こんにちは、シンパパ資産設計士です。
本記事は、貯金・資産形成の始め方シリーズ第6回です。前回、お金が貯まる人に共通する仕組みとして「先取り貯蓄」を紹介しました。今回は、この先取り貯蓄を実際にどう始めればいいのか、具体的な方法を解説します。
- 先取り貯蓄とは何か、改めて整理する
- 先取り貯蓄を始める3ステップ
- 個人事業主が先取り貯蓄を実践する上での工夫
- 先取り貯蓄がうまくいかないときの対処法
- 先取り貯蓄を、子ども関連の支出にも応用する
- 先取り貯蓄が習慣になるまでの期間の目安
- 先取り貯蓄を実践する上での、最初の心理的ハードル
- 先取り貯蓄の仕組みを、視覚的に管理する
- 先取り貯蓄は「収入が増えたとき」ほど効果を発揮する
- 先取り貯蓄という習慣が持つ、長期的な価値
- 先取り貯蓄を通して見えてくる、自分らしいお金との付き合い方
- 先取り貯蓄が、次の仕組みへの土台になる
- 今日から始める、小さな一歩
- 第6回の締めくくりに
- 先取り貯蓄という言葉に込めた願い
- 先取り貯蓄を、シリーズ全体の中で位置づける
- 先取り貯蓄と確定申告の関係
- 先取り貯蓄の対象を給与以外にも広げる
- 先取り貯蓄を始めた月に起きがちな心理的な反発
- 先取り貯蓄の効果を、数か月単位で振り返る
- 先取り貯蓄と新NISAの積立設定を連動させる
- 先取り貯蓄と「見えないお金」という感覚
- 先取り率を段階的に引き上げる方法
- 先取り貯蓄を継続するための「見える化」
- 先取り貯蓄がもたらす、もう一つの効果
- 先取り額の見直しは「増やす方向」だけではない
- 先取り貯蓄と、家族の理解
- 最初の1か月がすべて
- まとめ
- よくある質問(FAQ)
- 関連記事
先取り貯蓄とは何か、改めて整理する
先取り貯蓄とは、収入が入ったタイミングで、生活費を使う前にあらかじめ決めた金額を貯金・投資に回してしまう方法です。「余ったら貯金する」という後回しの発想を、「先に貯金してから、残りで生活する」という順番に入れ替えるだけの、シンプルな仕組みです。前回、貯まる人に共通する3つの仕組みの一つとして先取り貯蓄を紹介しましたが、今回はこの仕組みだけを掘り下げて、具体的な実践方法を解説していきます。
先取り貯蓄を始める3ステップ
ステップ1:先取りする金額を決める
シリーズ第2回で紹介した貯金の目標額と、第4回で紹介した貯金と投資の割合をもとに、毎月先取りする金額を決めます。無理のない金額から始めることが大切です。
ステップ2:自動的に振り分ける仕組みを作る
給与振込口座から、貯金用口座へ自動的に振り替える設定(自動送金サービス等)を利用します。個人事業主の場合は、入金があった際に手動で振り分ける習慣を、あらかじめ決めたタイミング(月初等)で行うようにします。
ステップ3:残った金額で生活する
先取りした後の金額を、生活費として使います。この残った金額の範囲内でやりくりするという意識に切り替えることが、先取り貯蓄を機能させる鍵になります。
個人事業主が先取り貯蓄を実践する上での工夫
会社員と違い、個人事業主は収入のタイミングが不規則です。僕自身は、入金があるたびに先取りするのではなく、月に1回、決まった日(月末等)に、その月の入金合計から、あらかじめ決めた割合を貯金・投資用口座へまとめて振り分けるという方法を取っています。
この「月1回・まとめて振り分け」という方法であれば、収入のタイミングが不規則でも、無理なく先取り貯蓄を続けられます。
先取り貯蓄がうまくいかないときの対処法
| うまくいかない原因 | 対処法 |
|---|---|
| 先取り額が高すぎる | いったん金額を下げて、無理のない水準からやり直す |
| 振り分けを忘れてしまう | 自動送金の設定に切り替える |
| 貯金用口座からついお金を引き出してしまう | 普段使わない金融機関で口座を作り、心理的な距離を作る |
先取り貯蓄がうまくいかない場合、意志力の問題だと自分を責める必要はありません。仕組みのどこかに無理があるだけなので、原因を特定して調整すれば、必ず改善できます。
先取り貯蓄を、子ども関連の支出にも応用する
4人の子どもがいる家庭では、教育費や特別費の積立にも、この先取りの発想を応用できます。給与や事業収入が入ったタイミングで、教育費専用口座への振り分けも同時に行っておくことで、後から慌てて教育費を捻出する必要がなくなります。教育費の具体的な準備方法は、ライフプランの作り方シリーズ第4回でも詳しく解説しています。
先取り貯蓄が習慣になるまでの期間の目安
先取り貯蓄が、意識しなくても自然に続けられる習慣になるまでには、一般的に2〜3か月程度かかると言われています。最初の数か月は多少の意識的な努力が必要かもしれませんが、それを乗り越えれば、その後は歯磨きのように当たり前の習慣として定着していきます。この期間を乗り切ることを、最初の目標にしてみてください。
