、一度実際に設定してみてください。
積立額は「今の正解」を出す必要はない
積立額をいくらにすべきか、完璧な正解を出そうとして、なかなか始められないという方もいます。しかし、積立額は一度決めたら変えられないものではなく、家計の状況に応じて何度でも見直せる、柔軟な数字です。
「今、無理のない金額はいくらか」を一度決めて、まずは走り出してみてください。走りながら、半年に一度、家計管理シリーズで紹介した年間生活費表や貯蓄率の推移を見返し、必要に応じて金額を調整していく。この「決めて、走って、見直す」というサイクルこそが、積立額の決め方における一番実践的な答えです。
まとめ
- 「余った分を投資」ではなく「先取りで投資に回す」という発想に切り替える
- 生活防衛資金・特別費積立を優先し、残りを投資に回す資金として考える
- 無理のない金額から始め、収入や家計の状況に応じて徐々に増やしていく
- 個人事業主は直近の平均月収をベースに固定額を淡々と積み立てるのがおすすめ
次回は、新NISAで資産形成を続ける上で欠かせない「長期投資の考え方」について解説します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 積立額はいつでも変更できますか?
はい、多くの金融機関で毎月自由に変更できます。収入や家計の変化に合わせて、柔軟に見直してください。
Q2. 最低いくらから積立を始められますか?
金融機関にもよりますが、月100円や1,000円といった少額から始められるサービスも多くあります。まずは少額からでも始めてみることに価値があります。
Q3. ボーナスが出た月にまとめて多く投資してもいいですか?
問題ありません。つみたて投資枠での定期積立に加えて、ボーナス月は成長投資枠で一括投資する、という使い分けも有効です。
Q4. 積立額を増やすタイミングの目安はありますか?
固定費の見直しで浮いたお金ができたとき、収入が増えたとき、教育費の負担が軽くなったときなどが、増額を検討する自然なタイミングです。
Q5. 積立額を減らすことに罪悪感を感じます。減らしてもいいですか?
問題ありません。家計に無理が生じるくらいなら、積立額を一時的に減らしてでも継続することを優先してください。ゼロにするより、少額でも続けることに大きな価値があります。
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シンパパ資産設計士
4児を育てるシングルファーザー/個人事業主20年/投資家20年/兼業大家20年
📝 noteでも毎日発信中
投資20年の失敗談・シングルファーザーのリアルな日常・お金の本音——ブログでは書きにくいことをnoteに書いています。


