ライフプラン作成前に整理する「人生のイベント」|4児シンパパのライフプランの作り方シリーズ②

ひとり親の家計

こんにちは、シンパパ資産設計士です。

ライフプランの作り方シリーズ第2回です。前回、ライフプランとは「人生の予定表」+「お金の予定表」であるとお伝えしました。今回は、その最初のパーツである「人生のイベント」をどう整理するかについて、具体的に解説していきます。

  1. なぜ「イベント」から始めるのか
    1. 「見えない支出」は「見えないイベント」から生まれる
  2. 人生のイベントの主なカテゴリ
    1. ①子どもに関するイベント
    2. ②住まいに関するイベント
    3. ③車に関するイベント
    4. ④自分自身の働き方に関するイベント
    5. ⑤その他のイベント
    6. カテゴリごとに深掘りする視点
    7. イベントの粒度をそろえすぎない
  3. 「いつ」「何が起こるか」を年表にする
    1. 「確定情報」と「推定情報」を区別して記録する
    2. 逆算の起点は「今の年齢」
  4. 4人の子どもを育てる家庭ならではの複雑さ
    1. 複数の子どもがいる家庭で起きがちな「見落とし」
    2. 教育費のピークが重なる年は特に注意
  5. イベントの「確実性」に段階をつける
    1. なぜ不確実なイベントを年表に組み込まないのか
    2. 確実性の判定に迷ったときの目安
  6. イベント洗い出しの具体的な進め方
    1. 一人で抱え込まず、記録に残す
    2. 完璧なリストより「更新され続けるリスト」を目指す
  7. まとめ|イベントの洗い出しがすべての土台
  8. イベントを洗い出すことで得られる副次的な効果
  9. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. イベントを洗い出す際、何年先まで考えればいいですか?
    2. Q2. パートナーがいない(シングル)の場合、介護や病気への備えはどう考えればいいですか?
    3. Q3. イベントの洗い出しに、家族の意見を聞くべきですか?
    4. Q4. イベントの洗い出しに、どれくらいの時間をかけるべきですか?
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    1. この記事を書いた人:シンパパ資産設計士

なぜ「イベント」から始めるのか

ライフプラン作成でよくある失敗は、いきなり「将来いくら必要か」という金額の計算から入ってしまうことです。しかし金額は、あくまで「何が起こるか」という出来事に付随して発生するものです。出来事を洗い出さずに金額だけを積み上げようとすると、必ず抜け漏れが発生します。だからこそ、最初のステップは「これからの人生で、何が起こりそうか」を洗い出すことなのです。

「見えない支出」は「見えないイベント」から生まれる

家計管理シリーズの第6回で、特別費が見落とされがちな理由として「毎月ではなく年に1回・数年に1回しか発生しないから」というお話をしました。ライフプランにおける「イベント」も、まったく同じ構造です。今この瞬間には発生していないけれど、数年後・数十年後には確実に、あるいは高い確率で発生する出来事——これを事前に洗い出しておかないと、いざそのタイミングが来たときに、まったく準備ができていない状態で慌てることになります。

僕自身、シングルファザーとして4人の子どもを育てる中で、進学のタイミングや住宅の修繕時期を事前に把握できていたおかげで、実際にその出費が発生したときも慌てずに対応できた経験が何度もあります。逆に、想定していなかった出費(急な家電の故障など)に直面したときは、やはり心理的な負担が大きく感じられました。「想定内かどうか」だけで、同じ金額の出費でも感じ方がまったく変わる——これが、イベントを事前に洗い出しておくことの最大の効能だと感じています。

人生のイベントの主なカテゴリ

人生で起こりうるイベントは多岐にわたりますが、家計・資産形成に大きな影響を与えるものは、次のようなカテゴリに整理できます。

①子どもに関するイベント

  • 保育園・幼稚園の入園・卒園
  • 小学校・中学校・高校・大学の入学・卒業
  • 受験(中学受験・高校受験・大学受験)
  • 一人暮らしの開始(大学進学・就職に伴う独立)
  • 結婚・独立(親としての経済的サポートが一区切りするタイミング)

