こんにちは、シンパパ資産設計士です。
これまでの家計管理のやり方シリーズでは、支出を固定費・変動費・特別費に分けて把握する考え方や、年間生活費表の作り方を解説してきました。ただ、「考え方は分かったけれど、実際に何を使って管理すればいいのか」という疑問を持たれた方も多いのではないでしょうか。さて今回から始める新シリーズでは、僕が20年近く家計・資産管理に使い続けている「マネーフォワード ME」というアプリについて、初心者の方にも分かりやすく、できるだけ実践的に解説していきます。第1回は、そもそもマネーフォワード MEとは何か、何ができるアプリなのかを、じっくり整理していきます。
マネーフォワード MEとは何か
マネーフォワード MEは、銀行口座・クレジットカード・証券口座・電子マネーといった、さまざまな金融サービスの情報を一つのアプリにまとめて集約し、家計簿や資産管理を自動化してくれるサービスです。従来の「レシートを見ながら手入力する家計簿」とは異なり、口座やカードを連携させておくだけで、日々の入出金情報が自動的にどんどん取り込まれていく仕組みになっています。
紙・エクセルの家計簿との違い
家計管理シリーズで紹介した年間生活費表のようなエクセル・スプレッドシートでの管理は、支出の全体像を俯瞰したり、将来の試算をしたりする際には非常に強力なツールです。一方で、日々の入出金を手入力する作業は、どうしても手間がかかり、継続のハードルになりがちです。マネーフォワード MEは、この「日々の記録」の部分を自動化することで、手入力の手間を大幅に減らしてくれます。「日々の記録はアプリで自動化し、年間の俯瞰・将来設計はエクセルで行う」という役割分担が、僕がたどり着いた一つの結論です。
銀行・クレジットカードとの連携でできること
マネーフォワード MEの最も中核的な機能が、この金融機関との連携です。
自動で家計簿を作れる仕組み
銀行口座やクレジットカードをアプリに連携させると、入出金の明細が自動的に取得され、日付・金額・利用先といった情報がそのまま家計簿として記録されていきます。さらに、利用先の情報をもとに「食費」「日用品」といったカテゴリーへも自動で振り分けられるため、レシートを一枚ずつ手作業で入力するような手間なく、家計の記録が自然と積み上がっていきます。
複数の金融機関をまとめて把握できる
個人事業主・投資家・兼業大家という複数の立場で活動していると、口座やカードの数も自然と増えていきます。給与用の口座、生活費用の口座、貯蓄用の口座、事業用の口座など、それぞれ別々に管理していては、家計全体の状況を正確に把握するだけでも一苦労です。マネーフォワード MEを使えば、こうした複数の金融機関の情報を一つの画面でまとめて確認できるようになり、家計全体を俯瞰する作業そのものが格段に楽になります。
無料版と有料版(プレミアムサービス)の違い
マネーフォワード MEには、無料で使える範囲と、有料のプレミアムサービスに加入することで使える範囲があります。具体的な連携可能な金融機関数やデータ閲覧期間などの仕様は、サービスのアップデートによって変更されることがあるため、この記事では詳細な比較は割愛し、次回以降のシリーズの中で、記事作成時点の最新情報を確認しながら詳しく解説していく予定です。まずは無料版で気軽に試してみて、必要性をはっきり感じてから有料版への加入を検討するという進め方をおすすめします。
どんな人にマネーフォワード MEは向いているか
マネーフォワード MEが特に力を発揮するのは、次のような方だと感じています。
複数の口座・カードを使い分けている人
給与口座と生活費口座を分けている、複数のクレジットカードを用途別に使い分けている、といった方は、手動での家計簿管理では情報が分散しがちです。こうした方こそ、自動連携によるメリットを最も大きく感じられるはずです。
投資・資産運用をしている人
証券口座や投資信託の情報も連携できるため、単なる家計簿としてだけでなく、資産全体の状況を把握するツールとしても活用できます。この資産管理の側面については、シリーズ後半(資産総額の確認・資産推移の見方)で、より詳しく解説していきます。
家計簿を「続けられなかった」経験がある人
家計管理シリーズ第2回で「家計簿が続かない人のための家計管理」という記事を書きましたが、続かない最大の理由の一つが、この手入力の手間です。自動連携によってこの手間を大きく減らせるマネーフォワード MEは、過去に家計簿が続かなかった方にこそ、もう一度試してみてほしいツールだと感じています。
マネーフォワード MEでできることを、もう少し詳しく見る
ここまで大まかな機能を紹介してきましたが、実際にどんな情報が見えるようになるのか、もう少し具体的にイメージできるよう、丁寧に掘り下げていきます。
資産全体を「ひとつの数字」で把握できる
