ライフプラン表を完成させる|4児シンパパのライフプランの作り方シリーズ⑩(最終回)

ひとり親の家計

こんにちは、シンパパ資産設計士です。

ライフプランの作り方シリーズも、いよいよ最終回・第10回を迎えました。これまで9回にわたって、住宅費・車の生涯コスト・収入予測・インフレ・老後資金といった、個別の重要なテーマを一つひとつ解説してきました。最終回となる今回は、これまでの内容をすべて統合し、実際に自分だけのライフプラン表を完成させるための、具体的な手順を丁寧に解説していきます。

  1. これまでの9回を振り返る
  2. ライフプラン表の基本構造
    1. 横軸は年齢・西暦、縦軸は項目
    2. 収入・支出・差引・資産残高の4段構成
  3. ライフプラン表を完成させる7ステップ
    1. ステップ1:現在の資産・収入・支出を棚卸しする
    2. ステップ2:ライフイベントを年表に落とし込む
    3. ステップ3:支出をインフレ調整して将来に伸ばす
    4. ステップ4:収入を実質成長率で伸ばす
    5. ステップ5:差引収支を計算し、資産残高を積み上げる
    6. ステップ6:老後資金の着地点を確認する
    7. ステップ7:複数シナリオで感度分析を行う
  4. ライフプラン表を作る上でよくある3つのつまずき
    1. つまずき①:完璧を目指しすぎて途中で挫折する
    2. つまずき②:項目を細かくしすぎて管理しきれなくなる
    3. つまずき③:一度作った表を放置してしまう
  5. 4人の子どもを育てながら見えてきたライフプラン表の使い方
    1. 大きな決断をする際の「判断の物差し」になる
    2. 不安を「見える化」することで、逆に安心材料になる
  6. 完成後にやるべきこと
    1. 年1回の見直し習慣をつける
    2. 家族と共有し、将来の意思決定に活用する
  7. 家計管理シリーズとの連携で、より実用的な表になる
    1. 年間生活費表がライフプラン表の「現在」の土台になる
    2. 特別費・生活防衛資金の考え方がそのまま活きる
  8. ライフプラン表を「一人で完結させない」という選択肢
    1. 配偶者やパートナーがいる場合は、必ず一緒に作る
    2. 専門家のセカンドオピニオンを活用する
  9. まとめ|ライフプラン表は「作って終わり」ではなく「育てるもの」
  10. シリーズを通して伝えたかったこと
  11. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. ライフプラン表は、エクセル以外でも作れますか?
    2. Q2. ライフプラン表を作るのに、どれくらいの時間がかかりますか?
    3. Q3. 見直しの際、何を中心にチェックすればいいですか?
    4. Q4. 一人で作るのが不安な場合、専門家に相談すべきですか?
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    1. この記事を書いた人:シンパパ資産設計士

これまでの9回を振り返る

ライフプラン表を完成させる前に、まずはこれまでの9回で扱ってきたテーマを簡単に振り返っておきましょう。

  • ①〜③:ライフプランの土台となる考え方と、教育費・住宅費という大型支出の見積もり方
  • ④:教育費はいくら必要か、子どもの人数から考える方法
  • ⑤:住宅費をライフプランに入れる際の注意点(ローン完済後も支出は続く)
  • ⑥:車の生涯コストを構成する7つの要素
  • ⑦:収入を予測する、複数の収入源に分けて考える視点
  • ⑧:インフレ率を入れないライフプランがなぜ危険か
  • ⑨:老後資金を、平均値ではなく自分の場合で計算する方法

これらはすべて、最終的に1枚のライフプラン表へと統合されるべきパーツです。今回は、これらのパーツをどう組み合わせて、実際に機能する表として仕上げていくかを、具体的に解説します。

ライフプラン表の基本構造

ライフプラン表を作る前に、まずはその基本構造をしっかり理解しておきましょう。

横軸は年齢・西暦、縦軸は項目

ライフプラン表の基本形は、横軸に自分(および配偶者・子ども)の年齢と西暦を並べ、縦軸に収入・支出・資産残高といった項目を並べる、いわゆる「マトリクス形式」です。エクセルやスプレッドシートを使えば、この形式は比較的簡単に作成できます。子どもの年齢や進学時期を横軸に併記しておくと、教育費のピークが視覚的に把握しやすくなります。