②住まいに関するイベント

  • 住宅の購入(またはすでに購入済みの場合は完済時期)
  • 大規模修繕(外壁・屋根・給湯器等の交換時期)
  • 住み替え・引っ越しの可能性

③車に関するイベント

  • 車の買い替えサイクル
  • 免許返納・車の手放し(老後のタイミング)

④自分自身の働き方に関するイベント

  • 独立・転職・退職といった働き方の変化
  • 事業の拡大・縮小
  • 年金受給開始年齢への到達

⑤その他のイベント

  • 両親の介護が必要になる可能性
  • 自分自身の大きな病気・怪我のリスク
  • 子どもの結婚・出産に伴う援助の可能性

これらすべてを網羅する必要はありませんが、自分の家庭に関係しそうなイベントは、思いつく限りすべて書き出しておくことが重要です。

カテゴリごとに深掘りする視点

①〜⑤の各カテゴリについて、それぞれ次回以降のシリーズで深掘りしていきます。①子どもに関するイベントは、教育費という形で第4回で数字に落とし込みます。②住まいに関するイベントは第5回、③車に関するイベントは第6回、④自分自身の働き方に関するイベントは第7回(収入の予測)で扱います。⑤その他のイベントのうち、老後に関する部分は第9回で詳しく計算していきます。今回はまだ「洗い出し」の段階なので、各カテゴリについて深く考えすぎず、思いついたものをそのまま書き留めておく意識で十分です。

イベントの粒度をそろえすぎない

イベントを書き出すとき、「細かく書くべきか、大きく書くべきか」で迷うことがあります。結論から言えば、最初の段階では粒度をそろえる必要はありません。「子どもの大学進学」という大きな括りでも構いませんし、「入学金」「授業料」「一人暮らしの初期費用」というように細分化しても構いません。粒度の統一は、次回・第3回で表にまとめる段階で自然と整っていくので、今の時点では思いついた形でそのまま書き留めておいてください。

「いつ」「何が起こるか」を年表にする

イベントを洗い出したら、次はそれぞれのイベントが「何年後に」「何歳のときに」起こりそうかを、年表の形に整理していきます。子どもの教育に関するイベントは、現在の年齢から逆算すれば、比較的正確に予測できます。例えば、今5歳の子どもであれば、6年後に小学校卒業、9年後に中学校卒業、12年後に高校卒業、16年後に大学卒業、というように、ほぼ確定した年表を作ることができます。

一方、住宅の修繕や車の買い替えのように、正確な時期が読みにくいイベントについては、「おおよそ何年後」という幅を持たせた見積もりで構いません。完璧な精度を求めず、まずは大まかな見取り図を作ることを優先してください。

「確定情報」と「推定情報」を区別して記録する

年表を作る際は、確定している情報(子どもの学年から逆算できる進学時期など)と、あくまで推定に過ぎない情報(住宅設備の交換時期など)を、視覚的に区別しておくことをおすすめします。例えば、確定情報は黒字、推定情報は色文字にする、といった簡単な工夫だけでも、後から見返したときに「どこまで確実で、どこから不確かなのか」が一目で分かるようになります。この区別を怠ると、推定に過ぎない情報をあたかも確定情報のように扱ってしまい、計画全体の信頼性を見誤る原因になります。

逆算の起点は「今の年齢」

年表作成の基本は、常に「今の年齢」を起点にした逆算・順算です。子どもであれば「今何歳で、何年後に何が起こるか」、自分自身であれば「今何歳で、あと何年働くつもりか、年金は何歳から受け取れるか」という具合に、すべての起点を「現在」に揃えることで、複数のイベントを同じ時間軸の上に並べることができます。この「同じ時間軸に並べる」という発想こそが、次回作成する「ライフイベント表」の本質です。

4人の子どもを育てる家庭ならではの複雑さ

子どもが1人であれば、教育に関するイベントは1本の年表で完結します。しかし4人になると、それぞれの子どものイベントが同時並行で進んでいくため、年表も複雑になります。ある年には複数の子どもの進学が重なり、また別の年にはどの子も落ち着いている——このような波を把握するためには、子ども別に年表を作り、それを1つの表に統合するという作業が必要になります(この統合の具体的な作り方は、次回・第3回で詳しく解説します)。

