覇権国家はなぜ必ず交代してきたのか|歴史の長い時間軸で資産を考える・地政学で学ぶ資産形成シリーズ第14話

投資・資産運用

こんにちは。シンパパ資産設計士です。4人の子どもを育てるシングルファザーで、20年にわたって大家業・事業・投資を続けてきました。妻を病気で亡くしてから、家族の暮らしと資産を一人で守っていくなかで、私は「世界の構造を理解しないまま投資をするのは怖い」と痛感するようになりました。そうして始めたのが、この地政学で学ぶ資産形成シリーズです。

前回の第13話「日本の安全保障・防衛・エネルギー|足元を知り、世界に分散する」では、日本という自分たちの足元を点検し、「身近な国だからこそ集中しすぎない」という教訓にたどり着きました。今回はその結論を、さらに長い時間軸――数百年にわたる「覇権の世界史」――のなかで確かめてみたいと思います。シリーズ全体の流れを確認したい方は地政学シリーズのハブページもあわせてご覧ください。

あらかじめお伝えしておくと、この記事はあくまで私個人の見解です。特定の国を持ち上げたり貶めたりする意図はまったくありません。歴史の解釈は人によって分かれますし、ここで描く「覇権の交代」も、あくまで資産形成を考えるための一つの見取り図にすぎません。お金や資産の話はYMYL(人生やお金に関わる重要な領域)ですから、私は「考え方の枠組み」をお渡しすることに努めます。投資はご自身の判断と責任で行ってください。

覇権国家は必ず交代してきた——歴史の長い視点

人類の歴史を遠くから眺めると、ある一つのパターンが繰り返し現れます。それは「ある時代に圧倒的な力を持った国も、永遠には続かない」という事実です。栄え、頂点に達し、やがて相対的に力を弱め、別の国がその座を引き継いでいく。この栄枯盛衰のリズムは、地域や時代を超えて、何度も何度も繰り返されてきました。

古代に目を向ければ、地中海世界を長く支配したローマ帝国があります。その前にはギリシャの諸都市やペルシャの大帝国があり、東アジアでは中華の王朝が興亡を繰り返しました。中世から近世にかけては、スペインやポルトガルが海を越えて版図を広げ、やがてオランダが海運と金融で栄え、その後イギリスが「日の沈まぬ帝国」と呼ばれるほどの広がりを見せました。そして20世紀には、その役割の多くがアメリカへと移っていきます。

こうして並べてみると、一つの国がずっと頂点に居続けた例は、実はほとんどありません。どんなに強大に見えた国も、数十年から長くて二、三百年というスパンで、相対的な力を変化させていきます。これは「いつか必ずこの国が滅ぶ」という不吉な予言ではありません。そうではなく、「力の中心は時間とともに移ろうものだ」という、淡々とした歴史の観察です。

私が大家業や事業を20年続けてきて、最も骨身にしみている教訓の一つが、まさにこれです。どんなに調子のいい事業も、どんなに人気のあるエリアの物件も、永遠に同じ勢いを保つことはありません。栄えていたものが衰え、見向きもされなかったものが台頭する。その移り変わりを何度も目にするうちに、私は「いま強いものに全財産を賭けるのは危うい」と考えるようになりました。国家の覇権という壮大な話も、根っこは同じだと思うのです。

大切なのは、この「交代の必然性」を、悲観でも楽観でもなく、ただ前提として受け入れることです。いま強い国があるとして、それが百年後も同じ位置にあるかどうかは、誰にもわかりません。逆に、いま目立たない国や地域が、数十年後に大きく伸びている可能性もあります。歴史はその両方を、何度も見せてきました。投資家として私が学んだのは、「どの国が次に来るかを当てる」ことではなく、「どの国が来ても困らない構えを持つ」ことの大切さです。この視点を持って、いくつかの覇権の物語をたどってみましょう。

大航海時代とシーパワーの勃興(第1話マハンの源流)

覇権の世界史を語るうえで、まず外せないのが「大航海時代」と呼ばれる時期です。15世紀末から、ヨーロッパの国々が海を越えて世界中に進出していった時代です。それまで陸の上で完結していた人々の暮らしや経済が、海を通じて地球規模でつながり始めた、文明史上の大きな転換点でした。

