こんにちは、シンパパ資産設計士です。
マネーフォワードME活用シリーズも、ついにいよいよ第7回です。前回までは、家計簿としての活用方法を中心に、丁寧に解説してきました。今回からは視点を変えて、マネーフォワード MEのもう一つの大きな価値である「資産総額を確認する方法」について、丁寧に解説していきます。
家計簿と資産管理は別物と理解する
家計簿と資産管理は、どちらも家計に関わる情報ですが、実は見ている指標が根本的に異なります。
「使った額」と「増えた額」は違う指標
家計簿が教えてくれるのは、主に「今月いくら使ったか」という支出の情報です。一方、資産管理が教えてくれるのは、「今、自分の資産全体がいくらあるか」「それが増えているか、減っているか」という、まったく別の指標です。支出をどれだけ細かく管理していても、資産全体が増えているかどうかは、また別に確認しなければ分かりません。家計簿だけを見て満足せず、資産全体の増減も定期的に確認するという習慣が、資産形成の第一歩になります。
マネーフォワード MEで資産総額を確認する方法
ここからは、実際に資産総額を確認するための具体的な方法を、順を追って紹介します。
資産推移画面の見方
マネーフォワード MEには、連携したすべての資産を合算し、総資産額として表示する画面があります。この便利な画面をさっと開くだけで、預金・証券・投資信託・株式など、バラバラに存在していた資産の合計値を、すぐに一目で確認できます。
預金・証券・投資信託・株式・その他資産の分類
資産は、大きく分けて預金、証券口座の評価額、投資信託、個別株式、その他資産(暗号資産、ポイント等)といった各カテゴリーで管理されます。それぞれのカテゴリーがどのくらいの割合を占めているかをきちんと確認することで、自分の資産構成のバランスを正しく把握できます。
手動資産登録機能で不動産・現物資産も反映する
マネーフォワード MEには、金融機関との自動連携だけでなく、不動産や自動車、貴金属といった現物資産をあらためて手動で登録する機能もあります。兼業大家として不動産を保有している場合、この機能を使って物件の評価額を反映させることで、より完全な形での総資産額を、正確に把握できるようになります。
資産総額を確認する頻度
資産総額の確認は、家計簿の確認とは異なる頻度感で、落ち着いて行うことをおすすめします。
月1回程度で十分な理由
資産総額は、日々の値動きによって細かく変動しますが、これは正常な範囲内の動きです。毎日確認していると、こうした細かい値動きに気を取られてしまい、精神的な負担が大きくなってしまいます。資産形成は長期的な視点でじっくり取り組むものであるため、月1回程度、落ち着いたタイミングで確認する頻度で十分です。
値動きに一喜一憂しないための心構え
株式や投資信託を保有していると、短期的には資産総額が減少する局面も当然あります。この時に何よりも大切なのは、短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的なトレンドで資産が増えているかどうかを見ることです。月次のグラフだけでなく、年単位・数年単位での資産推移を確認することで、短期的な変動に振り回されにくくなります。
複数の立場を持つ場合の資産管理の工夫
個人事業主・投資家・兼業大家という複数の立場を持つ場合、資産管理にも、それなりにいくつかの工夫が必要になります。
事業資産と個人資産を区分して管理する
事業用の資産と、個人としての生活・投資用の資産は、あくまで明確に区分して管理することをおすすめします。マネーフォワード MEのグループ分け機能を活用し、事業用・個人用それぞれの資産総額を分けて確認できるようにしておくと、確定申告の際の資産状況の把握もスムーズになります。
不動産資産は「評価額の変動」も定期的に見直す
手動登録した不動産の評価額は、そのまま放置しているとどんどん実態と乖離していきます。年に一度程度、周辺相場や固定資産税評価額を参考にしながら、登録している評価額を見直しておくことをおすすめします。この見直しを怠ると、総資産額の数字が実態から大きく静かにズレたまま放置されてしまいます。
資産推移グラフから読み取れること
資産推移を折れ線グラフで表示する機能を使うと、単なる現在の残高だけでなく、時間の経過とともに資産がどう変化してきたかが見えてきます。
右肩上がりのトレンドを確認する
短期的な上下動があっても、数年単位で見たときに右肩上がりのトレンドが描けているかどうかが、資産形成が順調に進んでいるかの重要な目安になります。グラフを俯瞰的に眺めることで、日々の細かい変動に惑わされず、大きな流れを把握できます。
積立投資の効果を視覚的に実感できる
つみたてNISAやiDeCoのようなコツコツ型の積立投資は、単月で見ると地味な変化にしか見えませんが、数年分のグラフとして眺めると、複利の効果によって右肩上がりのカーブが徐々に急になっていく様子を実感できます。この視覚的な実感は、長期投資を継続していく上でのモチベーションにも、大きくつながります。
大きな下落があった時期を振り返る