複数の子どもがいる家庭で起きがちな「見落とし」

子どもが複数いる家庭でよくある見落としが、「上の子の記憶に引きずられて、下の子の予定を軽視してしまう」というパターンです。1人目の子育てで経験したことが強く記憶に残っているため、2人目以降も同じようなペースで進むだろうと無意識に思い込んでしまい、実際にはタイミングがずれていたり、性格や進路の希望が違ったりすることに気づくのが遅れる、というケースです。子ども別に年表を分けて作成することは、こうした無意識の思い込みを避け、それぞれの子の状況を公平に見つめ直すきっかけにもなります。

教育費のピークが重なる年は特に注意

4人の子どもがいると、数年に一度、複数の子の進学・受験・入学が同時期に重なる「ピークの年」が訪れます。このピークの年を事前に把握できているかどうかで、対応の余裕がまったく違ってきます。ピークの年が分かっていれば、その前年から意識的に貯蓄ペースを上げる、特別費の積立を前倒しするといった対策を打てます。逆に、ピークの到来に気づかないまま迎えてしまうと、慌てて家計をやりくりする羽目になります。

イベントの「確実性」に段階をつける

洗い出したイベントの中には、確実に起こるもの(子どもの進学など)と、起こるかもしれない不確実なもの(両親の介護、住み替えなど)が混在します。これらを同じ重みで扱うと、計画が複雑になりすぎてしまいます。僕がおすすめするのは、イベントを次の3段階に分類することです。

確実性 該当するイベントの例 プランへの反映方法
ほぼ確実 子どもの進学、車検の周期 年表に確定情報として組み込む
可能性が高い 住宅修繕、車の買い替え おおよその時期・金額で仮組みする
不確実 介護、大病、転職 年表には組み込まず、備えとして予備費で対応

不確実なイベントまで無理に年表に組み込もうとすると、かえって計画が破綻しやすくなります。不確実なものは、生活防衛資金や保険で「備え」として対応するという切り分けが現実的です。

なぜ不確実なイベントを年表に組み込まないのか

「起こるかどうか分からないイベントほど、備えておくべきでは」と思う方もいるかもしれません。もちろんその通りですが、「いつ・いくら発生するか分からないもの」を年表という時系列の形式に無理やり当てはめようとすると、計画全体の信頼性がむしろ下がってしまうという問題があります。例えば「介護が5年後に始まる」と仮に年表に書き込んだとして、実際には10年後だったり、あるいは一生発生しなかったりすることも十分にあり得ます。このような不確実性の高い項目は、時系列で管理するのではなく、「いつ発生してもある程度対応できるだけの備え(生活防衛資金・保険)を、常に確保しておく」という形で管理するほうが、はるかに実用的です。

確実性の判定に迷ったときの目安

あるイベントが「ほぼ確実」なのか「可能性が高い」なのか「不確実」なのか、判断に迷うこともあるでしょう。目安としては、発生時期を年単位で特定できるかどうかで考えるとよいでしょう。子どもの進学のように「◯年後」と年単位で特定できるものは「ほぼ確実」、住宅設備の交換のように「10年前後のどこか」としか言えないものは「可能性が高い」、介護や大病のように「そもそも起こるかどうかも分からない」ものは「不確実」に分類する、という考え方です。

イベント洗い出しの具体的な進め方

実際に手を動かして進める際は、次の手順がおすすめです。

  1. 白紙に、思いつくイベントを片っ端から書き出す(順序は気にせず、ブレインストーミング形式で)
  2. 書き出したイベントを、上記5つのカテゴリに分類する
  3. それぞれのイベントに、おおよその発生時期(年齢・年数)を書き込む
  4. 確実性の3段階に応じて、対応方針を決める

この作業は、1回で完璧に終わらせる必要はありません。1週間ほどゆっくりと寝かせながら、思い出したことを都度追記していく、というやり方でも十分によく機能します。

一人で抱え込まず、記録に残す

シングルファザーとして一人で家計と将来設計を背負っていると、この洗い出し作業も、つい頭の中だけで完結させようとしてしまいがちです。しかし、頭の中の記憶だけに頼っていると、忙しい日々の中でせっかく考えたことを忘れてしまったり、同じことを何度も考え直す羽目になったりします。気づいたことは、その場でスマホのメモアプリでもいいので、必ず記録に残す習慣をつけることをおすすめします。僕自身、通勤中や子どもを寝かしつけた後のわずかな時間に、ふと頭に浮かんだ将来の懸念事項をメモしておき、週末にまとめて整理する、というスタイルで運用しています。

