こんにちは、シンパパ資産設計士です。
新NISAの始め方シリーズ第9回です。前回は長期投資の考え方について解説しました。今回は、投資を始めた誰もが一度は直面する「暴落」について、初心者の方に向けて、事前に知っておいてほしい心構えを整理します。僕自身が実際の暴落局面でどう感じ、どう行動したかという記録は、記事末尾で紹介するnote等の体験談もあわせて参考にしてください。
- このテーマをシリーズの中で扱う理由
- 「暴落」と「調整」の違いを知っておく
- 暴落は「起きるかどうか」ではなく「いつ起きるか」の問題
- 過去、実際にどんな暴落があったのか
- 暴落時にやってはいけないこと
- 暴落を経験した投資家の心理の変化
- 暴落時にやっておくべきこと
- 暴落局面での「情報との距離感」を考える
- 暴落局面こそ、事前に決めたルールが効いてくる
- 次回、いよいよシリーズの集大成へ
- 子どもにも伝えている、暴落との向き合い方
- 過去の暴落局面から学べること
- 暴落時こそ見直したい、生活防衛資金の役割
- 暴落は「安く買えるセール期間」という捉え方
- 暴落に備えて事前に決めておきたい「マイルール」
- 第9回のまとめとして
- 不安は準備によって小さくできる
- 暴落と向き合う心構えのおさらい
- 暴落を経験して初めて、投資家として一段階成長する
- まとめ
- よくある質問(FAQ)
- 関連記事
このテーマをシリーズの中で扱う理由
ここまで8回にわたって、新NISAの仕組みから始め方、積立額の決め方、長期投資の考え方までを解説してきました。しかし、いくら知識として理解していても、実際に自分の資産が目減りする局面を経験すると、頭で分かっていたはずのことが実践できなくなる、というのはよくあることです。
だからこそ、暴落局面への向き合い方だけを独立した回として取り上げ、事前にしっかりと心構えを作っておくことが重要だと考えました。
「暴落」と「調整」の違いを知っておく
市場の下落には、一般的に数%程度の一時的な値下がりを指す「調整」と、20%以上の大きな値下がりを指す「暴落」があります。調整局面は、実は年に何度も起きているごく日常的な値動きであり、特に慌てる必要はありません。
本当に注意が必要なのは、数十%規模の大きな暴落局面です。ただし、規模の大きさに関わらず、対応の基本方針(慌てて売却しない、積立を継続する)は共通しています。日々のニュースで「株価下落」と報じられるたびに反応するのではなく、その下落がどの程度の規模なのかを冷静に見極める視点を持つことも大切です。
暴落は「起きるかどうか」ではなく「いつ起きるか」の問題
株式市場は、数年に一度のペースで、資産価値が大きく下落する局面を迎えます。これは特別な異常事態ではなく、長期投資を続ける上で必ず何度か経験することになる、想定内の出来事です。20年投資を続けてきた中で、僕自身も大小さまざまな下落局面を何度も経験してきました。
「暴落が来るかもしれない」ではなく「暴落は必ず来る。いつ来ても慌てないための準備をしておく」という前提に立つことが、新NISAで長期投資を続ける上での最初の心構えです。
過去、実際にどんな暴落があったのか
過去数十年を振り返ると、世界的な金融危機、感染症の世界的流行、地政学的な緊張の高まりなど、さまざまなきっかけで株式市場が大きく下落する局面が、数年〜十数年に一度のペースで訪れてきました。下落幅は局面によって異なりますが、いずれも一時的には資産価値が大きく目減りする、厳しい期間だったことは共通しています。
しかし、いずれの局面でも、時間をかけて市場は回復し、その後さらに成長を続けてきたというのが、これまでの歴史です。個別の暴落の詳細を覚える必要はありませんが、「これまでも何度もあり、そのたびに回復してきた」という大きな事実だけは、知っておいていただきたいと思います。
暴落時にやってはいけないこと
①慌てて売却する
暴落局面での売却は、値下がりした価格で損失を確定させる行為です。長期的に回復する可能性がある資産を、一番安いタイミングで手放してしまうことになりかねません。
②積立を完全に止めてしまう
値下がりしている局面での積立は、実は「安く買えるチャンス」でもあります。積立を止めてしまうと、この安く買える機会を逃すことになります。
③ニュースやSNSの不安を煽る情報を見続ける
暴落時ほど、不安を煽るニュースやSNSの投稿が増えます。こうした情報に触れ続けると、冷静な判断がしにくくなります。
暴落を経験した投資家の心理の変化