先取り貯蓄を実践する上での、最初の心理的ハードル
先取り貯蓄を始めようとする際、多くの方が「今の生活でも精一杯なのに、先取りする余裕なんてない」と感じます。しかしこの感覚は、実際に少額から試してみると、意外なほどあっさり乗り越えられることが多いです。月1,000円、2,000円といった、生活にほとんど影響しない金額からで構いません。まずはその小さな一歩を、実際に踏み出してみることが何より重要です。
先取り貯蓄の仕組みを、視覚的に管理する
先取り貯蓄用の口座残高を、マネーフォワードME等のアプリでグラフ化しておくと、右肩上がりに積み上がっていく様子を視覚的に確認できます。この視覚的な実感は、数字だけを見るよりもモチベーションの維持に効果的です。月に一度、このグラフを眺める時間を作ることをおすすめします。
先取り貯蓄は「収入が増えたとき」ほど効果を発揮する
収入が増えたタイミングで、その増加分をそのまま生活費の拡大に使ってしまう「生活水準の肥大化」は、資産形成における大きな落とし穴です。先取り貯蓄の仕組みがあらかじめできていれば、収入が増えた際にも、増加分の一定割合を自動的に貯蓄・投資へ回すことができ、生活水準の肥大化を防げます。昇給や事業拡大のタイミングこそ、先取り貯蓄の真価が発揮される場面です。
先取り貯蓄という習慣が持つ、長期的な価値
先取り貯蓄は、一度身についてしまえば、何十年にもわたって資産形成を支え続けてくれる習慣です。今日の小さな一歩が、将来の大きな安心につながっていくということを、ぜひ心に留めておいてください。継続は力なりという言葉は、まさにこの先取り貯蓄にこそ当てはまる言葉だと感じています。
先取り貯蓄を通して見えてくる、自分らしいお金との付き合い方
先取り貯蓄を実践する中で、自分にとって心地よい金額や頻度が、少しずつ見えてきます。他人の真似ではなく、自分自身の生活リズムに合った形を見つけていくプロセスそのものが、お金との健全な付き合い方を築いていく上で、大切な経験になります。この経験は、次回紹介する目的別口座の設計にも活かされていきます。
先取り貯蓄が、次の仕組みへの土台になる
先取り貯蓄という仕組みが定着すると、次回紹介する目的別口座の作り方にも、スムーズに取り組めるようになります。先取りしたお金の「置き場所」を整えることが、次のステップです。
今日から始める、小さな一歩
先取り貯蓄は、今日からでも始められる、最もシンプルな資産形成の第一歩です。まずは少額からでも構いませんので、実際に設定してみてください。
第6回の締めくくりに
先取り貯蓄の具体的な実践方法を紹介してきました。次回は、先取りしたお金をどこに置き、どう管理するか、「目的別口座の作り方」を詳しく解説していきます。
先取り貯蓄という言葉に込めた願い
「先取り」という言葉には、未来の自分のために、今の自分が一手間かけるという意味を込めています。目の前の欲求よりも、将来の安心を少しだけ優先する。この小さな習慣の積み重ねが、何十年か先の自分と家族の生活を、大きく支えることになります。
先取り貯蓄を、シリーズ全体の中で位置づける
先取り貯蓄は、貯金・資産形成の始め方シリーズ全体を通して紹介してきた「仕組み化」という考え方の、最も具体的な実践例です。目的別に必要額を算出し(第2回)、守りと攻めを分け(第3回)、割合を決めた(第4回)その先に、実際に行動へ移す最初の一歩が、この先取り貯蓄なのです。
先取り貯蓄と確定申告の関係
個人事業主の場合、先取り貯蓄をする前に、事業の税金・社会保険料の支払い分を差し引いた「本当の手取り」を基準にする必要があります。税金分を考慮せずに先取りしてしまうと、確定申告のタイミングで資金が不足するという事態になりかねません。この点は、家計管理シリーズでも紹介した事業用と生活用の分離と、密接に関わっています。
先取り貯蓄の対象を給与以外にも広げる
先取り貯蓄は、毎月の給与や事業収入だけでなく、ボーナス、還付金、副収入といった、あらゆる収入に対して適用できます。特に臨時収入は、普段の生活費として計上されていない分、先取りへの心理的な抵抗が少なく、先取り貯蓄の習慣を強化する良いきっかけになります。
先取り貯蓄を始めた月に起きがちな心理的な反発
先取り貯蓄を始めた直後は、「使えるお金が減った」という感覚に、強い抵抗を感じることがあります。この反発は自然な反応であり、数か月続けるうちに、その金額を除いた生活水準が「普通」になっていきます。最初の抵抗感に負けて元に戻してしまわないよう、あらかじめ「最初は窮屈に感じるもの」と心構えをしておくことをおすすめします。
先取り貯蓄の効果を、数か月単位で振り返る
先取り貯蓄を始めたら、1か月だけで効果を判断せず、3か月、6か月という単位で振り返ることをおすすめします。短期間では見えにくい変化も、数か月分をまとめて見返すと、着実に資産が積み上がっていることを実感できるはずです。この実感こそが、次の半年を続けるための一番の原動力になります。