この時代に頭角を現したのが、海を制する力――いわゆる「シーパワー(海洋国家)」でした。スペインやポルトガルは大西洋を渡り、新たな航路と交易の拠点を次々と押さえていきます。続いてオランダが、海運と金融の仕組みを巧みに組み合わせて繁栄しました。世界で最初期の株式会社や証券取引の仕組みが、この時代のオランダで発達していったことは、投資の歴史としても興味深い点です。海を支配する力が、そのまま富を生む力に直結していったのです。

このシリーズの第1話で取り上げたマハンという人物の思想は、まさにこの流れの延長線上にあります。マハンは、国家の繁栄と力にとって「海を制すること(シーパワー)」がいかに決定的かを論じました。海上交通路を押さえ、貿易を握り、必要なら海軍力でそれを守る。その積み重ねが国家の富と影響力を生む――マハンはそう考えたのです。彼の思想は、後の時代の大国の海洋戦略に大きな影響を与えたとされます。

なぜ海を制する国が栄えたのか。理由はシンプルです。当時も今も、世界の貿易の大半は海上輸送に支えられています。重くてかさばる物資を、安く大量に運べるのは船だからです。その航路を押さえ、安全に保てる国は、世界の経済の「動脈」を握ることになります。動脈を握れば、富と情報がそこに集まる。海洋国家の強さの源は、ここにありました。

ここで私が投資家として注目したいのは、「繁栄の中心には、必ずその時代の『動脈』を握る力がある」という構造です。大航海時代なら海運、後の時代なら工業力、そして現代なら――これは後の章で触れますが――基軸通貨や技術といった、より目に見えにくいものへと、動脈の正体は移り変わっていきます。覇権の交代とは、突き詰めれば「次の時代の動脈を、どの国が握るか」の交代でもあるのです。

そしてもう一つ。オランダで芽生えた株式や証券の仕組みが教えてくれるのは、「経済の成長を、自分も持ち分として分け合える仕組み」が、すでに数百年前から存在していたという事実です。海を渡る冒険的な事業に、多くの人が少しずつ出資し、その成果を分け合う。今日の私たちが株式投資を通じて世界経済の成長を取り込んでいるのも、源流をたどればこの時代の発明に行き着きます。覇権が移ろっても、「成長を分け合う器」という発想そのものは、形を変えて受け継がれてきたのです。

大英帝国からアメリカへ——基軸通貨と覇権の移動

大航海時代を経て、近代に入ると、覇権の中心はイギリスへと移っていきます。18世紀から19世紀にかけて、イギリスは産業革命をいち早く成し遂げ、圧倒的な工業力と、それを世界に運ぶ海運力、そしてそれを守る海軍力を兼ね備えた国になりました。世界中に広がるその版図は「日の沈まぬ帝国」とまで呼ばれ、当時のイギリスの通貨であるポンドは、国際的な取引で広く使われる「基軸通貨」としての役割を担いました。

ここで「基軸通貨」という言葉に注目してください。これは、世界中の貿易や金融取引で「共通のものさし」として最も広く使われる通貨のことです。基軸通貨を発行する国は、世界経済の中心に座ることになります。なぜなら、世界中の取引がその通貨を通じて行われるため、お金と情報がその国に集まりやすくなるからです。覇権と基軸通貨は、しばしば手を取り合って動いてきました。

ところが、その盤石に見えたイギリスの地位も、永遠ではありませんでした。20世紀に入り、二度の大きな世界大戦を経るなかで、ヨーロッパ諸国は疲弊し、相対的にその力を弱めていきます。一方、戦場から距離を置いていたアメリカは、戦中・戦後を通じて工業力と経済力を大きく伸ばしました。そして20世紀半ば、国際的な通貨や経済の枠組みが再編されるなかで、基軸通貨の役割は次第にイギリスのポンドからアメリカのドルへと移っていったのです。

