- はじめに ─ 宅建合否を決める「20点満点を狙う分野」
- 結論:宅建業法の8つの柱
- 柱①:宅建業の定義・免許
- 柱②:営業保証金
- 柱③:媒介契約
- 柱④:重要事項説明(35条書面)
- 柱⑤:クーリング・オフ
- 柱⑥:業務上の義務・制限
- 柱⑦:報酬規制
- 柱⑧:監督・罰則
- 4児パパが実感した宅建業法の効果【実数値】
- 学習のポイント
- 数字で理解する仲介手数料 ─ 価格帯別シミュレーション
- 媒介契約の選び方 ─ 実践比較チェックリスト
- 重要事項説明で見落としがちなチェックポイント
- 宅建業法でよくある失敗事例と対策
- 宅建士の設置義務・案内所の届出など周辺規定
- 宅建業法 追加Q&A ─ 実務でよく出る疑問
- おすすめ通信講座
- よくある質問(FAQ)
- まとめ ─ 「20問満点を狙う得点源」
はじめに ─ 宅建合否を決める「20点満点を狙う分野」
宅建試験50問のうち、20問を占める最大の配点分野が「宅建業法」です。
「権利関係」が法律科目で難解なのに対し、宅建業法はルールが明確で暗記中心。
しっかり対策すれば18〜20点が現実的に取れるため、合否はここで決まると言われています。
そして実生活面でも、宅建業法は
- 悪質不動産業者の手口の見抜き方
- 重要事項説明(35条書面)の読み解き
- 仲介手数料の正しい計算
- クーリングオフ可能なケースの判別
- 媒介契約の有利な選択
──と、「不動産業者と対等に渡り合う武器」として直接効果を発揮します。
僕は20年大家として、宅建業法を体系的に学んでから、
- 仲介手数料を法定上限の半額まで交渉成立
- 重要事項説明の説明漏れを契約前に発見
- 媒介契約で専属専任のリスクを回避
- サブリース契約の家賃保証の罠を即時拒否
など、累積500万円規模の損失回避を実現してきました。
この記事では、4児シングルファーザー × 個人事業主20年 × 大家20年として、
- 宅建業法の全体像と8つの柱
- 試験で20点満点を狙う頻出ポイント
- 悪質業者の手口を見抜く実装方法
を本気で解説します。
結論:宅建業法の8つの柱
| 柱 | 試験出題 | 実生活活用 |
|---|---|---|
| ①宅建業の定義・免許 | 2〜3問 | 業者の合法性確認 |
| ②営業保証金 | 1〜2問 | 業者破綻時の保護 |
| ③媒介契約 | 2問 | 仲介依頼の有利選択 |
| ④重要事項説明(35条書面) | 2〜3問 | 物件の隠れ瑕疵発見 |
| ⑤クーリング・オフ | 1問 | 契約解除権の行使 |
| ⑥業務上の義務・制限 | 2〜3問 | 業者の違反察知 |
| ⑦報酬規制 | 1〜2問 | 手数料上限の確認 |
| ⑧監督・罰則 | 1問 | 業者の処分歴確認 |
→ 各柱で出題傾向が明確 → 対策しやすい得点源。
柱①:宅建業の定義・免許
宅建業とは
- 宅地建物の売買・交換・賃貸の代理・媒介を業として行うこと
- 自ら賃貸は宅建業に該当しない(重要!)