心理学の分野では、人は利益から得る満足感よりも、同じ金額の損失から受ける苦痛のほうを、より強く感じる傾向があるとされています。これは投資の世界でも同じで、資産が10%増えた時の喜びより、10%減った時の不安のほうが、はるかに大きく感じられるのが人間の自然な反応です。
この心理的な偏りをあらかじめ知っておくだけでも、「今、自分は必要以上に不安を感じているだけかもしれない」と、一歩引いて自分の感情を客観視できるようになります。感情そのものをなくすことはできませんが、その感情に流されて行動しないようにする、という距離の取り方は、練習次第で身につけられます。
暴落時にやっておくべきこと
- 生活防衛資金があることを再確認し、当面の生活に支障がないことを確かめる
- 積立設定はそのまま継続する(止めない)
- 資産全体の推移を、短期ではなく長期のグラフで見返す
- 今回のような下落局面が、過去にも何度かあり、その後回復してきたという事実を確認する
マネーフォワードME活用シリーズでも紹介した通り、資産推移を長期のグラフで確認する習慣があると、目先の下落を過度に恐れずに済みます。
暴落局面での「情報との距離感」を考える
暴落局面では、専門家やインフルエンサーによる相場解説が一気に増えます。中には的確な分析もありますが、中には不安を煽って注目を集めようとする発信も少なくありません。すべての情報を鵜呑みにせず、「この情報は、自分の長期的な投資方針を変えるだけの根拠になるか」を、一呼吸置いて考える習慣を持つことをおすすめします。
情報を完全に遮断する必要はありませんが、暴落時ほど、情報との適切な距離感を保つことが、冷静な判断を維持する助けになります。
暴落局面こそ、事前に決めたルールが効いてくる
シリーズ第2回で「何のために投資するのか」を言語化しておくことをおすすめしましたが、これは暴落局面でこそ真価を発揮します。目的が明確であれば、「このお金は10年以上使う予定がないから、今は動かさなくていい」というように、冷静な判断がしやすくなります。
逆に、目的があいまいなまま投資を始めていると、暴落時に「なぜこの投資をしているんだっけ」と迷いが生じ、不本意な売却につながりやすくなります。
次回、いよいよシリーズの集大成へ
暴落への向き合い方まで理解できたら、新NISAを実践する上での知識はほぼ揃いました。次回の最終回では、ここまでの9回を総括し、新NISAを実際のライフプランにどう組み込んでいくかをまとめます。
子どもにも伝えている、暴落との向き合い方
4人の子どもを育てる中で、投資の値動きについて聞かれることもあります。そういうときは、「値段は毎日上がったり下がったりするけど、長い目で見れば育っていくものだから、慌てなくて大丈夫」というように、できるだけシンプルな言葉で伝えるようにしています。この考え方は、大人が投資と向き合う上でも、実はそのまま当てはまる本質だと感じています。
過去の暴落局面から学べること
過去数十年を振り返ると、株式市場は世界的な金融危機や感染症の流行など、さまざまな要因で大きく下落する局面を何度も経験してきました。そのたびに「もう回復しないのではないか」という悲観的な見方が広がりましたが、長期的に見れば、いずれも時間をかけて回復し、その後さらに成長を続けてきたというのが実際の歴史です。
もちろん、過去がそうだったからといって、将来も必ず同じように回復するとは限りません。しかし、こうした歴史的な事実を知っておくことは、暴落局面で冷静さを保つための一つの拠り所になります。不安なときこそ、感情ではなく、こうした事実に立ち返ることを意識してみてください。
暴落時こそ見直したい、生活防衛資金の役割
シリーズ第2回で紹介した生活防衛資金は、まさにこうした暴落局面でその真価を発揮します。生活防衛資金がしっかり確保できていれば、投資資産が一時的に値下がりしていても、「生活には困らない」という安心感を持って、資産の回復を待つことができます。
逆に、生活防衛資金が不足していると、暴落局面で急にお金が必要になった際、値下がりしている資産を不本意なタイミングで売却せざるを得なくなります。暴落への備えは、暴落が起きてから慌てて考えるものではなく、投資を始める前の準備段階(シリーズ第2回)で、すでに整えておくべきものだということを、改めて強調しておきたいと思います。
暴落は「安く買えるセール期間」という捉え方
視点を変えると、暴落局面は、同じ金額でより多くの口数を購入できる、いわば「投資信託のセール期間」だという捉え方もできます。積立投資を続けている場合、暴落時にも同じ金額で買い付けを続けることで、平均購入単価を下げる効果が期待できます。
