「学資保険はいらないって聞いたけど、本当に入らなくていいの?」
この疑問、すごく正直で大事な問いだと思います。投資の知識がついてくると、学資保険の返戻率の低さが気になり始めるんですよね。「毎月1万円近く払って、18年後に元本割れかもしれない。それって意味あるの?」という疑問が生まれるのは自然なことです。
僕はシングルファーザーとして4人の子どもを育てながら、投資歴20年・不動産大家20年という経験があります。学資保険には4人全員を入れましたが、投資の知識がついてから「本当に入るべきだったか」を何度も問い直してきました。
この記事では、「学資保険はいらない」という意見の根拠を正直に整理した上で、代替手段との比較、そして「それでも入った方がいい人の条件」もお伝えします。どちらが正解かではなく、あなた自身が判断できるための情報をまとめました。
※ 本記事は個人の見解と情報提供を目的としています。投資・保険の判断はご自身の責任においてお願いします。
1. 「学資保険はいらない」論の主な理由
ネットや金融系の記事で「学資保険は不要」「学資保険より投資の方がいい」という意見をよく見かけます。主な理由を整理します。
理由①:返戻率が低すぎる
現在の学資保険の返戻率は、良くて105〜108%程度です。18年間積み立てて5〜8%しか増えない計算で、年利換算すると0.3〜0.5%程度です。これは定期預金よりはマシですが、インフレを考えると実質的に目減りしている可能性もあります。
理由②:インフレに弱い
学資保険は「18年後に○○万円受け取れる」という確定給付型が多いです。しかし、インフレが進んで物価が上昇した場合、18年後に受け取る200万円の価値は、今の200万円より下がっている可能性があります。
インフレに強い資産(株式・不動産など)と比べると、学資保険は価値の目減りリスクが相対的に高いと言えます。
理由③:流動性が低い
学資保険は原則、満期まで解約できません(できても解約返戻金が少なく、元本割れするケースが多い)。一度入れたお金は「18年間ロック」されると考えてください。予期せぬ出費や、より有利な投資機会が現れた場合でも、学資保険に入れたお金は動かせません。これは個人事業主にとって特にデメリットになり得ます。
理由④:運用効率が悪い
学資保険の実質利回りは年0.3〜0.5%程度です。一方、長期のインデックス投資(全世界株式型など)の過去の実績から期待される年率は4〜7%程度(ただし保証されません)。この差が18年間複利で積み重なると、受取額の差は非常に大きくなります。
2. 学資保険の3つのデメリット詳解
利率の問題(数字で比較)
月1万円を18年間積み立てた場合の比較(概算・税金・手数料は簡略化):
| 方法 | 元本 | 想定利回り | 18年後の目安 |
|---|---|---|---|
| 学資保険 | 216万円 | 年0.3〜0.5% | 約220〜230万円 |
| 定期預金 | 216万円 | 年0.2〜0.3% | 約220〜225万円 |
| インデックス投信(NISA) | 216万円 | 年4〜6%(想定) | 約430〜560万円(想定) |
※ インデックス投信の想定は過去実績に基づくもので、将来の運用成果を保証するものではありません。元本割れリスクがあります。
数字だけ見れば、NISAでの長期運用が圧倒的に有利に見えます。しかしこれは「相場が順調に推移した場合」の試算です。リーマンショックやコロナショックのような急落が子どもの大学入学前に起きた場合は話が変わります。
インフレの問題
2024〜2025年の日本は年2〜3%のインフレが続いています。このペースで18年間インフレが続けば、今の100万円の購買力は18年後に大幅に低下します。確定給付型の学資保険はこのリスクに対応できません。
例えば、年2%のインフレが18年続いた場合、今の200万円の購買力は18年後には約137万円程度に低下する計算になります。つまり、学資保険で200万円を確保しても、実質的な価値は入れた時より低くなっている可能性があります。
流動性の問題
個人事業主として20年やってきた僕には、「お金が動かせない」ことの怖さが身に染みています。事業が一時的に苦しくなったとき、学資保険に入れたお金には手を出せません。
コロナショックの時期、事業収入が大幅に落ちた方も多かったと思います。そういうときに「学資保険に入れてしまった数百万円があれば……」という状況になると、本末転倒です。緊急資金と教育費の積立は、別々に管理することが大切です。
3. 代替手段の比較(新NISA・定期預金・個人向け国債)
| 手段 | 期待リターン | 元本割れリスク | 流動性 | 税制メリット | 死亡保障 |
|---|---|---|---|---|---|
| 学資保険 | 低(0.3〜0.5%) | 中途解約で元本割れ | 低(原則ロック) | 受取時一定額まで非課税 | あり(商品による) |
| 新NISA(積立) | 高め(4〜6%想定) | あり | 高(いつでも売却可) | 運用益・売却益が非課税 | なし |
| 定期預金 | 非常に低(0.1〜0.3%) | なし(1,000万円まで保護) | 中(期間中は低い) | なし | なし |
| 個人向け国債(変動型) | 低め(政策金利連動) | なし(国が保証) | 中(1年後から換金可) | なし | なし |
この表を見ると、NISAの方が利回り面では有利に見えます。一方、学資保険には「死亡保障」という機能があり、これがNISAや定期預金にはない大きな違いです。特にシングルファーザー・シングルマザーにとって、この保障機能は重要な検討ポイントになります。
投資歴20年の立場から言えば、長期で積み立てるなら新NISAが最も合理的だと思っています。ただし、教育費は「絶対に使う時期が決まっているお金」なので、リスクを取りすぎることも危険です。
