奨学金の種類と選び方、給付型と貸与型の違いを整理する

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4人の子を育てる中で、大学進学費用の資金計画を立てる際に必ず検討対象に入ってくるのが「奨学金」です。自己資金だけですべてを賄おうとすると家計への負担が大きくなりすぎる可能性があるため、私は奨学金制度についても早い段階から情報を整理してきました。制度が複雑で分かりにくいという声もよく聞きますが、一つひとつ丁寧に整理していけば、決して理解できないものではありません。

奨学金と一口に言っても、返済不要の「給付型」と、返済が必要な「貸与型」があり、さらに貸与型の中にも「無利子(第一種)」と「有利子(第二種)」の区分があります。この記事では、それぞれの制度の違いと、我が家として奨学金制度とどう向き合っているかを整理してみたいと思います。制度の名前だけを見ても違いが分かりにくいため、一つずつ丁寧に解説していきます。

給付型奨学金とはどんな制度か

給付型奨学金は、返済の必要がない奨学金です。代表的なものに、日本学生支援機構(JASSO)が実施する給付型奨学金制度があります。これは「高等教育の修学支援新制度」の一環として、授業料等減免制度とセットで運用されており、住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯の学生を主な対象としています。

この制度は、経済格差によって進学の機会が失われることのないように設計された、社会的に重要な仕組みだと理解しています。所得水準に関わらず、こうした公的な支援制度がどのような設計になっているかを知っておくことは、自分の家庭が対象になるかどうかとは別に、社会の仕組みを理解する上でも意味のあることだと考えています。

給付額は世帯の所得区分(住民税非課税世帯、それに準ずる世帯など)や、進学先が国公立か私立か、自宅通学か自宅外通学かによって細かく段階が分かれています。あわせて、対象となる大学等では授業料・入学金の減免も受けられる仕組みになっています。給付額と減免額を合わせると、対象となる家庭にとってはかなり大きな支援になり、進学の選択肢を大きく広げてくれます。

この制度は、経済的に修学が困難な家庭にとって非常に大きな支援になる一方、所得制限が明確に設定されているため、一定以上の所得がある世帯は対象外になります。我が家の場合、事業所得の水準からすると、この所得制限を超えてしまい対象外になる見込みが高いと想定しています。実際に、知人の個人事業主からも「所得が一定額を超えているため給付型奨学金の対象にはならなかった」という話を聞くことがあり、給付型奨学金は「使えるかどうかをまず所得基準で確認する」制度だと捉えています。

個人事業主の場合、所得の判定基準となる「所得」が、会社員の給与収入とは計算方法が異なる点にも注意が必要です。事業所得は売上から経費を差し引いた金額で計算されるため、同じ「所得○○万円」という基準であっても、会社員の額面年収の感覚とは異なる場合があります。所得区分の判定においては、確定申告書に記載された所得金額が基準になることが一般的なので、毎年の確定申告の内容が、こうした制度の対象可否にも影響することを意識しておく必要があります。

このほか、大学独自の給付型奨学金(特待生制度、成績優秀者向けの授業料免除など)や、地方自治体・民間団体が実施する給付型奨学金も存在します。これらは所得制限だけでなく、成績要件や特定の分野への進学など、独自の条件が設定されていることが多く、該当する可能性がある制度を幅広くリサーチしておく価値があります。

私自身、子どもたちの進路を検討する中で、大学独自の特待生制度について複数の大学の情報を比較したことがあります。特待生制度は、入学試験の成績上位者や、特定の資格・実績を持つ受験生を対象に、授業料の一部または全額を免除する制度で、所得制限がないケースも多く、所得水準に関わらず活用できる可能性がある点が魅力です。ただし、対象人数が限られていたり、入学後の成績維持が条件になっていたりすることもあるため、制度の詳細を大学ごとに確認する必要があります。