もちろん、暴落の最中にこのような前向きな見方をするのは簡単ではありません。しかし、こうした考え方をあらかじめ知っておくだけでも、暴落局面での心理的な負担は大きく変わってきます。積立を止めずに淡々と続けることが、結果的には長期的なリターンにプラスに働く可能性が高いということを、頭の片隅に置いておいてください。
暴落に備えて事前に決めておきたい「マイルール」
暴落が実際に起きてから冷静に判断しようとしても、感情が先立ってしまうことがほとんどです。だからこそ、暴落が起きる前の、平常時のうちに、次のような「マイルール」を決めておくことをおすすめします。
- 生活防衛資金を取り崩す基準(何か月分を切ったら見直すか)
- 積立を継続する上限期間・下限金額(どんな状況でも最低限続ける金額)
- ニュースやSNSをチェックする頻度(暴落時ほど距離を置く)
こうしたルールを事前に紙に書き出しておくだけでも、いざというときの判断のブレを大きく減らすことができます。
第9回のまとめとして
暴落への心構えができれば、新NISAを長く続けていく上での大きな不安要素は、ほぼクリアできたと言えます。次回はいよいよ最終回、ここまでの内容を総括し、ライフプランへの組み込み方をまとめます。
不安は準備によって小さくできる
暴落そのものをなくすことはできませんが、事前の準備によって、暴落が来たときの不安の大きさは、確実に小さくすることができます。今回紹介した心構えを、ぜひ今のうちから自分の中に落とし込んでおいてください。
暴落と向き合う心構えのおさらい
暴落は避けられない出来事ですが、事前に心構えと備えを整えておけば、必要以上に恐れる対象ではなくなります。慌てず、積立を止めず、生活防衛資金を頼りに、いつも通りの日々を過ごすこと。これが、暴落局面における最もシンプルで確実な対応です。
暴落を経験して初めて、投資家として一段階成長する
正直なところ、暴落を経験する前と後とでは、投資に対する向き合い方がまったく変わります。頭で「暴落は想定内」と理解していても、実際に自分の資産が目減りする場面を経験すると、初めて本当の意味でその感覚が身につきます。
20年間で何度も暴落を経験してきましたが、そのたびに「やっぱり慌てなくてよかった」という実感を積み重ねてきました。この経験の積み重ねこそが、長期投資家としての胆力を育ててくれるのだと思います。これから初めて暴落を経験する方も、今回紹介した心構えを事前に知っておくだけで、その経験を必要以上に恐れずに乗り越えられるはずです。
まとめ
- 暴落は「起きるかどうか」ではなく「いつ起きるか」の想定内の出来事
- 慌てて売却する・積立を止める・不安を煽る情報を見続けるのは避けたい行動
- 生活防衛資金の確認・積立の継続・長期グラフでの振り返りが有効な対応
- 投資の目的を事前に言語化しておくことが、暴落時の冷静な判断を支える
シリーズもいよいよ次回が最終回です。ここまで解説してきた新NISAの知識を、ライフプランにどう組み込んでいくかをまとめます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 暴落時に積立額を増やすべきですか?
無理に増やす必要はありません。家計に余裕がある範囲で、いつも通りの積立を淡々と続けることが基本の対応です。
Q2. 暴落がいつ終わるかは予測できますか?
正確な予測は誰にもできません。過去の暴落局面もいずれ回復してきたという事実はありますが、回復の時期を当てにいくのではなく、長期で持ち続ける前提で臨むことをおすすめします。
Q3. 暴落時に売却して現金化するのは、絶対にダメですか?
生活に必要な資金であればやむを得ない場合もありますが、余剰資金での長期投資であれば、値下がり局面での売却は避けることをおすすめします。
Q4. 暴落への不安を減らすには、どうすればいいですか?
生活防衛資金を確保しておくこと、投資の目的を明確にしておくこと、資産推移を長期の視点で確認する習慣を持つことが、不安を減らす具体的な方法です。
Q5. 暴落のニュースを見ると不安で仕方ありません。見ないほうがいいですか?
暴落時は、ニュースやSNSを見る頻度を意識的に減らすことも有効な対処法です。情報から距離を置き、事前に決めたルールに従って淡々と行動することをおすすめします。
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シンパパ資産設計士
4児を育てるシングルファーザー/個人事業主20年/投資家20年/兼業大家20年
📝 noteでも毎日発信中
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