完璧なリストより「更新され続けるリスト」を目指す

家計管理シリーズで繰り返しお伝えしてきた「完璧を目指さず、続けられる仕組みを作る」という考え方は、このイベント洗い出しの作業にも同じように当てはまります。最初に作ったリストが不完全でも構いません。大切なのは、気づいたときに追記・修正できる「生きたリスト」として運用し続けることです。1年後に見返したとき、当初は想定していなかったイベントが追加されていたり、逆に想定していたイベントがなくなっていたりするのは、むしろ健全な状態だと捉えてください。

まとめ|イベントの洗い出しがすべての土台

今回のポイントを整理します。

  • ライフプランは金額の計算からではなく、イベントの洗い出しから始める
  • イベントは子ども・住まい・車・働き方・その他の5カテゴリで整理する
  • それぞれのイベントに「いつ」を紐づけて年表にする
  • イベントは「確実性」の3段階に分けて扱い方を変える

次回は、今回洗い出したイベントを、実際の「ライフイベント表」という具体的な形式に落とし込む方法を解説します。

イベントを洗い出すことで得られる副次的な効果

イベントの洗い出し作業には、金額計算の土台になるという本来の目的以外にも、副次的な効果があります。それは、自分の人生を俯瞰する機会が持てるということです。日々の忙しさに追われていると、目の前のことで精一杯になりがちですが、こうして紙やスプレッドシートに人生の出来事を並べてみると、「自分はこれから、こういう人生を歩んでいくのか」という実感が湧いてきます。この実感は、単なる金額計算以上の価値を持っていると、僕自身は感じています。日々の忙しさに流されるだけでなく、時には立ち止まって自分の人生全体を見渡す時間を持つことの大切さを、この作業を通じて改めて教えられました。

また、家族と将来について話し合う際の共通言語としても、この洗い出したイベントリストは役立ちます。感覚的な話し合いではなく、具体的なイベントと時期を前提に話し合うことで、より建設的な対話ができるようになります。数字と時期という共通の土台があるだけで、家族との話し合いの質は驚くほど変わっていくものです。感情的な言い合いではなく、事実に基づいた冷静で建設的な相談が、これまで以上にできるようになるでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. イベントを洗い出す際、何年先まで考えればいいですか?

最低でも子どもが独立するまでの期間、可能であれば自分自身の老後(80代〜90代程度)までを視野に入れることをおすすめします。長期であるほど精度は落ちますが、大まかな見通しを持っているかどうかで、将来の安心感が大きく変わります。

Q2. パートナーがいない(シングル)の場合、介護や病気への備えはどう考えればいいですか?

シングルの立場では、万が一のときに頼れる家族が限られる可能性があるため、生活防衛資金をやや手厚めに確保しておくこと、また就業不能保険や所得補償保険といった保障の必要性を検討することをおすすめします(保険の考え方については、保険関連の記事もあわせてご参照ください)。

Q3. イベントの洗い出しに、家族の意見を聞くべきですか?

子どもがある程度の年齢に達している場合、進学や将来の希望について話を聞いておくと、より精度の高いイベント予測ができます。ただし、幼い子どもについては親が主体的に見通しを立てる形で問題ありません。

Q4. イベントの洗い出しに、どれくらいの時間をかけるべきですか?

最初の洗い出しは、1〜2時間程度で一通り終えられる方が多いです。ただし、その後1〜2週間ほど日常生活の中で思い出したことを追記していく期間を設けると、より精度の高いリストになります。焦って一度に完璧を目指す必要はありません。

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シンパパ資産設計士
4児を育てるシングルファーザー/個人事業主20年/投資家20年/兼業大家20年


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投資20年の失敗談・シングルファーザーのリアルな日常・お金の本音——ブログでは書きにくいことをnoteに書いています。

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この記事を書いた人:シンパパ資産設計士

シングルファーザー × 個人事業主 × 20年投資家。4人の子どもを育てながら、資産運用・節税・保険・不動産を自分で実践中。「等身大の失敗談」と「リアルな数字」を武器に、シンパパの家計設計を発信しています。

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