免許の要件
| 区分 | 免許権者 |
|---|---|
| 1つの都道府県のみで営業 | 都道府県知事 |
| 2つ以上の都道府県で営業 | 国土交通大臣 |
- 有効期間:5年
- 更新手続き必要
免許の欠格事由
- 成年被後見人・被保佐人
- 破産者で復権を得ない者
- 一定の犯罪歴
- 暴力団員等
4児パパの実生活での使い方
- 物件購入前:免許番号で業者の合法性確認
- 免許番号の括弧内数字(例:(8))は更新回数 → 数字が多い業者は実績あり
- 自ら賃貸は宅建業ではない→ 大家自身は宅建免許不要
柱②:営業保証金
仕組み
- 業者が破綻した時に買主・借主を保護するため、業者が法務局に供託
- 主たる事務所:1,000万円
- 従たる事務所:500万円/事務所
保証金の差額補充
- 営業保証金が不足した時、業者は2週間以内に補充
弁済業務保証金分担金(協会会員)
- 全国宅地建物取引業協会の場合:主60万円・従30万円/事務所
- 協会会員業者の方が分担金が安い
4児パパの実生活での使い方
- 業者選定:全国宅地建物取引業協会のマーク(ハト)or 不動産流通推進機構(うさぎ)を確認
柱③:媒介契約
3種類の媒介契約
| 種類 | 他業者依頼 | 自己発見取引 | 報告義務 | 専任媒介報告 |
|---|---|---|---|---|
| 一般媒介 | OK | OK | なし | – |
| 専任媒介 | NG | OK | 2週間に1回 | 専属業者から |
| 専属専任媒介 | NG | NG | 1週間に1回 | 専属業者から |
媒介契約書面(34条の2)
- 物件の明示
- 価額
- 媒介の種類
- 報酬の額
- 有効期間(3ヶ月以内)
4児パパの実生活での使い方
- 自宅売却:一般媒介で複数業者に依頼→競合で査定アップ
- 専属専任は自己発見取引も不可→不利と理解
- 媒介契約期間3ヶ月を有効活用
柱④:重要事項説明(35条書面)
説明義務
- 宅地建物取引士が契約成立前に書面交付+口頭説明
- 取引士証の提示義務
主な説明事項
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 物件の表示 | 所在・面積・構造 |
| 登記事項 | 所有者・抵当権・差押 |
| 法令上の制限 | 用途地域・建蔽率・容積率 |
| 私道負担 | 私道部分の有無 |
| 飲用水・電気・ガス | インフラ整備状況 |
| 売買代金以外の金銭 | 手付金・固定資産税精算 |
| 契約解除・損害賠償 | 条件 |
| 物件状況確認書 | 既存住宅の状態 |
| 建物状況調査結果 | インスペクションの結果 |
| アスベスト・耐震診断 | 建物の安全性 |
| 水害ハザードマップ上の所在 | 要確認! |
試験頻出ポイント
- 説明のタイミング(契約成立前)
- 取引士の記名押印必要
- 書面の交付方法(電子化対応)
4児パパの実生活での使い方
- 契約前:重要事項説明書を3日前に入手して精読
- 水害ハザードマップの確認を必須化(最近の制度変更)
- 既存住宅はインスペクション結果を要求
- 説明漏れがあれば契約延期を主張
→ ここで業者の質が一目瞭然になる。
柱⑤:クーリング・オフ
適用要件
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | 業者の事務所等以外(喫茶店・自宅など) |
| 業者 | 売主が宅建業者 |
| 告知 | 申込時にCO可能と書面告知 |
| 期間 | 告知から8日以内 |
CO適用外のケース
- 業者の事務所での契約
- 買主からの申出で自宅・勤務先で契約
- 物件引渡し済み+代金完済
解除の効果
- 業者は手付金等を返還
- 違約金等は請求不可
4児パパの実生活での使い方
- 「展示場で説明受けて即契約」のような場合:CO可能
- 「事務所で交渉してから契約」:CO不可 → 慎重判断
- 売買前にCO可否を確認
柱⑥:業務上の義務・制限
主な義務・制限
広告規制
- 誇大広告禁止(「絶対」「断然」など)
- おとり広告禁止
- 取引態様の明示義務(売主・代理・媒介)
契約書交付義務(37条書面)
- 重要事項説明書(35条)と別に、契約成立後に交付
帳簿備付け義務
- 取引記録を事務所毎に保管
従業者証明書
- 従業者は身分証明書を携帯
4児パパの実生活での使い方
- 過剰な広告表現は誇大広告の可能性を疑う
- 35条書面と37条書面の両方を必ず受領