銀行預金・証券口座・投資信託・電子マネーの残高など、バラバラに存在していた資産の情報を連携させることで、「今、自分の総資産がいくらあるのか」を一つの画面で確認できるようになります。預金だけを見ていては分からない、投資分も含めた資産全体の増減をリアルタイムに把握できることは、家計管理の観点からも、資産形成の観点からも、非常に価値のある機能です。日々の値動きに一喜一憂するためではなく、長期的な資産の増減トレンドを確認する目的で活用するのがおすすめです。
支出の傾向をグラフで視覚的に確認できる
取り込まれた支出データは、カテゴリー別・月別にグラフ化され、どの費目にどれだけ使っているかが視覚的に把握できます。数字の羅列だけでは気づきにくい支出の偏りも、グラフという形にすることで、直感的にパッと見えてくることがあります。家計管理シリーズで解説した「固定費・変動費・特別費」という分類の考え方と組み合わせることで、より実践的な家計把握につながります。
将来の資産推移をシミュレーションできる機能もある
一部のサービスでは、現在の資産状況や積立設定をもとに、将来の資産推移を簡易的にシミュレーションできる機能も提供されています。ライフプランの作り方シリーズで紹介した資産残高の試算と組み合わせて活用することで、より説得力のある将来像を描くことができます。ただし、こうした機能はあくまで簡易的な目安として捉え、詳細な試算は自分で作成したライフプラン表で行うことをおすすめします。アプリの数字とライフプラン表の数字、両方を照らし合わせることで、思い込みによるズレにも気づきやすくなります。
家計簿アプリに対して抱きがちな誤解
マネーフォワード MEのような家計簿アプリに対して、導入前に抱きがちな誤解がいくつかあります。
誤解①:連携すると個人情報がすべて筒抜けになる
「銀行口座を連携させる」と聞くと、資産状況がすべて外部に知られてしまうのではないかと不安に感じる方もいます。しかし、実際には金融機関が提供する正規の連携の仕組みを使っており、一般的な利用の範囲では過度に心配する必要はありません。不安な場合は、まず生活費用の口座など、比較的リスクの小さい口座から連携を始めるという進め方もできます。心配な点があれば、事前に公式サイトのセキュリティに関する説明を確認しておくと、より安心して利用を始められます。
誤解②:導入したら、すぐに完璧な家計簿ができあがる
連携さえすれば、導入した初日から完璧に整理された家計簿が完成すると期待してしまいがちですが、実際には自動分類の精度を上げるために、最初のうちは多少の手直しが必要になります。この点については、シリーズ第4回で改めて詳しく解説していきますが、「最初から完璧を求めない」という心構えを持っておくことが、挫折を防ぐ上で大切です。
誤解③:家計簿アプリを使えば、自動的にお金が貯まる
アプリはあくまで「見える化」のためのツールであり、それ自体がお金を貯めてくれるわけではありません。可視化された情報をもとに、実際に行動(固定費の見直し、予算の設定等)を起こすのは、あくまで自分自身です。この点を勘違いしたまま導入すると、「使っているのに何も変わらない」という失望につながりかねないため、最初にきちんと正しく理解しておくことが重要です。見える化はあくまでスタート地点であり、そこからの行動こそが家計改善の本体だと捉えておきましょう。
導入前に準備しておくと良いこと
実際にマネーフォワード MEを使い始める前に、あらかじめ準備しておくとスムーズに進められることがいくつかあります。次回以降で具体的な手順を解説しますが、その前段として、心構えの部分を整理しておきます。
連携する口座・カードをあらかじめリストアップしておく
普段使っている銀行口座、クレジットカード、電子マネー、証券口座などを、思いつく限りすべて紙やメモアプリに書き出しておくと、実際の連携作業がスムーズに進みます。複数の口座を持っている方ほど、この事前のリストアップが後々の作業を大きく楽にしてくれます。
「完璧な家計簿」を最初から目指さない心構えを持つ
先ほど触れた通り、導入直後から完璧な家計簿ができあがるわけではありません。最初の数週間は、自動分類のズレを直したり、連携がうまくいかない口座への対応をしたりと、多少の手間がかかるものだと考えておくと、途中で挫折しにくくなります。家計管理シリーズ第2回で紹介した「完璧を目指さない」という姿勢は、このアプリを使いこなす上でも同じように大切な考え方です。多少のズレは気にせず、まずは全体像をつかむことを優先する意識で取り組むとよいでしょう。
まずは1つの口座から試してみる
いきなりすべての口座・カードを一度に連携させようとすると、作業量が多くなり、途中で疲れて投げ出してしまうこともあります。まずは、最もよく使うメインの口座やカードを1つだけ連携させてみて、実際の使用感をじっくり確かめてから、少しずつ範囲を広げていくという進め方をおすすめします。この段階的なアプローチについては、次回のシリーズ第2回で、より具体的な手順として詳しく解説していきます。焦らず一歩ずつ進めることが、結果的には最も確実に定着させる近道になります。
個人事業主・投資家・大家という立場だからこそ感じるメリット