先取り貯蓄と新NISAの積立設定を連動させる
先取り貯蓄の一部を、新NISAの積立投資に直接回すという方法も有効です。証券口座への自動振替を設定しておけば、貯蓄用口座を経由せず、収入から直接投資に回る流れが完成します。この場合、貯金用と投資用、それぞれの先取り額を明確に分けて設定しておくことで、混同を防げます。
先取り貯蓄と「見えないお金」という感覚
先取り貯蓄がうまく機能している人は、先取りした後のお金を「最初からなかったもの」として扱う感覚を持っています。この感覚が身につくと、生活費の中で自然とやりくりする習慣が育ち、先取りした分を惜しく感じることが少なくなっていきます。給与明細を見て「本当はこれだけあるのに」と意識しすぎないことが、この感覚を育てるコツです。
先取り率を段階的に引き上げる方法
いきなり高い先取り率を設定すると、生活が窮屈になり挫折しやすくなります。最初は月収の5%程度から始め、3か月ごとに1〜2%ずつ引き上げていく、という段階的なアプローチをおすすめします。この方法であれば、生活水準の急激な変化を避けながら、着実に先取り率を高めていくことができます。
先取り貯蓄を継続するための「見える化」
先取り貯蓄によって積み上がっていく残高を、定期的に確認することも、継続のモチベーションを保つ上で重要です。マネーフォワードME活用シリーズで紹介した資産推移のグラフを使えば、先取りによって着実に資産が積み上がっている様子を、視覚的に実感できます。数字が伸びていく実感こそが、次の月も続けようという気持ちを後押ししてくれます。
先取り貯蓄がもたらす、もう一つの効果
先取り貯蓄を続けていると、残りの金額で生活を工夫するという習慣が自然と身につき、家計管理シリーズで紹介した固定費・変動費の見直し意識も高まっていきます。先取り貯蓄は、単にお金を貯める仕組みであると同時に、家計全体への意識を高める副次的な効果も持っています。
先取り額の見直しは「増やす方向」だけではない
先取り額は、収入が増えたときに引き上げるだけでなく、教育費の負担が重なる時期や、事業の一時的な不調時には、遠慮なく引き下げてよいものです。先取り貯蓄は「一度決めたら固定」という硬直的なルールではなく、状況に応じて柔軟に調整する前提の仕組みだと理解しておいてください。
先取り貯蓄と、家族の理解
配偶者やパートナーがいる家庭では、先取り貯蓄の方針について、事前に話し合っておくことが重要です。片方だけが先取りの重要性を理解していても、もう片方が知らずに使ってしまっては、仕組みが機能しません。子どもがある程度の年齢になったら、家庭のお金の流れについて、簡単にでも共有しておくことも、将来の金融教育につながります。
最初の1か月がすべて
先取り貯蓄は、最初の1か月をどう乗り切るかが、その後の継続を大きく左右します。初月は、普段より生活費が少なく感じられ、窮屈に感じるかもしれません。しかし、2か月目以降は、その金額を除いた生活水準に自然と慣れていくケースがほとんどです。最初の窮屈さに負けず、まずは1か月続けてみることを目標にしてください。
まとめ
- 先取り貯蓄は「先に貯金してから、残りで生活する」という順番の入れ替えが本質
- 金額を決める→自動的に振り分ける→残りで生活する、という3ステップで始める
- 個人事業主は「月1回・まとめて振り分け」という方法が実践しやすい
- うまくいかない場合は意志力の問題ではなく、仕組みのどこかに無理があると考える
次回は、先取りしたお金をどう管理するか、「目的別口座の作り方」を具体的に解説します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 先取りする金額は、どれくらいから始めればいいですか?
月収の5〜10%程度など、無理なく続けられる金額から始めることをおすすめします。慣れてきたら少しずつ増やしていけば十分です。
Q2. 自動送金の設定は、どの金融機関でもできますか?
多くの銀行で対応していますが、サービス内容は金融機関によって異なります。お使いの銀行のウェブサイトやアプリで確認してみてください。
Q3. 先取り貯蓄用の口座は、どこに作るべきですか?
普段使っているメインバンクとは別の金融機関に作ることで、心理的な距離が生まれ、引き出しにくくなるという効果があります。
Q4. ボーナスや臨時収入も、先取りの対象にすべきですか?
はい、対象にすることをおすすめします。臨時収入こそ、使い切ってしまう前に、あらかじめ決めた割合を先取りしておくと、資産形成のペースを加速させられます。
関連記事
シンパパ資産設計士
4児を育てるシングルファーザー/個人事業主20年/投資家20年/兼業大家20年
📝 noteでも毎日発信中
投資20年の失敗談・シングルファーザーのリアルな日常・お金の本音——ブログでは書きにくいことをnoteに書いています。