貸与型奨学金の2つの種類

貸与型奨学金は、卒業後に返済する必要がある奨学金です。日本学生支援機構の貸与型奨学金には、大きく分けて第一種(無利子)と第二種(有利子)があります。この2種類の違いを理解した上で、家庭の状況に応じてどちらを検討すべきかを判断する必要があります。

第一種奨学金は無利子で借りられる分、貸与額の上限が第二種より低めに設定されており、また学力基準・家計基準ともに第二種よりやや厳しい傾向があります。無利子であるメリットは大きく、卒業後の返済負担を考えると、条件を満たすのであれば優先的に検討する価値のある制度です。総返済額を試算してみると、無利子と有利子の差は長期的には決して小さくないことが分かります。

第二種奨学金は有利子ですが、在学中は利息が発生せず、貸与額も第一種より柔軟に選択できる場合が多いのが特徴です。利率は「利率固定方式」と「利率見直し方式」から選択でき、卒業後の返済計画に応じて選ぶことができます。有利子とはいえ、一般的な教育ローンや消費者金融などと比較すると低い利率水準に設定されていることが多く、資金使途を教育費に絞った公的な制度としての位置づけがあります。

利率固定方式は、貸与終了時点の利率がそのまま返済終了まで適用される方式で、将来の返済額を確定させやすいというメリットがあります。一方、利率見直し方式は、概ね5年ごとに利率が見直される方式で、市中金利が低下した場合には返済負担が軽くなる可能性がある一方、金利が上昇した場合には返済負担が増える可能性もあります。どちらが有利かは将来の金利動向次第で変わるため、一概にどちらが良いとは言えませんが、私は返済計画の見通しを立てやすい固定方式を基本的には勧める立場です。

貸与型奨学金は「借金」であることを忘れてはいけません。子ども自身が卒業後に返済していくケースが一般的であり、将来の社会人生活のスタート時点で返済義務を背負うことになります。借りる金額と返済計画については、進学前の段階で子どもとしっかり話し合っておくことが重要だと感じています。

返済方法についても、「定額返還方式」と「所得連動返還方式」の2種類が用意されており、後者は卒業後の所得に応じて毎月の返済額が変動する仕組みです。所得が低い時期には返済額を抑えられるというメリットがある一方、返済期間が長期化する可能性もあります。どちらの方式を選ぶかによって、卒業後の生活設計に与える影響が変わってくるため、貸与型奨学金を検討する際は、この返済方式の違いについても事前に理解しておくべきだと感じています。

給付型と貸与型、どちらを優先すべきか

奨学金の検討にあたっては、まず給付型奨学金の対象になるかどうかを確認し、対象になる場合はできる限り優先的に活用する、というのが基本的な考え方です。返済不要という点で、家計にとっても子ども本人にとっても負担が最も少ない選択肢だからです。

この優先順位は、いわば「返済負担の少ない順」に検討していくという、シンプルだが実践的な発想に基づいています。給付型(返済不要)、無利子の貸与型第一種、有利子の貸与型第二種、そして民間の教育ローンという順に、返済負担が重くなっていきます。資金計画を立てる際は、この順番を意識しながら、まずは返済負担の軽い選択肢から検討し、それでも不足する部分を段階的に重い選択肢で補っていく、という組み立て方をおすすめします。

給付型の対象にならない、あるいは給付型だけでは不足する場合に、貸与型を検討することになります。この際、まず無利子の第一種を優先的に検討し、それでも不足する部分を有利子の第二種で補う、という順番で組み立てるのが一般的な考え方です。この順序を守ることで、返済総額を最小限に抑えることができます。

我が家の場合、給付型奨学金は所得制限により対象外となる可能性が高いという前提で資金計画を立てています。そのため、大学進学費用の柱はあくまで自己資金(学資保険・投資・事業所得からの積立)とし、奨学金は「必要に応じて活用する補完的な手段」という位置づけにしています。この考え方は別記事「大学進学費用、4人分を同時に見積もってみた結果」でも触れている、複数の資金源を組み合わせる方針の一部です。