- 担当者の従業者証明書を確認
柱⑦:報酬規制
売買・交換の上限
取引価格 × 3% + 6万円(消費税別)
賃貸の上限
| 用途 | 上限 |
|---|---|
| 居住用建物 | 賃料の1ヶ月分(依頼者の承諾なしは0.5ヶ月) |
| 非居住用建物 | 賃料の1ヶ月分 |
報酬計算例
- 売買3,000万円 → 仲介手数料上限:3,000万×3%+6万 = 96万円+税
- 賃貸 月10万円 → 仲介手数料上限:10万円+税
試験頻出計算問題
- 売買金額帯別の計算(200万以下5%・200〜400万4%・400万超3%)
- 媒介・代理での上限差(代理は2倍)
4児パパの実生活での使い方
- 自宅購入時:手数料の値引き交渉
- 投資物件購入時:両手仲介なら半額交渉
- 賃貸契約:1ヶ月超の請求は違法
柱⑧:監督・罰則
業者への処分
- 指導・勧告
- 業務停止(1年以内)
- 免許取消し
取引士への処分
- 事務禁止(1年以内)
- 登録消除
罰則
- 無免許営業:3年以下の懲役 or 300万円以下の罰金
- 名義貸し:同上
4児パパの実生活での使い方
- 業者の処分歴を国土交通省サイトで確認可能
- 業務停止歴のある業者は避ける
4児パパが実感した宅建業法の効果【実数値】
効果1:仲介手数料を半額交渉成功
- 学んだ知識:法定上限・両手仲介の構造
- 結果:自宅96万円→48万円で値引き成立
効果2:重要事項説明で隠れ瑕疵を発見
- 学んだ知識:説明事項の網羅性
- 結果:契約前に修繕履歴漏れを指摘→売主負担で修繕
効果3:媒介契約は一般を選んで競合活用
- 学んだ知識:3種の媒介契約の違い
- 結果:3業者競合で査定額+200万円
効果4:サブリース契約の罠を即拒否
- 学んだ知識:宅建業法の規制範囲
- 結果:30年家賃保証→数年で減額の典型を回避
効果5:業者の処分歴を事前確認
- 学んだ知識:監督官庁による処分制度
- 結果:処分歴ある業者を意識的に避ける
→ 累積500万円規模の損失回避+取引コスト削減
学習のポイント
数字を反射的に覚える
- 営業保証金:本店1,000万円・支店500万円
- 重要事項説明:契約前
- クーリング・オフ:8日以内
- 媒介契約期間:3ヶ月以内
- 報酬:3%+6万円
場面別に整理
- 「免許」→「営業保証金」→「契約前」→「契約成立」→「契約後」の時系列で頭に入れる
過去問演習が最大効果
- 宅建業法は過去問と同じパターンが頻出
- 過去10年分を3周以上
数字で理解する仲介手数料 ─ 価格帯別シミュレーション
宅建業法の報酬規制は「上限額」を定めているだけで、実際にいくら請求されるかは業者との交渉次第です。まず試験でも頻出の速算式を確認しておきます。
| 取引価格帯 | 速算式 |
|---|---|
| 200万円以下の部分 | 取引価格×5% |
| 200万円超400万円以下の部分 | 取引価格×4%+2万円 |
| 400万円超の部分 | 取引価格×3%+6万円 |
この速算式は「本来は価格帯ごとに分けて計算した合計額」を簡略化したものです。たとえば400万円超の物件なら、200万円までの部分・200〜400万円の部分・400万円超の部分をそれぞれ計算して合算すると、最終的に「取引価格×3%+6万円」と同じ答えになるように調整されています。試験では「なぜ+6万円になるのか」を問う穴埋め問題も出るため、内訳を一度自分で計算しておくと忘れにくくなります。
価格帯別シミュレーション表
| 売買価格 | 仲介手数料上限(税別) | 消費税込み(10%) |
|---|---|---|
| 500万円 | 21万円 | 23.1万円 |
| 1,000万円 | 36万円 | 39.6万円 |
| 2,000万円 | 66万円 | 72.6万円 |
| 3,000万円 | 96万円 | 105.6万円 |
| 5,000万円 | 156万円 | 171.6万円 |
| 1億円 | 306万円 | 336.6万円 |
表からわかる通り、価格が上がるほど手数料の絶対額は大きくなります。特に投資用物件の売買では、この手数料が利回り計算に直接影響するため、資金計画の段階で「上限額」を先に見込んでおき、実際の交渉でどこまで下げられるかを別枠で考えるのが実務的です。
低廉な空家等の特例(400万円以下の物件)