4. 「それでも入った方がいい人」の条件
「学資保険はいらない」論を整理した上で、あえて「入った方がいい人」の条件も正直に伝えます。
- 投資に踏み出せない・続けられない自信がない人:学資保険は「強制積立」という側面があります。毎月自動引き落としで積み立てられるため、「使ってしまう」リスクがありません。投資の才能がなく、NISAを設定しても途中で解約してしまいそうな人には、強制積立の仕組みは有効です
- 元本割れが絶対嫌な人:学資保険は満期まで持てば元本割れしません(商品による)。NISAのように相場の変動に精神的に耐えられない場合は保険の方が向いています。相場急落時に眠れなくなるほど不安を感じる方は、確実性の高い手段を選ぶ方が精神衛生上も良いと思います
- ひとり親・シングルファーザーで保障も欲しい人:育英年金特約付きの学資保険なら、万一の場合の子どもの教育費保障も兼ねられます。これはNISAには代替できない機能です
- 節税効果を使いたい人:学資保険の受取金は一時所得として扱われ、50万円の特別控除後の2分の1が課税対象になります。一定額以下なら実質非課税です
5. 4児育てた立場からの正直な結論
結論を言います。「学資保険はいらない」は半分正解、半分間違いだと思っています。
投資として見れば、NISAの方が合理的です。でも、学資保険には「保障」と「強制積立」という機能があります。この2つに価値を感じるなら、入る意味はあります。特にひとり親の場合、「自分に何かあったときに子どもの教育費がどうなるか」という保障の観点は、純粋な投資の話と切り分けて考える必要があります。
僕の実際のやり方は「学資保険+NISA」の組み合わせです。学資保険で「最低限の教育費を確実に確保」し、余剰資金をNISAで運用しています。学資保険の返戻率は低くても、「絶対に使える教育費」という安心感は僕にとって価値があります。
「入らない」という選択も「入る」という選択も、どちらも正解になり得ます。大切なのは、仕組みを理解した上で自分の状況に合わせた判断をすることです。「みんながそうしているから」「担当者に勧められたから」ではなく、自分で考えて選ぶことが最も重要です。
6. 学資保険に代わる手段を選ぶときの注意点
「学資保険はやめてNISAにしよう」と決めた場合でも、気をつけるべきポイントがあります。ここでは、代替手段を選ぶ際の注意点を整理します。
注意点①:NISAは「途中で売らない」覚悟が必要
NISAのインデックス投信を教育費に使う場合、大学入学直前に相場が急落するリスクがあります。例えばリーマンショック(2008年)やコロナショック(2020年)のような急落が起きると、10年間積み立てた資産が一時的に30〜50%以上目減りすることもあります。
そのタイミングで売却せざるを得ない場合、大きな損失になります。このリスクを許容できるかどうか、事前に自分に問いかけてください。「学資保険の代わりにNISAを使う」なら、少なくとも大学入学の2〜3年前から段階的に現金化していく計画を立てることが重要です。
注意点②:死亡保障の穴を埋めること
学資保険には「契約者(親)が死亡した場合の保険料払込免除や育英年金」という保障機能があります。NISAや定期預金にはこの機能がありません。学資保険を全て辞めてNISAに切り替える場合は、その分の死亡保障を生命保険で補う必要があります。
特にシングルファーザーの場合、「自分に何かあったときの子どもの教育費保障」は最優先課題です。学資保険の代わりにNISAを選ぶなら、生命保険の見直しとセットで考えてください。
注意点③:「全か無か」で考えない
「学資保険 vs NISA」という議論になりがちですが、どちらか一方だけが正解ではありません。学資保険を少額(保障機能目的)で持ちながら、NISAで積立を加えるという組み合わせが最もリスク分散できます。
僕自身もこの組み合わせです。「学資保険を完全にやめる必要はない。どちらをどの割合で持つかを考える」という視点で設計することをお勧めします。
7. まとめ:「いらない」とは言い切れない、でも「入るだけ」でも不十分
この記事を通じて伝えたかったのは、「学資保険はいらない」という断言ではなく、「学資保険の仕組みとメリット・デメリットを理解した上で、自分の状況に合わせて判断してほしい」ということです。
投資合理性だけで見ればNISAが優位です。でも、保障機能・強制積立機能という観点では学資保険にも価値があります。特に「ひとり親として子どもの教育費を一人で守る立場」にある人には、死亡保障がある学資保険を全否定することはできません。
「学資保険はいらない」という情報に触れて解約・未加入を選んだ結果、万一の際に子どもの教育費が無保証になってしまうリスクは、純粋な投資効率の問題とは別次元の話です。子どもの教育費は「絶対に使う時期が決まっているお金」という特殊性があります。老後資金と違って「運用が悪ければ先延ばし」という選択肢がありません。そこに学資保険の確実性の価値があります。
まず自分の優先順位を決めること。保障を重視するなら学資保険を核に、利回りを重視するならNISAを核に、現実的な家計キャッシュフローを考えながら設計を組み立てる。その設計の相談相手として、無料のFP相談を活用してみてください。「入る・入らない」の答えより「自分に合った設計」を見つけることが、教育費準備の本質です。
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※ 本記事は個人の見解に基づく情報提供を目的としており、投資・保険の推奨ではありません。投資には元本割れリスクがあります。保険・投資の商品選択はご自身の判断でお願いします。