収入・支出・差引・資産残高の4段構成

縦軸の項目は、大きく「収入」「支出」「差引収支」「資産残高」の4段で構成します。収入と支出の差額である差引収支を毎年計算し、それを前年の資産残高に加算していくことで、各年の資産残高の推移が算出できます。この資産残高の推移こそが、ライフプラン表の最終的なアウトプットであり、「何歳の時点で資産がいくらになっているか」「資産がマイナスになる年はないか」を確認するための最重要指標になります。

ライフプラン表を完成させる7ステップ

ここからは、実際にライフプラン表を完成させるための、具体的な7つのステップを紹介します。

ステップ1:現在の資産・収入・支出を棚卸しする

まずは現在地の正確な把握から始めます。家計管理シリーズで作成した年間生活費表・資産一覧をもとに、現在の年間収入・年間支出・保有資産の総額を、ライフプラン表の「現在」の列に書き込みます。ここが不正確だと、その後の試算すべてが土台から大きく狂ってしまうため、できるだけ正確に、丁寧に洗い出しておくことが重要です。

ステップ2:ライフイベントを年表に落とし込む

子どもの進学・独立、住宅の購入・修繕、車の買い替え、自分自身の退職といった、将来のライフイベントを、該当する年齢の列に書き込んでいきます。これまでのシリーズで解説してきた教育費・住宅費・車の生涯コストは、すべてこのライフイベントに紐づく形で表に反映させます。

ステップ3:支出をインフレ調整して将来に伸ばす

シリーズ第8回で解説した通り、支出項目には物価上昇率を加味して将来へ伸ばします。教育費のように一般的なインフレ率より高めに上昇しやすい項目は、やや高めの上昇率を設定するなど、項目ごとにきめ細かく調整することをおすすめします。

ステップ4:収入を実質成長率で伸ばす

シリーズ第7回・第8回で解説した通り、収入項目には「昇給率−インフレ率」で算出した実質成長率を適用します。給与収入・事業収入・不動産収入・資産収入という4つのカテゴリそれぞれに、異なる成長率を設定することで、より精度の高い将来予測になります。

ステップ5:差引収支を計算し、資産残高を積み上げる

各年の収入から支出を差し引いた差引収支を計算し、前年の資産残高に加算していきます。この作業を1年ずつ、最終的には人生の終盤(たとえば95歳前後)まで丁寧に繰り返すことで、生涯にわたる資産残高の推移が完成します。エクセルの場合、1年分の計算式を作ってしまえば、あとは行をコピーするだけで残りの年数分を一気に作成できます。

ステップ6:老後資金の着地点を確認する

シリーズ第9回で解説した老後資金の考え方をもとに、リタイア時点での資産残高が、老後に必要な資金水準に達しているかを確認します。もし不足が見込まれる場合は、支出の見直し・収入源の追加・リタイア時期の後ろ倒しといった対策を、この段階で検討します。

ステップ7:複数シナリオで感度分析を行う

1つのシナリオだけで満足せず、「インフレ率を高めに設定した場合」「収入の成長が鈍化した場合」「予期せぬ大きな支出が発生した場合」など、複数のシナリオでライフプラン表を試算しておくことをおすすめします。こうした感度分析を行うことで、どの変数がライフプランに最も大きな影響を与えるかが見えてきて、対策の優先順位をつけやすくなります。悲観シナリオでも致命的な破綻に至らないことを確認できれば、それだけで大きな安心材料になります。

ライフプラン表を作る上でよくある3つのつまずき

実際にライフプラン表を作ろうとすると、多くの人が同じようなポイントでつまずきます。ここでは、その典型的な3つのつまずきと、乗り越え方を紹介します。

つまずき①:完璧を目指しすぎて途中で挫折する

ライフプラン表を作り始めると、「この前提で本当に正しいのか」「もっと精密にできるのではないか」と、完璧さを求めすぎてしまい、結局完成しないまま放置してしまうケースが少なくありません。しかし、ライフプラン表は最初から完璧である必要はなく、まずは大まかな数字で全体像を作ってみることの方がはるかに重要です。細部の精度は、後から何度でも見直して高めていけばよいのです。「60点でもいいから、まず完成させる」という意識で取り組むことをおすすめします。