ただし、所得制限の対象外だからといって、奨学金制度そのものを検討の対象から外すのは早計だと考えています。無利子の第一種奨学金についても所得基準が設定されていますが、給付型ほど厳しい基準ではないケースもあり、家計の状況によっては活用できる可能性があります。また、大学独自の特待生制度のように所得制限のない制度も存在するため、「うちは対象外だろう」と決めつけずに、その都度最新の基準を確認する姿勢を大切にしています。

教育ローンという選択肢との違い

奨学金と混同されやすい制度に「教育ローン」があります。代表的なものに、日本政策金融公庫が実施する「国の教育ローン」があります。両者は名前も似ており、混同して理解している方も少なくないため、ここで明確に整理しておきたいと思います。

奨学金との大きな違いは、借入の名義と返済の主体です。奨学金(特に貸与型)は多くの場合、学生本人が借主となり、卒業後に本人が返済していきます。一方、教育ローンは基本的に保護者が借主となり、在学中から返済が始まるのが一般的です。

つまり、「卒業後に子ども自身が返済していく形にしたいか」「在学中から親が計画的に返済していく形にしたいか」という、家庭ごとの考え方によって、奨学金と教育ローンのどちらを優先するかが変わってきます。

金利水準についても違いがあります。日本学生支援機構の貸与型奨学金は、公的な制度である分、一般的な民間の教育ローンと比べて低めの利率に設定されている傾向があります。国の教育ローンも、民間の教育ローンと比較すると低金利であることが多いですが、これらの金利水準は経済情勢によって変動するため、実際に利用を検討する際には、その時点での最新の金利情報を確認する必要があります。複数の選択肢の金利を横並びで比較した上で、総返済額のシミュレーションを行うことが、賢い選択につながると感じています。私自身は、子どもにも進学費用の一部について当事者意識を持ってもらいたいという思いもあり、貸与型奨学金を活用する場合は本人名義での借入を基本とし、教育ローンは自己資金や奨学金だけでは不足する部分を補う位置づけとして検討しています。

この考え方の背景には、自分自身が個人事業主として長年、事業資金の借入と返済の計画を自らの判断で組み立ててきた経験があります。事業を続ける中で何度も資金調達の判断を迫られてきましたが、お金を借りることそのものが悪いわけではなく、借りた後にどう返済計画を立て、どう管理していくかが重要だという実感を、子どもたちにも伝えていきたいという思いがあります。奨学金を「当事者意識を持ってお金と向き合う最初の機会」と位置づけることで、単なる資金調達の手段以上の意味を持たせられると考えています。これも一つの金融教育の形だと捉えています。

奨学金選びで確認しておきたいポイント

奨学金制度を検討する際に、私が確認するようにしているポイントをいくつか挙げます。これらを事前に押さえておくことで、いざ申し込む段階になって慌てることを防げます。

まず、申込のタイミングです。日本学生支援機構の奨学金は、進学前の「予約採用」と、進学後の「在学採用」の2つの申込時期があります。予約採用は高校在学中に申し込む必要があり、申込時期を逃すと在学採用まで待つことになるため、早めの情報収集とスケジュール管理が欠かせません。

予約採用のメリットは、進学先が確定する前に採用の可否が決まるため、進学後の資金計画を早い段階から立てやすいという点にあります。一方、在学採用は進学後に申し込む形になるため、入学直後の一時的な資金不足には対応しにくい面があります。私はこの点を踏まえ、進路の検討が本格化する段階で、予約採用の申込スケジュールを必ず確認するようにしています。学校を通じて案内があることが一般的ですが、案内を見落とさないよう、自分自身でもスケジュールを把握しておくことが大切です。

次に、家計基準・学力基準の詳細です。これらの基準は毎年見直される可能性があるため、進学を検討する年度の最新の基準を、日本学生支援機構の公式情報などで確認する必要があります。古い情報のまま判断してしまうと、実際の申込時に条件が変わっていることもあるため、十分な注意が必要です。