2018年の法改正で、取引額400万円以下の低廉な空家等を売買する場合、通常の報酬額に現地調査等の費用を加算し、合計18万円(税別)を上限として請求できる特例が設けられました。これは空家の増加に対応するため、現地調査コストがかさむ低額物件でも業者が仲介を引き受けやすくする趣旨の制度です。ただし、この特例は売主側からのみ受領可能で、あらかじめ売主に対して報酬額について説明し、合意を得ることが要件になります。買主側からは通常の速算式を超えて請求できない点も、ひっかけ問題として出やすいポイントです。
消費税の扱いに関する注意点
- 速算式で算出した金額は本体価格(税別)であり、そこに消費税が上乗せされる
- 個人が居住用として売却する場合、建物の売却代金自体には消費税がかからない(土地は非課税、個人の建物譲渡も課税対象外が原則)が、仲介手数料には必ず消費税がかかる
- 事業者(法人・個人事業主)が事業用不動産を売却する場合は、建物部分の売買代金にも消費税が課税されるケースがあるため、契約書の表示が「税込」か「税別」かを必ず確認する
媒介契約の選び方 ─ 実践比較チェックリスト
一般媒介・専任媒介・専属専任媒介のどれを選ぶべきかは、物件の性質や売却の緊急度によって変わります。試験知識をそのまま実務判断に落とし込むための比較軸を整理します。
| 状況 | 向いている媒介契約 | 理由 |
|---|---|---|
| 人気エリア・価格が読みやすい物件 | 一般媒介 | 複数業者を競わせて査定・広告露出を最大化できる |
| 価格が読みにくい・専門知識が必要な物件 | 専任媒介 | 1社に絞ることで販売活動に本腰を入れてもらいやすく、2週間に1回の報告義務で状況を把握できる |
| 親族・知人など自己発見取引の可能性がある | 専任媒介 | 専属専任と違い自己発見取引が可能なため、仲介手数料を払わずに成約できる余地を残せる |
| 短期間で確実に売却したい・業者の販売力に全面的に頼りたい | 専属専任媒介 | 週1回の報告義務と業者側の販売活動へのインセンティブが最も強く働く |
媒介契約を比較検討する実務手順
- 複数業者へ査定を依頼する(3社程度が目安)。査定額だけでなく、その根拠(近隣の成約事例・現在の売り出し状況)を必ず質問する
- 各社の販売戦略を確認する。ポータルサイトへの掲載範囲、自社サイトでの露出、レインズ(指定流通機構)への登録タイミングなど
- 専任系を選ぶ場合はレインズ登録期限を確認する。専任媒介は契約締結日から7営業日以内、専属専任媒介は5営業日以内にレインズへ登録する義務があり、これを怠ると行政処分の対象になる
- 契約書面(34条の2書面)の有効期間・違約金条項を確認する。有効期間は3ヶ月以内と法定されているが、更新方法(自動更新の可否)は業者ごとに異なるため必ず確認する
- 途中解約の条件を確認する。専任系は途中解約時に広告費等の実費を請求されるケースがあるため、契約前に費用負担の範囲を書面で明確にしておく
レインズ登録状況の確認方法
専任媒介・専属専任媒介で契約した場合、業者はレインズへの登録後に登録を証する書面(登録証明書)を依頼者に交付する義務があります。この登録証明書に記載された物件番号を使えば、依頼者自身もレインズの検索画面で自分の物件が実際に登録されているかを確認できます。「登録したと言っているが実際は未登録だった」というトラブルは実務上珍しくないため、登録証明書は必ず受け取り、可能であれば自分でも検索して裏取りをすることをおすすめします。
重要事項説明で見落としがちなチェックポイント
重要事項説明書(35条書面)は情報量が多く、専門用語も多いため、業者の読み上げを聞くだけでは重要な部分を聞き逃しがちです。実務でよく見落とされるポイントを整理します。
見落としが多い項目トップ5
- 私道負担の有無と範囲:自分の敷地の一部が私道として登記されている場合、将来の建て替え時に持分者全員の同意が必要になることがある
- 越境物の有無:隣地の樹木の枝や擁壁の一部が敷地に越境している(または逆に自分の建物が越境している)ケースは、境界確定の際にトラブルの火種になる
- 用途地域・建蔽率・容積率の現況適合性:現在の建物が既に建蔽率・容積率をオーバーしている「既存不適格建築物」であるかどうかは、将来の建て替え時の規模に直結する
- ハザードマップ上の浸水想定区域・土砂災害警戒区域への該当:説明義務化されて日が浅い項目のため、業者によって説明の詳しさに差が出やすい
- 管理費・修繕積立金の滞納の有無(区分所有建物の場合):滞納があると買主が承継するリスクがあるため、管理組合の議事録や長期修繕計画の確認を別途要求する価値がある
自分でできる裏取りチェックリスト