この「ポンドからドルへ」という基軸通貨の移動は、覇権交代の象徴的な出来事でした。興味深いのは、それが一夜にして起きたわけではない、ということです。イギリスの力が衰え、アメリカの力が伸びるという地殻変動は、何十年もかけてじわじわと進みました。当時を生きた人々の多くは、その変化の渦中にいながら、「いま覇権が交代している」とははっきり自覚できなかったかもしれません。歴史の大きな転換は、たいてい後から振り返って初めて、その輪郭が見えるものなのです。

私はこの「じわじわ進む交代」という性質に、投資家として強く惹かれます。なぜなら、これは「いつ覇権が変わるか」を正確に予測することが、いかに難しいかを物語っているからです。同時代を生きる人間には、変化の真っ只中でその全体像を掴むことはできません。だとすれば、「次の覇権国を当てて、そこに賭ける」という戦略が、いかに危ういものかも見えてきます。当てられないものを当てにいくのは、ギャンブルに近いのです。

ここで誤解のないように申し添えますが、私は「アメリカもいずれ衰える」と予言しているわけでも、「いや、アメリカは安泰だ」と保証しているわけでもありません。どちらも私には断定できません。歴史が教えてくれるのは、ただ「力の中心は移ろってきた」という事実だけです。その事実を踏まえたうえで、では現在の「アメリカ一強」という状況を、私たちはどう受け止めればよいのか。次の章で、できるだけ中立に整理してみます。

覇権交代期に資産はどう動いたか

覇権が一つの国から別の国へ移っていく「交代期」には、人々の資産にも大きな影響が及びました。歴史を一般論として眺めると、いくつかの共通したパターンが見えてきます。ここでは特定の時代を断定的に語るのではなく、「こういうことが起こりがちだった」という大づかみの傾向として捉えてください。

まず、衰えていく側の国では、その国の通貨の信認が揺らぐ場面が見られることがありました。基軸通貨としての地位が他国へ移っていくと、その通貨を世界が以前ほど必要としなくなり、相対的な価値が変化していきます。自国の通貨だけで資産を持っていた人にとっては、これは見えにくいけれど深刻なリスクです。手元のお金の額面は変わらなくても、世界の中での「買える力」が静かに目減りしていくことがあるからです。

次に、台頭してくる側の国では、経済の成長とともに、その国の企業や資産の価値が大きく伸びる場面が見られました。新しい産業が興り、人口や生産が拡大し、世界の富がその国に集まってくる。そうした国の株式市場や経済全体は、長期的に大きく成長することがあります。覇権交代期とは、見方を変えれば「成長の中心が、ある国から別の国へ移っていく時期」でもあるのです。

では、こうした激動の時代に、資産を守り育てられたのはどういう人だったのか。歴史を大づかみに眺めると、特定の一国の通貨や資産だけに偏らず、複数の国・複数の資産に分けて持っていた人ほど、大きな変動を乗り切りやすかった傾向があるように思えます。衰える国の資産で損をしても、台頭する国の資産がそれを補う。どちらに転んでも致命傷を負わない構え――これが、長い時間軸で生き残るための知恵だったのではないでしょうか。

もちろん、これは後知恵で語れることであって、その時代を生きた人々にとっては、何が衰え何が伸びるのかをリアルタイムで見極めるのは至難の業でした。だからこそ私は、「見極めなくても済むように、最初から広く分けておく」という発想が、歴史の教訓として最も実用的だと考えています。誰が勝つかを当てるのではなく、勝者も敗者も両方含むように持っておく。地味ですが、これが交代期を生き抜く現実的な構えなのです。

私自身、事業や物件のポートフォリオでも、同じ考え方を貫いてきました。一つの取引先、一つのエリア、一つの収入源に依存していると、その一つが崩れたときに全体が傾きます。だから収入源も資産も、意識して分散させてきました。国家の覇権交代という壮大な話と、一人の事業主の地味なリスク管理が、まったく同じ原理でつながっている――そう気づいたとき、私は歴史を学ぶことの面白さと実用性を、あらためて感じたものです。

「今のアメリカ一強」をどう相対化するか——中立的に

さて、現在に目を戻しましょう。多くの人が感じているとおり、今日の世界経済において、アメリカは非常に大きな存在感を持っています。世界の株式市場に占めるアメリカの比率は高く、革新的な技術や巨大企業の多くがアメリカから生まれ、ドルは依然として世界の基軸通貨としての役割を担っています。「アメリカ一強」という言葉が使われるのも、理由のないことではありません。