つまずき②:項目を細かくしすぎて管理しきれなくなる

逆に、支出項目を細分化しすぎて、管理項目が数十にも膨れ上がり、更新作業自体が負担になってしまうケースもあります。家計管理シリーズで紹介した支出カテゴリの粒度を参考に、ライフプラン表でも大分類(住居費・教育費・車両費・保険料・その他生活費等)でまとめることをおすすめします。細かすぎる管理は、継続を妨げる最大の要因になりがちです。

つまずき③:一度作った表を放置してしまう

最も多いつまずきが、苦労して表を完成させたものの、その後一度も更新せずに放置してしまうパターンです。時間の経過とともに前提条件と実態がずれていき、気づいたときには表自体の信頼性が失われてしまいます。次に紹介する「年1回の見直し習慣」を、カレンダーやリマインダーに登録しておくなど、仕組みとして継続を後押しする工夫をしておくことをおすすめします。

4人の子どもを育てながら見えてきたライフプラン表の使い方

4人の子どもを育てる中で、ライフプラン表は単なる「将来の資産予測ツール」以上の役割を果たしてくれると感じています。

大きな決断をする際の「判断の物差し」になる

住宅を購入するかどうか、車を買い替えるかどうか、子どもを私立に進学させるかどうかといった大きな決断を迫られる場面は、子育て世帯には数多くあります。そうした場面で、感覚や勢いだけで判断するのではなく、ライフプラン表に試算を反映させてから判断するという習慣を持つことで、後悔の少ない意思決定ができるようになったと実感しています。

不安を「見える化」することで、逆に安心材料になる

お金の不安は、正体が分からないほど大きく感じられるものです。ライフプラン表を作り、将来の資産推移を具体的な数字とグラフで見える化することで、「思っていたより大丈夫そうだ」と安心できる場合もあれば、「このままでは危険だ、今のうちに対策を打とう」と早めに動き出せる場合もあります。どちらの結果であっても、漠然とした不安を具体的な数字に変換できたこと自体に、大きな価値があると僕は考えています。

完成後にやるべきこと

ライフプラン表が完成したら、それで終わりではありません。完成後にも、継続すべき習慣があります。

年1回の見直し習慣をつける

ライフプラン表は、一度作ったら完成というものではなく、実際の収支や環境の変化に応じて、定期的に前提を更新していく「生きた表」として扱うことが大切です。年に一度、決算のタイミングや誕生日などをきっかけに、実績と見積もりのズレを確認し、前提条件を更新する習慣をつけることをおすすめします。

家族と共有し、将来の意思決定に活用する

ライフプラン表は、自分一人の頭の中に留めておくのではなく、可能であれば家族とも共有し、将来の大きな意思決定(住宅購入、教育方針、リタイア時期等)の判断材料として活用することをおすすめします。数字という共通言語があることで、家族間の将来に関する話し合いも、より建設的なものになりやすくなります。

家計管理シリーズとの連携で、より実用的な表になる

今回のライフプランの作り方シリーズは、前段の家計管理のやり方シリーズと組み合わせることで、より実用的なものになります。両シリーズの連携ポイントを整理しておきます。

年間生活費表がライフプラン表の「現在」の土台になる

家計管理シリーズで作成した年間生活費表は、そのままライフプラン表の「現在」の支出欄の土台として使えます。すでに支出をカテゴリ別に整理できている状態であれば、ライフプラン表への転記もスムーズに進みます。まだ家計管理シリーズに取り組んでいない方は、先にそちらから着手することをおすすめします。

特別費・生活防衛資金の考え方がそのまま活きる

家計管理シリーズで解説した「特別費」(車検・固定資産税等、毎月ではなく年単位で発生する支出)や「生活防衛資金」の考え方は、ライフプラン表の中でも重要な役割を果たします。特別費は、車・住宅といった各シリーズで解説してきた大型支出の年換算という形で、ライフプラン表の中に組み込まれています。生活防衛資金は、資産残高がマイナスに転じるリスクを吸収するバッファーとして、常に一定額を確保しておく前提で試算しておくと安心です。

ライフプラン表を「一人で完結させない」という選択肢

ライフプラン表は基本的に自分で作成・更新していくものですが、状況によっては、他者の視点を取り入れることも有効です。

配偶者やパートナーがいる場合は、必ず一緒に作る

配偶者やパートナーがいる家庭では、ライフプラン表は必ず二人でしっかり話し合いながら一緒に作ることをおすすめします。片方だけが把握している状態では、いざという時の意思決定にズレが生じやすくなります。今回はシングルファーザーという立場から解説してきましたが、共働き世帯・専業主婦(主夫)世帯であっても、この「共有」の重要性は変わりません。