- 登記簿謄本(登記事項証明書)を自分でも取得し、35条書面の記載と照合する
- 固定資産税の課税明細書で面積・評価額を確認する
- 役所の都市計画課で用途地域・建蔽率・容積率・道路種別を窓口確認する(業者の説明と食い違いがないか)
- 法務局や自治体のハザードマップ公開サイトで浸水・土砂災害の想定区域を自分でも検索する
- 区分所有建物なら管理会社に直接、管理費等の滞納状況の開示を依頼する
重要事項説明はあくまで業者側が作成した書面であり、記載内容に誤りがあっても、契約後に発覚すれば「言った言わない」のトラブルになりがちです。上記のような一次情報での裏取りを習慣化しておくと、説明の正確性を見極める目が養われます。
宅建業法でよくある失敗事例と対策
試験対策としてだけでなく、実際の不動産取引でも起こりがちな失敗パターンとその対策をまとめます。
失敗事例1:専属専任媒介で自己発見取引をして違約金を請求された
専属専任媒介契約は自己発見取引も業者を通す義務があり、これを知らずに親族間で直接売買してしまい、業者から違約金相当額を請求されるケースがあります。対策:自己発見取引の可能性が少しでもある場合は、契約前に専任媒介(専属専任ではない)を選ぶか、契約書に自己発見取引時の扱いを明記してもらう。
失敗事例2:クーリング・オフの期間を過ぎてしまった
「8日以内」という期間は書面で告知された日から起算されるため、告知書面を受け取った日付を確認していないと、気づいた時には期限切れになっていることがあります。対策:事務所以外で契約した場合は、告知書面を受け取った当日にカレンダーへ期限日を書き込み、行使する場合は内容証明郵便で書面通知する(口頭だけでは証拠が残らない)。
失敗事例3:「重要事項説明書は後で送ります」と言われ契約を急がされた
本来、重要事項説明は契約成立前に行う義務がありますが、繁忙期などに「先に契約だけ」「説明書は後日」という進め方を持ちかけられることがあります。対策:重要事項説明を受ける前の契約締結には応じない。急がされること自体を業者の質を見極める材料にする。
失敗事例4:賃貸の仲介手数料で1ヶ月分を超えて請求された
居住用建物の賃貸では、依頼者(借主)の承諾がない限り仲介手数料は賃料の0.5ヶ月分が原則で、承諾があって初めて1ヶ月分まで請求できます。承諾の有無を確認せずに1ヶ月分請求してくる業者も存在します。対策:申込時点で「手数料は何ヶ月分か」「承諾書へのサインを求められているか」を明確に確認する。
失敗事例5:媒介契約の更新を忘れて条件が変わっていた
媒介契約の有効期間は3ヶ月以内と定められていますが、更新時に依頼者の意思確認を怠り、当初と異なる条件(専任から専属専任への切り替えなど)で自動更新扱いにされるトラブルが報告されています。対策:契約書の更新条項(自動更新の有無・更新時の意思確認方法)を最初に確認し、更新月にはリマインダーを設定しておく。
宅建士の設置義務・案内所の届出など周辺規定
試験でも実務でも見落とされがちな、宅建業者の「体制」に関する規定を補足します。
専任の宅地建物取引士の設置義務
- 宅建業者は、事務所ごとに業務に従事する者5人に1人以上の割合で専任の宅地建物取引士を置かなければならない
- この人数を欠いた場合、2週間以内に補充する必要がある
- 案内所(モデルルームや現地販売所など)を設置して契約締結や申込みの受付を行う場合も、専任の宅建士を1名以上置く必要がある
案内所等の届出(50条2項)
- 事務所以外の場所(案内所・展示会場等)で契約締結や申込みの受付を行う場合、業務開始の10日前までに免許権者及び所在地を管轄する知事へ届出が必要
- 案内所には標識の掲示義務があり、宅建業者の商号・免許番号・専任宅建士の氏名等を掲示する
従業者名簿・従業者証明書
- 事務所ごとに従業者名簿を備え付け、最終記載日から10年間保存する義務がある
- 取引の関係者から請求があれば閲覧に供する義務がある
- 従業者は従業者証明書を携帯し、取引関係者から請求があれば提示する義務がある
これらの体制面の規定は試験でも「〇〇日以内」「〇人に1人」といった数字が問われやすい上、実務でも「担当者が本当にその事務所の専任宅建士なのか」「案内所は適法に届出されているか」を確認する材料になります。物件購入前に担当者へ従業者証明書の提示を求めることは、決して失礼な行為ではなく、むしろ業者側にとっても法令遵守の証明になる行為です。
宅建業法 追加Q&A ─ 実務でよく出る疑問
Q6. 専任媒介と専属専任媒介、実務上の違いはどれくらい大きい?