この状況を、私はできるだけ中立に受け止めたいと思っています。一方には「アメリカの強さはこれからも続く」という見方があり、その根拠として、技術革新の厚み、人口動態の比較的な健全さ、世界中から人材と資本を引き寄せる力などが挙げられます。他方には「どんな覇権も永遠ではない」という、まさにこの記事でたどってきた歴史の教訓に基づく見方もあります。財政の問題や、新たに台頭する国々の存在を指摘する声です。

私はこのどちらか一方に肩入れするつもりはありません。正直に言えば、どちらが正しいのかは私にはわからない、というのが誠実な答えです。アメリカの強さが今後も続くかもしれませんし、長い時間をかけて相対的に変化していくかもしれません。歴史は「移ろう」と教えますが、その移ろいが「いつ」「どのように」起きるかまでは教えてくれません。100年単位で見れば変化は必至でも、それが自分の生きている数十年のうちに起きるとは限らないのです。

ここで大切なのは、「アメリカ一強」という現状を、絶対的な真実としてではなく、「いまこの時点での力の配置」として相対化して捉えることです。今が頂点なのかもしれないし、まだ途上なのかもしれない。あるいはすでに緩やかな転換が始まっているのかもしれない。どれも可能性としてはありえます。投資家として私が避けたいのは、「アメリカは絶対に大丈夫」という思い込みと、「アメリカはもう終わりだ」という決めつけの、どちらにも振れすぎることです。

歴史を学ぶ意義は、まさにこの「相対化」にあると私は思います。過去に栄えた数々の覇権を知っていれば、いま目の前にある巨大な存在も、長い歴史の一コマとして冷静に眺められます。同時に、過去のどの覇権も数十年から数百年は続いたという事実を知っていれば、「明日にも崩れる」と慌てる必要もないことがわかります。慢心せず、しかし過剰に恐れもしない。この落ち着いた距離感を持つことが、歴史を学んだ投資家の特権だと、私は考えています。

そしてこの相対化は、特定の国への好き嫌いとはまったく別の話です。私はアメリカという国に対して、賞賛も非難もしません。投資の文脈で見るのは、「どの国が道徳的に優れているか」ではなく、「自分の資産を、どの国の運命にどれだけ預けているか」という一点だけです。次の最終章では、この視点から、私たち個人投資家がどう構えればよいのかを具体的にまとめます。

投資家の教訓——覇権が変わっても乗り続けられる器

ここまで、ローマや大航海時代から、大英帝国、そして現在のアメリカまで、覇権の世界史をざっと駆け抜けてきました。最後に、この壮大な歴史から、私たち一人ひとりの資産形成にとって本当に役立つ教訓を、はっきりと取り出しておきたいと思います。

第一の教訓は、「次の覇権国を当てるのは、ほぼ不可能だ」ということです。これまで見てきたとおり、覇権の交代は数十年単位でじわじわと進み、同時代の人間にはその全体像が見えません。専門家でも見解が割れるこのテーマを、私たち個人が正確に予測するのは、現実的ではありません。「次はこの国が来る」と読んでそこに集中投資するのは、当たれば大きいかもしれませんが、外れれば致命傷になりかねない賭けです。私はそういう賭けを、自分の家族の資産では決してしたくありません。

第二の教訓は、「だからこそ、どの国が来ても乗り続けられる器を持つべきだ」ということです。覇権がどの国に移ろうと、その変化を自動的に取り込んでくれる仕組み――それが、世界全体に広く分散した投資です。具体的には、世界中の株式市場をまるごと含むような指数(インデックス)に連動する投資が、その代表例として広く知られています。日本でいえば、いわゆる「全世界株(オルカン)」と呼ばれるタイプの投資信託などがこれにあたります。

なぜこの「器」が覇権交代に強いのか。理由はその構造にあります。全世界株のような器は、世界各国の企業を、その時々の経済規模(時価総額)に応じた比率で組み入れています。そして、その比率は固定ではなく、世界経済の変化に合わせて自動的に調整されていくのです。ある国の経済が伸びれば、その国の企業の比率は自然と高まり、ある国が相対的に縮めば、比率も静かに下がっていきます。つまり、私たちが何も判断しなくても、器のほうが勝手に「いま伸びている地域」を多めに、「縮んでいる地域」を少なめに、組み替え続けてくれるのです。