過去の資産推移グラフを見返すと、市場全体が大きく下落した時期も記録として残っています。こうした過去の下落局面を振り返り、「あの時も一時的に資産が減ったが、その後回復した」という経験を確認することで、次に下落局面が来た時にも、過度に動揺せず落ち着いて対応できるようになります。過去の記録が手元に残っていること自体が、将来同じような局面に直面した際の、何よりの安心材料になります。
資産総額の確認を、ライフプランと結びつける
資産総額の推移は、単体で見るだけでなく、ライフプランの作り方シリーズで紹介した将来試算と結びつけることで、より大きな意味を持ちます。
ライフプラン表の想定と実績を照らし合わせる
ライフプラン表で試算した「何歳の時点で資産がいくらになっているか」という想定値と、マネーフォワード MEで確認できる実際の資産総額を、年に一度程度、じっくり照らし合わせることをおすすめします。想定より進捗が良ければ安心材料になりますし、想定より遅れていれば、早めに対策を検討するきっかけになります。
老後資金の進捗確認としても活用する
老後資金はいくら必要かというシリーズで紹介した必要総額に対して、現在の資産総額がどの程度の位置にいるのかを、きちんと確認することも、資産管理の重要な役割の一つです。マネーフォワード MEの資産総額を定点観測することで、老後資金の準備がどれだけ進んでいるかを、具体的な数字ではっきりと把握できるようになります。
資産構成のバランスを定期的に見直す
資産総額そのものだけでなく、その中身の構成バランスにも、しっかり目を向けることが大切です。
現金比率が高すぎないかを確認する
資産総額のうち、現金・預金の比率が高すぎる状態がずっと続いていると、インフレによって実質的な資産価値が静かに目減りしていく可能性があります。ライフプランの作り方シリーズで解説した通り、生活防衛資金を確保した上での余剰資金は、インフレに強い資産にも一部配分しておくことをおすすめします。
一つの資産クラスに偏りすぎていないかを確認する
株式だけ、不動産だけといった形で、特定の資産クラスに極端に偏っていると、その資産クラスがたまたま不調な局面を迎えた時に、資産総額全体が大きく落ち込むリスクがあります。マネーフォワード MEの資産構成グラフを見ながら、年に一度程度、バランスに偏りがないかを確認する習慣をつけておくとよいでしょう。
子育て世帯だからこそ意識したい、資産管理の観点
4人の子どもを育てる家庭では、資産管理においても、子育て特有の観点を意識しておくと、より実用的な確認になります。
教育資金専用の資産は、区別して見える化する
教育費はいくら必要かというシリーズで紹介した通り、教育資金は子どもの人数が多ければ多いほど、長期にわたって発生し続けます。ジュニアNISAや学資保険、教育資金専用の口座などを活用している場合、これらをマネーフォワード ME上でも区別して管理しておくと、「本当に自由に使える資産」と「教育資金として確保しておくべき資産」を混同してしまうリスクを減らせます。この区別が曖昧なままだと、資産総額が増えているように見えても、実際には教育資金の取り崩しが進んでいるだけというケースにも気づきにくくなってしまいます。
複数の子どもの資産を、それぞれ区別しておく
子ども名義の口座や、子ども別に積み立てている資産がある場合、それぞれを区別して管理しておくことで、「今、誰のためにいくら準備できているか」が明確になります。子どもの人数が多い家庭ほど、この区別を曖昧にしたままにしておくと、いざという時に混乱してしまう可能性があります。誰にいくら準備できているかが一目で分かる状態にしておくことで、進学のタイミングごとの資金繰りにも、落ち着いて対応できるようになります。
資産総額の確認を、モチベーション維持につなげる
資産形成は、多くの場合、長い年月をかけて取り組む地道な活動です。この長期戦を続けていく上で、資産総額の定期的な確認が果たす役割は小さくありません。
小さな進捗も、積み重ねれば大きな変化になる
毎月の変化だけを見ていると、資産の増加ペースはごくわずかに感じられることがあります。しかし、1年、3年、5年という単位で振り返ってみると、その小さな積み重ねが、確実に大きな変化を生み出していることに気づかされます。マネーフォワード MEで長期の推移グラフを確認することは、こうした「積み重ねの実感」を得るための、シンプルながら効果的な方法です。
途中で挫折しそうになった時こそ、数字を見返す
長期にわたる資産形成の途中では、思うように資産が増えず、続けることに疲れを感じる時期が誰にでも訪れます。そうした時こそ、過去の資産推移グラフを見返し、これまで積み上げてきた実績を客観的に確認することが、モチベーションを取り戻すきっかけになります。感情的に落ち込んでいる時ほど、数字という客観的な事実に立ち返ることの価値は大きいと感じています。
数字による裏付けが、将来への安心感を支える