A. 最大の違いは自己発見取引の可否と報告頻度です。親族・知人経由での成約可能性が少しでもあるなら専任媒介、業者の販売力に全面的に委ねたいなら専属専任媒介が向いています。報告頻度(2週間に1回か1週間に1回か)は、進捗を細かく把握したい場合の判断材料になります。
Q7. 宅地建物取引士証の有効期限は?
A. 5年です。更新時には法定講習(取引士証交付後の講習)の受講が必要で、これを怠ると期限切れの取引士証のまま重要事項説明を行うことになり、業者側の違反になります。物件購入時に取引士証の有効期限を確認することも、業者の管理体制を見る一つの目安になります。
Q8. 37条書面にも宅建士の記名押印は必要?
A. 必要です。35条書面(重要事項説明書)と37条書面(契約書面)の両方に、宅地建物取引士の記名(押印は電子化により省略可能なケースあり)が必要と定められています。ただし37条書面は35条書面と異なり、口頭での説明義務まではありません。
Q9. 免許換えとはどのような手続き?
A. 都道府県知事免許の業者が事務所を増やして複数の都道府県にまたがることになった場合、または逆に事務所を減らして1つの都道府県内に収まることになった場合に、免許権者(知事⇔国土交通大臣)を切り替える手続きのことです。試験では「免許換えをせずに旧免許のまま営業した場合は無免許営業に該当する」というひっかけがよく出題されます。
Q10. 営業保証金の還付を受けるにはどうすればよい?
A. 業者との取引で生じた債権(手付金の返還請求権など)について、供託所に対して還付請求を行います。還付を受けられるのは宅建業に関する取引から生じた債権に限られ、業者側の従業員に対する給与債権などは対象外です。還付によって供託額に不足が生じた場合、業者は2週間以内に不足額を供託し、その旨を免許権者に届け出る義務があります。
おすすめ通信講座
宅建業法の対策に強い:
- スタディング:AI問題復習で頻出パターン特化
- フォーサイト:合格率業界トップクラス
- LEC:模試の質
- アガルート:講師の解説
→ 詳細比較は宅建取得勧奨で。
よくある質問(FAQ)
Q1. 宅建業法で何点取れば合格圏?
A. 20問中18問以上が目標。
ここで18点取れれば、他分野は合計17〜18点で合格圏。
Q2. 重要事項説明はオンラインでもOK?
A. 2021年からIT重説が可能。
書面交付は電子化対応も進行中。
Q3. 仲介手数料は本当に値引き可能?
A. 法律上は上限であり、値引き可能。
両手仲介物件ほど交渉余地大。
Q4. クーリング・オフはいつでも使える?
A. 業者の事務所外契約+8日以内が原則条件。
事務所内契約や引渡し済みでは不可。
Q5. 業者の処分歴を確認する方法は?
A. 国土交通省「ネガティブ情報等検索サイト」で全国の処分業者を検索可能。
まとめ ─ 「20問満点を狙う得点源」
宅建業法は試験対策上の最重要分野であり、実生活でも「業者と対等に渡り合う武器」として最も効く分野です。
| 押さえるべき視点 | 効果 |
|---|---|
| 免許・営業保証金 | 業者の合法性確認 |
| 媒介契約 | 仲介依頼の有利選択 |
| 重要事項説明 | 物件瑕疵の発見 |
| クーリング・オフ | 契約解除権 |
| 業務制限・広告規制 | 違反業者の察知 |
| 報酬規制 | 手数料の正しい計算 |
| 監督・罰則 | 業者の処分歴 |
20年大家として、宅建業法の知識で累積500万円規模の損失回避を実現。
「業者と知識の互角ライン」に立つために、宅建業法は全ての不動産取引参加者の必修科目です。
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