これは、覇権交代という長期の地殻変動に対する、驚くほど自然な備えになっています。仮に将来、世界経済の中心が今とは別の国や地域へ移っていったとしても、全世界株の器を持ち続けてさえいれば、その新しい中心地の成長を、自動的に取り込み続けることができます。「次の覇権国を当てる」必要はありません。器が、その都度の主役を自動で組み込んでくれるからです。当てにいくのではなく、当たり外れの両方をまるごと抱える――これが、覇権の世界史が私に教えてくれた、最も実用的な結論です。

借金と複利についても、いつものとおり一言だけ添えておきます。覇権交代のような大きな変化が起こりうる時代に、私は過大な借金を抱えて一国に賭けるようなことはしたくありません。借入による投資(レバレッジ)は、読みが外れたときの傷を深くします。一方で、複利という強い力は、世界に分散した器を長く持ち続けることで、「資産を持つ側」として味方につけられます。何十年という時間軸で、世界経済全体の成長を複利で育てていく。これが、歴史の波に飲まれず、むしろ波に乗り続けるための私のスタンスです。詳しくはシリーズの他の回でも触れていますので、ここでは深入りしません。

子どもたちにこの話をするとき、私はよくこう伝えます。「どの国が一番になるかを当てようとしなくていい。世界全体に乗っておけば、一番になった国の力は、自然とこちらに分けてもらえるんだよ」と。歴史は移ろいます。覇権も移ろいます。けれども、世界経済が全体として成長していくという大きな流れに乗り続ける器さえ持っていれば、私たちはその移ろいを恐れる必要がないのです。

まとめ——移ろいを前提に、世界全体に乗る

今回は、ローマや大航海時代から大英帝国、そして現在のアメリカまで、覇権の世界史を駆け足でたどりながら、その教訓を資産形成に引き寄せて考えてきました。要点を振り返ります。

歴史を長い視点で眺めると、覇権を握る国は必ず交代してきた。大航海時代には海を制するシーパワーが栄え、その思想はマハンの議論にも受け継がれた。やがて覇権は大英帝国からアメリカへと移り、基軸通貨もポンドからドルへと変わっていった。こうした交代は数十年かけてじわじわ進むため、同時代の人間にその全体像を掴むことはできない。だからこそ「次の覇権国を当てる」のは、ほぼ不可能なのです。

この事実から導かれる投資家の教訓は、明快です。覇権交代を当てにいくのではなく、「どの国が来ても乗り続けられる器」を持つこと。全世界株(オルカン)のような世界分散の器は、世界経済の変化に合わせて自動的に各国の比率を組み替え、次の主役を勝手に組み込み続けてくれます。今の「アメリカ一強」も、絶対視せず、しかし過剰に恐れず、長い歴史の一コマとして相対化して眺める。慢心せず、慌てず、世界全体に静かに乗り続ける――これが、覇権の世界史が私に教えてくれた構えでした。

世界の構造を学ぶ旅も、いよいよ大詰めです。シリーズを最初から振り返りたい方は第1話から、全体像を確認したい方は地政学シリーズのハブページ、そして資産形成の考え方を横断的に整理した統合ハブページもあわせてご覧ください。

次回はいよいよシリーズの締めくくりです。第15話:地政学を踏まえたシンパパ流ポートフォリオ最終解 へ続く。これまで全14回で学んできた地政学の視点を、最終的にどんな具体的な資産設計へと落とし込めばよいのか。覇権の移ろいを前提に、世界全体に乗り続ける器をどう組み立てるか。私自身の結論を、できるかぎり率直にお話しするつもりです。最後までご一緒できればうれしいです。

※本記事は私個人の経験と見解に基づくものであり、特定の国・政党・政策・企業を評価したり推奨したりする意図はなく、また投資を勧誘するものでもありません。投資の判断はご自身の責任で、必要に応じて専門家にご相談のうえ行ってください。

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