専門家のセカンドオピニオンを活用する

自分で作った表に対して、ファイナンシャルプランナー等の専門家からセカンドオピニオンをもらうことも、精度を高める上で有効な選択肢です。特に、税制・保険・相続といった専門性の高い分野については、自分だけの知識では見落としがちなポイントを補ってもらえる可能性があります。ただし、最終的な判断の主導権は、あくまで自分自身が持っておくことが大切だと考えています。

まとめ|ライフプラン表は「作って終わり」ではなく「育てるもの」

今回のポイント、そしてシリーズ全体のポイントを、改めて整理します。

  • ライフプラン表は収入・支出・差引収支・資産残高の4段構成で作る
  • 支出はインフレ調整、収入は実質成長率で、それぞれ将来に伸ばす
  • 老後資金の着地点を確認し、不足があれば早めに対策を検討する
  • 完成後も年1回の見直しを習慣化し、「生きた表」として育てていく

シリーズを通して伝えたかったこと

今回のライフプランの作り方シリーズ、そして前段の家計管理のやり方シリーズを合わせた全20回を通して、僕が一貫して伝えたかったのは、「お金の不安は、数字にすることで初めて具体的な対策に変えられる」ということです。漠然とした不安を抱えたまま日々を過ごすのと、数字で可視化した上で計画的に対処するのとでは、精神的な負担も、実際に取れる対策の幅も、大きく変わってきます。

4人の子どもを育てるシングルファーザーとして、個人事業主・投資家・兼業大家という複数の立場で家計を支えてきた20年間、僕自身も何度も不安に押しつぶされそうになった経験があります。特に、教育費のピークと老後資金準備の開始時期が重なりそうになった時期は、正直なところかなりの焦りを感じました。しかし、そのたびに数字と向き合い、具体的な計画に落とし込むことで、少しずつ前に進んでこられました。感覚や不安のまま立ち止まるのではなく、数字という共通言語に変換することで、次に取るべき行動が自然と見えてくる、というのが20年間を通じての一番の実感です。

今回紹介した考え方やステップが、読んでくださった方それぞれのライフプランを完成させる助けになれば、これほど嬉しいことはありません。完璧な表を目指す必要はなく、まずは大まかな数字からで構いません。一歩を踏み出すことが、将来の安心につながります。長いシリーズにお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

よくある質問(FAQ)

Q1. ライフプラン表は、エクセル以外でも作れますか?

スプレッドシート(Googleスプレッドシート等)でも同様に作成できます。市販のライフプランシミュレーションツールやアプリを活用する方法もありますが、自分で数式を組んで作ると、前提条件を自由に調整できる利点があります。使い慣れたツールで始めるのが、継続のコツです。

Q2. ライフプラン表を作るのに、どれくらいの時間がかかりますか?

初めて作る場合、資産・収入・支出の棚卸しも含めると、数時間から1日程度かかることが一般的です。一度基本形を作ってしまえば、翌年以降の見直しは数十分程度で済むようになるため、最初の一手間を惜しまないことが大切です。

Q3. 見直しの際、何を中心にチェックすればいいですか?

実際の収入・支出が見積もりとどれだけ乖離しているか、大きなライフイベントに変更がないか、この2点を中心に確認することをおすすめします。乖離が大きい項目があれば、その項目の前提条件を重点的に見直すことで、次の1年間の精度も高まっていきます。

Q4. 一人で作るのが不安な場合、専門家に相談すべきですか?

まずは今回のシリーズを参考に、自分で一度作ってみることをおすすめします。その上で、不安な部分(税制、保険、相続等)については、必要に応じてファイナンシャルプランナー等の専門家に相談するという併用スタイルも有効です。自分で一度手を動かしてみることで、専門家への相談内容もより具体的になります。

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シンパパ資産設計士
4児を育てるシングルファーザー/個人事業主20年/投資家20年/兼業大家20年


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投資20年の失敗談・シングルファーザーのリアルな日常・お金の本音——ブログでは書きにくいことをnoteに書いています。

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この記事を書いた人:シンパパ資産設計士

シングルファーザー × 個人事業主 × 20年投資家。4人の子どもを育てながら、資産運用・節税・保険・不動産を自分で実践中。「等身大の失敗談」と「リアルな数字」を武器に、シンパパの家計設計を発信しています。

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