そして、大学独自の奨学金制度や、進学先の地域の自治体が実施する奨学金制度も併せて調べておくことです。日本学生支援機構の制度だけでなく、こうした制度を組み合わせることで、活用できる支援の幅が広がる可能性があります。

また、給付額・貸与額の妥当性も重要な確認ポイントです。借りられる上限額まで借りるのではなく、実際に必要な金額を見積もった上で、その範囲内で申し込むことを心がけています。奨学金は「借りられるだけ借りておいたほうが安心」という発想になりがちですが、卒業後の返済負担を考えると、必要以上に借りることは避けるべきだと考えています。事前の資金計画で自己資金による確保を進めた上で、不足する部分だけを奨学金で補うという順序を徹底することが、無駄のない借入につながります。

複数の子が同時に進学期を迎えたときの奨学金上の注意点

4人の子を育てていると、いずれ複数の子が同時期に大学や専門学校に在学するタイミングが訪れる可能性があります。奨学金や授業料減免制度の多くは「世帯の所得」を基準に判定される一方、同一世帯から複数の子が同時に高等教育機関に在学している場合、その人数を考慮した基準が設けられている制度もあります。

具体的には、高等教育の修学支援新制度(給付型奨学金・授業料等減免)や、大学独自の奨学金制度の中には、扶養する子の人数や、同時に在学する子の人数に応じて所得基準の目安が調整される仕組みを持つものがあります。単純に「世帯の所得がいくらだから対象外」と判断する前に、同時に何人が在学中かという条件も含めて、その年度の基準を確認する必要があると理解しています。

私はこの点を踏まえ、4人の子どもたちの進学時期をあらかじめ大まかに見積もり、同時に複数人が在学する時期がいつ頃訪れるかを一覧化しています。教育費の支出が特定の数年間に集中する可能性がある以上、その時期に向けて自己資金をどう積み増しておくか、奨学金や教育ローンをどう組み合わせるかを、早めに検討しておくことが欠かせません。制度の細かい基準は年度によって変わる可能性があるため、実際に進学が近づいた段階で、その時点の最新情報を必ず確認するようにしています。

まとめ

奨学金には返済不要の給付型と、返済が必要な貸与型(無利子の第一種、有利子の第二種)があり、それぞれ所得制限や学力基準などの条件が異なります。給付型は所得制限により対象外となる家庭も少なくありませんが、対象にならない場合でも、貸与型奨学金や教育ローンなど、複数の選択肢を組み合わせることで、大学進学費用の負担を分散させることができます。

制度の全体像を理解しておくことは、実際に利用するかどうかにかかわらず、資金計画の選択肢を広げる上で価値があります。「うちは対象外だから関係ない」と最初から情報を遮断してしまうのではなく、まずは制度の仕組みを把握した上で、自分の家庭にとって使える部分がないかを検討する姿勢が大切だと感じています。

奨学金は「借りられるだけ借りる」ものではなく、返済計画まで含めて子どもと話し合いながら、家庭の資金計画の中でどう位置づけるかを考えることが大切だと感じています。

4人の子を育てる中で、それぞれの進路や希望に応じて、奨学金の活用度合いも変わってくるはずです。画一的なルールを決めるのではなく、その都度、家計の状況と子ども本人の意向を踏まえながら、柔軟に判断していきたいと考えています。制度を正しく理解しておくことが、その柔軟な判断の土台になると信じています。

免責事項

本記事は筆者個人の経験と一般的な情報提供を目的としており、奨学金制度・教育ローン制度の詳細な適用条件を保証するものではありません。所得制限や貸与額、利率などの制度内容は毎年見直される可能性があります。大学独自の特待生制度や自治体の奨学金制度についても、内容や条件は年度・団体によって異なりますので、必ず各実施機関の最新情報をご確認ください。奨学金・教育ローンの利用を検討される際は、必ず日本学生支援機構や日本政策金融公庫など制度の実施機関の最新情報をご確認いただき、必要に応じてファイナンシャルプランナーなど専門家にご相談ください。

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