会社員として給与収入のみを得ている場合と比べて、個人事業主・投資家・兼業大家という複数の立場を持つ場合、管理すべき情報の複雑さは格段に増します。事業用の口座、投資用の証券口座、賃貸経営用の口座など、それぞれの目的ごとに口座が分かれていることが多く、これらを個別に確認していては、家計全体の状況を把握するだけでも相当な時間がかかってしまいます。
マネーフォワード MEを使い始めてからは、こうした複数の口座・資産を一つの画面で俯瞰できるようになったことで、家計全体の状況を把握する時間そのものが大幅に短縮されました。4人の子どもを育てながら、複数の収入源を管理していく上で、この「時間の節約」という効果は、想像していた以上に大きなものでした。
特に、事業の繁忙期と家計の見直しタイミングが重なってしまった時など、時間がまったく足りないと感じる場面は何度もありました。そうした時に、家計の現状把握だけでもワンタップで済むという安心感は、精神的な負担を軽くしてくれる効果もあったと感じています。次回は、実際にアプリを使い始める際の具体的な手順を、登録から連携の順番まで、丁寧に解説していきます。
まとめ|マネーフォワード MEは「家計の自動記録装置」
今回のポイントを、改めて整理します。
- マネーフォワード MEは、銀行・カード等の情報を自動で取り込み、家計簿を自動作成してくれるアプリ
- 「日々の記録はアプリで自動化」「年間の俯瞰・将来設計はエクセル」という明確な役割分担がおすすめ
- 複数の口座・カードを使い分けている人、投資をしている人ほど、メリットを感じやすい
- 無料版から気軽に試し、必要性をはっきり感じたら有料版を検討するという進め方でよい
マネーフォワード MEと、どう出会ったか
個人事業主として独立し、投資・不動産経営という複数の収入源を持つようになってから、管理すべき口座やカードの数は年々増えていきました。当初はエクセルにすべてを手入力していましたが、口座数が増えるにつれて、入力作業だけで毎月かなりの時間を取られるようになり、正直なところ限界を感じていました。特に、月末にまとめて数ヶ月分の明細を入力しようとして、レシートや通帳の記録を漁りながら途方に暮れた経験は、一度や二度ではありません。
そんな時に出会ったのが、マネーフォワード MEでした。導入してからは、日々の入出金の記録という最も手間のかかる作業から解放され、その分の時間を、家計全体の分析や将来設計といった、より価値のある作業に振り向けられるようになりました。手入力という「作業」に費やしていた時間が、分析や意思決定という「思考」に使える時間に置き換わったことは、想像していた以上に大きな変化でした。
4人の子どもを育てながら家計を管理する中で、こうした自動化ツールの存在そのものは、時間という限られた資源を守る上で、非常に大きな助けになっています。子育て中は、ただでさえまとまった時間を確保すること自体が難しく、家計管理に割ける時間は限られています。だからこそ、自動化できる部分は徹底的に自動化し、限られた時間を本当に価値のある判断に集中させるという発想が、忙しい子育て世帯にこそ役立つと感じています。次回からは、実際にどう使い始めればいいのか、登録から連携までの具体的な手順を、順を追って解説していきます。
よくある質問(FAQ)
Q1. マネーフォワード MEは無料でも十分に使えますか?
基本的な家計簿作成・口座連携の機能は無料版でも利用できます。まずは無料版で試してみて、連携したい金融機関の数や、必要な機能に応じて有料版を検討する進め方がおすすめです。
Q2. 銀行口座やカードの情報を連携させるのは、セキュリティ面で不安です
連携には金融機関側が提供する認証の仕組みが使われており、パスワード等の情報がそのまま第三者に渡るわけではありません。とはいえ、不安を感じる場合は、まず一つの口座だけを連携させて使い勝手を確認するところから始めるとよいでしょう。少しずつ慣れながら範囲を広げていくことをおすすめします。
Q3. 家計簿アプリは他にもありますが、なぜマネーフォワード MEなのですか?
連携できる金融機関の種類の豊富さや、資産管理機能まで含めた総合力が、複数の収入源・資産を持つ方には特に使いやすいと感じています。もちろん他のアプリにも良さがあるため、実際に使い比べてみることもおすすめします。
Q4. 家計簿アプリを使えば、エクセルでの管理はもう不要になりますか?
日々の記録はアプリに任せつつ、年間の生活費表や将来のライフプラン表といった、俯瞰的な試算にはエクセルが向いています。それぞれの得意分野を活かした併用をおすすめしています。
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シンパパ資産設計士
4児を育てるシングルファーザー/個人事業主20年/投資家20年/兼業大家20年
📝 noteでも毎日発信中
投資20年の失敗談・シングルファーザーのリアルな日常・お金の本音——ブログでは書きにくいことをnoteに書いています。