漠然とした「なんとなく貯まっているはず」という感覚ではなく、具体的な数字として資産総額を把握できていることは、将来への漠然とした不安を、根拠のある安心感へと変えてくれます。ライフプランの作り方シリーズで紹介した「数字にすることで不安は具体的な対策に変わる」という考え方は、この資産総額の確認においても、同じように当てはまります。何となくの感覚に頼るのではなく、常に具体的な数字と向き合う習慣を持つことが、長期的な資産形成を支える土台になっていると感じています。
資産管理を「見せる」相手についても考えておく
資産総額という情報は、非常にプライベートな情報でもあります。誰に、どこまで共有するかについても、あらかじめ考えておく価値があります。
配偶者・パートナーとは、基本的に共有する
家計を共にするパートナーとは、資産総額についても基本的には共有しておくことをおすすめします。片方だけが資産状況を把握していない状態では、将来の大きな意思決定(住宅購入、教育方針等)において、認識のズレが生じやすくなります。
子どもへの開示は、年齢に応じて判断する
子どもに対して、資産総額をどこまで具体的に開示するかは、年齢や家庭の方針によって判断が分かれるところです。金額そのものを見せなくても、「資産は日々の努力で増やせるものだ」という考え方自体は、伝える価値のあるメッセージだと感じています。特に、投資による資産形成という考え方は、大人になってからでは身につけにくい部分もあるため、金額の大小に関わらず、その仕組みや考え方だけでも早いうちから触れさせておくことに意味があると考えています。
まとめ|家計簿とは別に、資産全体の増減を確認する
今回のポイントを、この記事の最後にもう一度だけ改めて整理します。
- 家計簿は「使った額」、資産管理は「増えた額」という別の指標を見るもの
- マネーフォワード MEの資産推移画面で、預金・証券・投資信託等を合算した総資産額を確認する
- 不動産等の現物資産は手動登録機能で反映し、評価額は定期的に見直す
- 資産確認は月1回程度で十分、短期的な値動きに一喜一憂しない
資産総額の確認と、どう向き合ってきたか
投資を始めた当初は、日々の値動きが気になって、何度もアプリを開いてしまう時期がありました。株価が少し下がっただけで一喜一憂し、逆に少し上がっただけで気を良くするという、感情に振り回される日々を過ごしていた時期があったことを、今でもよく覚えています。しかし、20年近く投資を続けてきた経験から言えるのは、短期的な値動きを追いかけても、資産形成の本質的な部分にはほとんど影響しないということです。むしろ、日々の値動きに気を取られることで、精神的な消耗の方が大きくなってしまいます。
個人事業主・投資家・兼業大家という複数の立場を持つようになってからは、預金・証券・不動産と、資産の種類も増えていきました。それぞれをバラバラに把握していては全体像が見えにくくなるため、マネーフォワード MEで一元的に総資産額を確認できるようになったことは、資産形成を続ける上で非常に大きな助けになっています。事業・投資・不動産という複数の柱それぞれの状況を個別に追いかけるのではなく、一つの画面で全体像を俯瞰できることの安心感は、想像していた以上に大きなものでした。
4人の子どもを育てながら、限られた時間の中で資産形成にも向き合っていく上で、こうした効率的な確認の仕組みは欠かせないものになっています。細かく管理しようとするほど時間も精神的な負担も増えていくため、「月1回、落ち着いて全体を眺める」というシンプルなスタイルに落ち着いたことは、長く続けていく上で正解だったと感じています。次回は、資産推移をどう見るか、より具体的な方法を解説していきます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 暗号資産やポイントも、資産として管理すべきですか?
金額が大きい場合や、資産形成の一部として位置づけている場合は、管理しておく価値があります。少額であれば、無理に細かく管理する必要はありません。
Q2. 不動産の評価額は、どうやって設定すればいいですか?
固定資産税評価額や、近隣の取引事例、不動産会社の簡易査定などを参考に設定することをおすすめします。厳密な鑑定評価までは不要で、目安として使える精度で十分です。
Q3. 資産総額が減っていた場合、すぐに投資対象を見直すべきですか?
短期的な下落であれば、慌てて見直す必要はありません。長期的なトレンドで判断し、数年単位で見ても増えていない場合に、投資対象の見直しを検討するとよいでしょう。
Q4. 事業資産と個人資産、どこまで厳密に分ける必要がありますか?
確定申告に関わる部分は厳密に分ける必要がありますが、資産管理としての把握は、大まかなグループ分けでも十分機能します。まずは大枠を分けることから始めましょう。
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シンパパ資産設計士
4児を育てるシングルファーザー/個人事業主20年/投資家20年/兼業大家20年
📝 noteでも毎日発信中
投資20年の失敗談・シングルファーザーのリアルな日常・お金の本音——ブログでは書きにくいことをnoteに書いています。


